父と主君の仇、信長公の首、頂戴つかまつる! 井原忠政さん〈戦国エンターテインメント〉「北近江合戦心得」シリーズが始動!
井原忠政さんによる時代小説「三河雑兵心得」シリーズの姉妹篇「北近江合戦心得」第1巻『姉川忠義』が小学館時代小説文庫より刊行されました。
累計発行部数75万部の大ヒット時代小説「三河雑兵心得」シリーズの姉妹篇「北近江合戦心得」第1巻『姉川忠義』
『この時代小説がすごい!2022年版』(宝島社)で文庫書下ろしランキング第1位を獲得するなど、いま最も注目されている時代小説「三河雑兵心得」(双葉文庫)は、徳川家康の天下取りを“雑兵からの視点”で描いた戦国足軽出世物語です。
一方、姉妹篇となる「北近江合戦心得」は、天下の覇権をたぐり寄せた織田・徳川連合を織田側から描く物語です。
「三河」の中で、徳川衆の「同盟者である織田衆への冷めた眼差し」を幾度か表現しています。そうなると、逆に「織田家の人々は三河武士をどう見ていたのか?」が気になり始めた。それが「北近江合戦心得」の端緒となりました。
井原忠政さんは新シリーズ執筆への思いをそう語ります。
物語は元亀元年(1570年)6月、姉川から始まる
現在の滋賀県北部を流れ、琵琶湖に注ぐ姉川を挟んで対峙した浅井・朝倉連合軍約1万8000と織田・徳川連合軍約2万9000が激突!
8000の浅井勢は2万4000の織田勢を気力で圧倒していたが、1万余の朝倉勢が5000の徳川勢に押されて退却。織田勢の反撃を受けた浅井勢は総崩れとなる。
初陣の遠藤与一郎を残し、忠義者の父はひとり信長の陣に斬り込み壮絶な死を遂げるのだった……。
物語の主人公・大石与一郎
本名は遠藤与一郎。弓と馬の名手で美男。主君・浅井長政と父の仇・織田信長を討つべく、名を変えて織田家の足軽に志願。召し抱えられるが……。
姉川の戦いから3年、浅井長政の居城・小谷城は織田の大群に囲まれていた。まさに風前の灯火。長政は十歳の嫡男・万福丸を与一郎に託す。
「与一郎、行け。倅のこと……頼んだぞ」。
万福丸を弟に仕立て、小谷城を脱出する与一郎。供は郎党の大男、武原弁造ただひとり。
山賊上がりの従者・武原弁造
元は関ヶ原近傍の松尾山に巣食う山賊の頭。与一郎らに取り押さえられて以来、忠誠を尽くす。冒険、危険、荒事が大好物。鬼瓦のような容貌だが、女性に不自由しない性質(たち)。
山賊上がりの弁造は山道、夜道に強い。弁造を先頭に三人は、与一郎の乳母だった紀伊が夫・木村喜内之介と暮らす敦賀を目指して出立する。
追っ手を避けるために山道を進む三人。そこで与一郎は弓で牡鹿を仕留めたばかりの女猟師に出逢う。それは喜内之介の娘・於弦だった。
半弓の名人・於弦
木村喜内之介の前妻が産んだ娘。向こうっ気が強いが鋭利で鮮烈な美貌の持ち主。毒矢を使って猟をする。弓が取り持つ縁……於弦は与一郎の思い人になるのか!?
「義を忘れ、利得が最優先される世など、生きるに値せんわ」
義よりも利がもてはやされる乱世……、「忠義専一」の遠藤家の血を引く与一郎は、若君を守り抜くことができるのか?
父と主君の仇、第六天魔王・信長を討つことはできるのか?
そして於弦への思いは?
著者プロフィール
井原忠政(いはら・ただまさ)さんは、神奈川県鎌倉市在住。会社勤務を経て文筆業に入る。
波乱の時代や組織の論理に翻弄されながらも、逞しく生きる人々の姿をユーモアと哀感を交えて巧みに描くのを得意とする。趣味は絵画。
著書に「三河雑兵心得シリーズ」(双葉社)や『うつけ屋敷の旗本大家』(幻冬舎)がある。
★Twitter:https://twitter.com/kyozukamaruo
★公式サイト:https://www.ihara-kyozuka.com/
姉川忠義 北近江合戦心得 (〈一〉) (小学館文庫) 井原 忠政 (著) 第六天魔王・信長の首、頂戴つかまつる! 元亀元年(一五七〇)六月二十八日(新暦七月三十日)、浅井・朝倉勢と織田・徳川勢が激突した姉川の合戦が、弓の名人・与一郎の初陣だった。父・遠藤喜右衛門が壮絶な戦死をしてから三年、家督を継いだ与一郎と、郎党の大男・武原弁造は、主君・浅井長政率いる四百の兵とともに巨大な山城・小谷城の小丸に籠っていた。まさに風前の灯だった。長政には、信長の妹で正室の於市との間に、五歳の長女・茶々以下三人の女子があり、於市ら四人を織田方に投降させるという。だが、十歳の万福丸と乳飲み子の万寿丸は、信長とは血の繋がりがない。信長は決して男児を許すまい。万福丸を連れて落ち延びよ。主命とはいえ、浅井家が果てようという時に、自分一人生き残るなど、与一郎には、及びもつかない。だが、死にゆく主人から嫡男を託されて、古風も美意識も矜持も吹き飛んだ。浅井家再興がなるまで守り抜く。与五郎と改名させた万福丸を弟に仕立てて、小谷城脱出を決行する与一郎。供は、元山賊の頭目・武原弁造ただ一人。天正元年(一五七三)旧暦八月二十八日未明、三人は敦賀を目指して出立した。 【編集担当からのおすすめ情報】 |
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