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【第56回小熊秀雄賞】鎌田尚美さん詩集『持ち重り』が受賞

小熊秀雄賞市民実行委員会は4月10日、第56回小熊秀雄賞の受賞作を発表しました。

 

第56回小熊秀雄賞が決定!

2022年1月から12月末までに刊行された詩集を対象とする第56回小熊秀雄賞には、全国から81点の応募があり、市民実行委員会による一次選考、選考委員4名による二次選考を経て、7点が最終選考会にノミネートされました。
そして、4月8日に旭川市高砂台の旅館「扇松園」で開催された最終選考会において、次の通り受賞作が決定しました。

 
<第56回小熊秀雄賞 受賞作品>

鎌田尚美(かまた・なおみ)さん
『持ち重り』(思潮社)

 
受賞者の鎌田尚美さんは、1968年生まれ、神奈川県出身。埼玉県蓮田市在住。宇都宮短期大学附属高校卒業。東洋大学中退。2022年、『ユリイカ』の「ユリイカの新人」に選出。『持ち重り』で第28回中原中也賞、第33回日本詩人クラブ新人賞、第73回H氏賞の最終候補。

鎌田さんには、正賞「詩人の椅子」と副賞30万円が贈られます。贈呈式は5月13日(土)午後3時から旭川市内のアートホテル旭川で開催され、『雨の合間』で第55回小熊秀雄賞を受賞した津川エリ子さんによる記念講演も行われます。

 
選考委員はアーサー・ビナードさん(詩人・エッセイスト)、佐川亜紀さん(詩人)、堀川真さん(絵本作家/名寄市立大教授)、松井晶彦さん(演出家)の4名。選考経過など詳細は、http://blog.livedoor.jp/ogumahideo/archives/52183640.html をご覧ください。

 
なお、第56回小熊秀雄賞の最終選考作品は、以下の7作品でした。

【最終選考作品】
◎高細玄一さん『声をあげずに泣く人よ』(コールサック社)
◎木村孝夫さん『十年鍋』(モノクローム・プロジェクト)
◎苗村吉昭さん『神さまのノート』(土曜美術社出版販売)
◎北村真さん『朝の耳』(ボートハウス)
◎石下典子さん『ナラティブ/もしもの街で』(栃木文化社)
◎青木由弥子さん『空を、押し返す』(私家版)
◎鎌田尚美さん『持ち重り』(思潮社)

 

小熊秀雄賞について

小熊秀雄賞は、北海道出身の詩人・小熊秀雄の業績を顕彰し、あわせて優れた現代詩の才能に賞を贈り、日本文学の発展に寄与することを目的に、1968年に旭川市で創設された文学賞です。

第40回までは旭川文化団体協議会が、第41回からは小熊秀雄賞市民実行委員会が主催し、旭川市が事業費の一部を助成しています。

同賞は、毎年過去1年以内(1月から12月まで)の期間に刊行された詩集を対象とし、公募方式となっています。賞は、正賞として「詩人の椅子」1脚、副賞として30万円が贈られます。

 

持ち重り
鎌田尚美 (著)

第1詩集
最中はポケットの中で、持ち重りするようだった
背を丸め歩きながら、柔らかな和紙に包まれた最中を、掌でそっと運ぶことを夢想した
(「持ち重り」)
「善悪の彼岸で語ることの魔力に目覚めてしまったというような、知的かつ即物的な新たな才能の出現」(野村喜和夫)、
「私たちの現実の平穏のすぐ隣にある不条理のあらゆる姿が、あたかも〈眼〉を向けてくるかのようである」(和合亮一)。
淡々と綴られ照らされる、現実の深い裂け目。
鋭く日常を切りとる23の詩篇。

 
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