本のページ

SINCE 1991

下を向いて歩こう!”卒寿”五木寛之さん『うらやましいボケかた』が刊行

「卒寿にして知ること」「体界は枯れても、心は枯れない」「ゆっくりしたボケかた」「極楽浄土という世界」……など、人生百年時代と向き合うヒントが満載の、五木寛之さん著『うらやましいボケかた』が新潮社より刊行されました。

 

すべてが目まぐるしく変わる時代、舞い散る落葉を踏みながら〈老年の荒野〉をゆく――作家生活半世紀余の思索と経験を凝らした、晩年を生き抜く34のヒント!

平均寿命84歳は世界トップ、百歳以上の人口が8万人を超える世界にもまれな長寿国・日本では、「人生百年時代」はすでにキャッチフレーズでもスローガンでもなく、リアルな現実です。

 
もちろん長生きそれ自体よろこぶべきことですが、一方では、健康寿命は73歳といいますから、その差10年ばかりは当然ながら、心身とも様ざまな不調や病気とつきあいながら、ということになるのが普通です。

 
本書では、著者自身、変形性股関節症で杖をつくようになったこと、トレードマークの豊かな白髪がにわかに心もとなくなってきたこと、不意の涙をこらえられなくなるなど、深まる老いと向き合う日々がユーモアをまじえて描かれています。

 
そしていま最も関心のあるテーマが「ボケ」であること、かつては思索の対象だった死が、すぐに手の届くところにある現実になっていることも、淡々と、しかし軽やかにつづられています。

「多少の差こそあれ、人は意識を差し出して、長寿を受け取るのだ。ボケない生きかたなど、ない」のだと(本文より)。

 
著者は昭和ひとケタ、1932年の生まれ。昨年めでたく卒寿をむかえました。波乱万丈の90年を越えてこそ見えてくる、生き抜くヒントが満載です。

 
<『うらやましいボケかた』内容紹介>

「人生百年時代」とはいうけれど、心身の衰えや経済的不安など、長生きするほどに心配のタネもまた尽きないものだ。文筆を通して世の移り変わりを見つめて半世紀余、著者も70代から80代を通り過ぎ、90代へと突入した。ボケる思考、ガタつく体を日々実感しながらも、ひとり軽やかに「老年の荒野」をゆく――人の生き方と考え方、日本も世界も目まぐるしく変わる時代に、ユーモアをまじえて綴った卒寿の本音。

 

本書の目次

九十歳の壁を回りこむ
間違いだらけの人生だ
寒さ暑さも還暦まで
下を向いて歩こう
ゆっくりしたボケかた
加齢は各所バラバラに進む
人間の体は奥深くて面白い
こども庁より「ひざ・こし庁」
運転できるけどしない
人はどんな事態にも慣れる
「はい、はい、お先にどうぞ」
無理をしないでボチボチと
言葉の渦に流されながら
ながら養生法のすすめ
マスクの捨てがたい効用
男性たちに覚悟はあるか
明日どうなるかはわからない
きたるべき超インフレ時代
単身社会の幸福とは
一瞬の出会い、忘れえぬ記憶
変る時代と変らぬ意識
思いがけない不意の涙
百年人生の荒野をゆく
「死」は思索から現実へ
記憶の海に漕ぎだせば
ようやく「禿」の仲間入り
あす死ぬとわかっていても
体は枯れても、心は枯れない
もはや、こわいものなしですな
出口はどこかにあるものだ
卆寿にして知ること
風雨強かるべしと覚悟する
明鏡止水いまだ遠し
極楽浄土という世界

 

著者プロフィール

著者の五木寛之(いつき・ひろゆき)さんは、1932(昭和7)年生まれ、福岡県出身。作家、作詞家。

早稲田大学露文科中退後、編集者などを経て『蒼ざめた馬を見よ』で直木賞、『青春の門 筑豊編』他で吉川英治文学賞を受賞。『大河の一滴』『人間の覚悟』『孤独のすすめ』『私の親鸞』『捨てない生き方』など著書多数。

 

うらやましいボケかた (新潮新書)
五木 寛之 (著)

無理をしないでボチボチと 下を向いて歩こう。
90歳を超え、なお軽やかに。「老年の荒野」をゆく。

「人生百年時代」とはいうけれど、心身の衰えや経済的不安など、長生きするほどに心配のタネもまた尽きないものだ。文筆を通して世の移り変わりを見つめて半世紀余、著者も70代から80代を通り過ぎ、90代へと突入した。ボケる思考、ガタつく体を日々実感しながらも、ひとり軽やかに「老年の荒野」をゆく――人の生き方と考え方、日本も世界も目まぐるしく変わる時代に、ユーモアをまじえて綴った卒寿の本音。

 


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です