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柴田祐紀さん「第26回日本ミステリー文学大賞新人賞」受賞作『60%』が刊行

柴田祐紀さん著『60%』

柴田祐紀さん著『60%』

第26回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞した、柴田祐紀さん著『60%』が光文社より刊行されました。

 

選考委員、満場一致の圧倒的ノワール――『60%』

1996年に創設され、26回目を迎えた「日本ミステリー文学大賞新人賞」ですが、今回は異色の犯罪小説(ノワール)が選考委員、満場一致での受賞となりました。

その作品は柴田祐紀さんの『60%』。地下社会に生きるアウトローたちの苦悩や友情、生き様を暴力たっぷりに描いた意欲作で、この風変わりなタイトルが意味しているのは、マネーロンダリング専用の投資コンサルティング会社の名前です。この「60%」を中心に、地下で蠢くワルや悪徳刑事、中国マフィアなどが黒くて熱いドラマを繰り広げます。

 
選考委員が共通して評価したのが、そのキャラクター造形の上手さ。物語の中心となるカリスマ若頭の柴崎、柴崎に心酔する舎弟頭の粕谷、悪徳刑事の高峰、悪の道に転落する元銀行員の後藤……など、ワルだけどどこか憎めない魅力的な登場人物たちに自然と惹き込まれていく、味わい深い作品です。

 
【全選考委員がキャラクターの魅力を絶賛!】

◇有栖川有栖さん
「キャラクターの設定とその配置の面白さで読ませ、最後に明かされるのは、なんと――」

◇恩田陸さん
「これまでの候補作中、最も魅力を感じた小説。出てくる登場人物が皆面白く、何より、映像で見てみたいと思ったシーンがたくさんあり、一読者として次の作品が読みたいと思った」

◇辻村深月さん
「序盤からテンポがよく、登場人物それぞれの造形も、少ないエピソードや描写から魅力的に香り立つ」

◇薬丸岳さん
「登場人物たちの生々しい突き抜けた感情がとても魅力的だった」

 
<あらすじ>

あなたの資産を60%増へ――
裏金、隠し資産、麻薬の売上……丁重に運用いたします

容姿端麗、頭脳明晰のカリスマ極道・柴崎純也は、飲酒運転で人生を失った元銀行員・後藤喜一をスカウトし、マネーロンダリング専用の投資コンサルティング会社「60%」を立ち上げる。違法行為に気づくも、地下社会のしがらみのない生き方に惹かれていく後藤。柴崎が従来の反社会組織とは違う不思議なコミュニティを形成し、強い絆で勢力を拡大していく中、「60%」の存在意義にも大きな変化が訪れる。やがて来る絶体絶命の破滅……信ずるべきは誰なのか? ハミダシ者たちの苦悩の選択が始まる。

 

著者プロフィール

著者の柴田祐紀(しばた・ゆうき)さんは、1974年生まれ、秋田県出身。結婚式場で支配人を務める会社員。趣味は映画鑑賞、読書。『60%』で第26回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞し、デビュー。

 

日本ミステリー文学大賞新人賞について

日本ミステリー文学大賞新人賞は、21世紀に活躍する新鮮な魅力と野心に満ちた才能を求めて、広義のミステリー小説を公募、優秀作品を選出するために、1996年に創設された賞です。

過去に結城充考さん(第12回『プラ・バロック』)、前川裕さん(第15回『クリーピー』)、葉真中顕さん(第16回『ロスト・ケア』)らを輩出しています。

 

60%
柴田 祐紀 (著)

第26回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞!
選考委員満場一致、多彩なキャラクターが魅力の圧倒的ノワール

マネーロンダリング専用の投資コンサルティング会社「60%」が扱うのは、裏金、隠し資産、麻薬の売上……。容姿端麗、頭脳明晰のカリスマ極道・柴崎純也は、従来の反社会組織とは違う不思議なコミュニティを形成し、強い絆で勢力を拡大していくが、やがて絶体絶命の破滅が訪れる。信ずるべきは誰なのか? ハミダシ者たちの苦悩の選択が始まる。

 
【関連】
日本ミステリー文学大賞新人賞|光文文化財団

 


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