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イッサ・ワタナベさんが移民・難民の過酷な現実を描くサイレント絵本『移動するものたち』が刊行

イッサ・ワタナベさん作『移動するものたち』

イッサ・ワタナベさん作『移動するものたち』

イッサ・ワタナベさんが移民・難民の過酷な現実を、力強く美しい筆致で描き出した邦訳絵本『移動するものたち』が小学館集英社プロダクションより刊行されました。

 

世界17カ国で出版。増え続ける移民・難民の過酷な現実を描いた絵本

◎2021年 仏ソルシエール賞 フィクション部門受賞
◎2021年 カタルーニャ本屋大賞 絵本部門受賞
◎国際推薦児童図書目録 「ホワイトレイブンズ2020」選定
◎全米児童図書評議会 「OUTSTANDING INTERNATIONAL BOOKS LIST 2021」選定

 
「いきものたちはどこへいくのか、バッグがからっぽだとわかったとき、いきるおどろきとよろこびのはながひらいた」
――谷川俊太郎さん(詩人)

「闇のなかを歩き続ける動物たち(人々)の姿、表情、そこからにじみ出る圧倒的な絶望とささやかな希望。これは、それを描いた絵本だと思う。難民とか移民とかというテーマのようなものを超えて、この世界に生きる切なさを伝えているような気がするのだ。」
――金原瑞人さん(翻訳家)

「ページの奥から、まっすぐ語りかけてくる声が聞こえる。言葉がないのに。言葉がないからこそ。」
――岸本佐知子さん(翻訳家)

 
国際移住機関(IOM)の推計によると、世界には人類全体の約4%に相当する2億5800万人の移民がいるとされます。また、戦争や迫害、紛争から逃れる人々の数は2020年に8240万人を超えたと国連難民機関の最新報告で発表されています。

 
本書は、そんな移民・難民の過酷な現実を動物たちの姿に託したサイレント絵本です。木の葉がなくなってしまった黒い夜の森を捨て、旅に出る動物たち。さまざまな脅威に直面しながら国境を越える彼らの旅には、常に死の影がつきまとう――。

動物たちが旅の果てに見つけるものはいったい何なのか。言葉がないからこそ、大人から子どもまで、読めば動物たちの旅に対する想像と共感が生まれます。

 

力強くも色彩の美しい絵で描かれる動物たち

ボローニャ国際絵本原画展にも入選した実力を持つイッサ・ワタナベさん。本書に登場する動物たちは、すべて色鉛筆による手書きで描かれています。

ページをめくるたびに広がる、美しくも力強い絵を通して紡がれる物語は必見。何度読んでも発見のある、心揺さぶられる作品です。

 

著者プロフィール

著者のイッサ・ワタナベ(Issa Watanabe)さんは、1980年生まれ、リマ出身。母親はイラストレーターで父親は詩人。リマのペルー・カトリック大学で文学を学んだのち、マヨルカ島へ渡り美術とイラストを学ぶ。

アートを通して多数の社会統合のプロジェクトを主宰しており、2012年にラ・カイシャ財団社会事業賞を受賞した。
2018年には本書の基となるイラストにてボローニャ国際絵本原画展に入選。作画を担当した主な絵本に『いいこにして、マストドン!』(邦訳版:ワールドライブラリー)がある。

 

移動するものたち
イッサ・ワタナベ (著)

木の葉がなくなってしまった黒い夜の森を捨て、旅に出る動物たち。さまざまな脅威に直面しながら国境を越える彼らの旅には、常に死の影がつきまとう――。 世界的な問題となっている「移民」「難民」の現実を、擬人化した動物たちの姿に寄せてイラストのみで描き出したサイレント絵本。

 


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