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「第45回吉川英治文学新人賞」および「第9回吉川英治文庫賞」の候補作が決定

講談社は1月31日、第45回吉川英治文学新人賞および第9回吉川英治文庫賞の候補作を発表しました。

なお最終結果は、第58回吉川英治文学賞、第58回吉川英治文化賞とあわせて、3月5日に発表される予定です。

 

「第45回吉川英治文学新人賞」および「第9回吉川英治文庫賞」候補作

第45回吉川英治文学新人賞および第9回吉川英治文庫賞の候補作は次の通りです。

 
【第45回吉川英治文学新人賞 候補作】

◎荒木あかねさん
『ちぎれた鎖と光の切れ端』(講談社)

◎斜線堂有紀さん
『回樹』(早川書房)

◎武内涼さん
『厳島』(新潮社)

◎多崎礼さん
『レ―エンデ国物語』(講談社)

◎藤岡陽子さん
『リラの花咲くけものみち』(光文社)

 
【第9回吉川英治文庫賞 候補作】

◎麻見和史(あさみ・かずし)さん
「警視庁殺人分析班」シリーズ(講談社文庫)

◎阿部智里(あべ・ちさと)さん
「八咫烏」シリーズ(文春文庫)

◎石田衣良(いしだ・いら)さん
「池袋ウエストゲートパーク」シリーズ(文春文庫)

◎井原忠政(いはら・ただまさ)さん
「三河雑兵心得」シリーズ(双葉文庫)

◎菊地秀行(きくち・ひでゆき)さん
「吸血鬼(バンパイア)ハンター」シリーズ(朝日文庫ソノラマセレクション)

◎知念実希人(ちねん・みきと)さん
「天久鷹央」シリーズ(実業之日本社文庫)

 

吉川英治文庫賞および吉川英治文学新人賞について

吉川英治文学新人賞は、吉川英治国民文化振興会が主催し、講談社が後援。1980年に創設された文学賞です。

前年1月1日から12月31日までに、新聞、雑誌、単行本等に優秀な小説を発表した作家の中から、最も将来性のある新人作家に贈られます。「新人」と銘打っていますが、かなり経歴には幅があります。

 
吉川英治文庫賞も、公益財団法人吉川英治国民文化振興会が主催し、講談社が後援する文学賞です。吉川英治文学賞・吉川英治文化賞が第50回の節目を迎えるのを機に創設。

5巻以上続くシリーズ大衆小説のうち、12月1日から翌年11月30日までにシリーズ5巻目以降が一次文庫で刊行されたものを対象とします。選考委員は講談社を含む出版社の代表各社1名、識者、出版流通関係者など約50人で構成され、選考委員の投票によって受賞作が決定されます。

 
なお、両賞とも受賞者には賞金100万円が贈られます。

 

ちぎれた鎖と光の切れ端
荒木 あかね (著)

江戸川乱歩賞受賞第一作
2022年のミステリーランキングを席巻したZ世代のアガサ・クリスティーが描く哀しき連鎖殺人

「私たちが絆を断った日、島は赤く染まった。」

復讐を誓う男がたどり着いた熊本県の孤島(クローズドアイランド)で目にしたのは、仇(かたき)の死体だった。
さらに第二、第三の殺人が起き、「第一発見者」が決まって襲われる――。

2020年8月4日。島原湾に浮かぶ孤島、徒島(あだしま)にある海上コテージに集まった8人の男女。その一人、樋藤清嗣(ひとうきよつぐ)は自分以外の客を全員殺すつもりでいた。先輩の無念を晴らすため–。しかし、計画を実行する間際になってその殺意は鈍り始める。「本当にこいつらは殺されるほどひどいやつらなのか?」樋藤が逡巡していると滞在初日の夜、参加者の一人が舌を切り取られた死体となって発見された。樋藤が衝撃を受けていると、たてつづけに第二第三の殺人が起きてしまう。しかも、殺されるのは決まって、「前の殺人の第一発見者」で「舌を切り取られ」ていた。

そして、この惨劇は「もう一つの事件」の序章に過ぎなかった――。

回樹
斜線堂 有紀 (著)

真実の愛を証明できる「回樹」をめぐる、ありふれた愛の顛末。
骨の表面に文字を刻む技術「骨刻」がもたらした、特別な想い。
すべての映画には魂があった。「BTTF葬送」への抵抗の物語。
人間の死体が腐らない世界で、あるテロリストが達成した「不滅」。
奴隷制度下のニューヨーク、白人と黒人と宇宙人の融和は「奈辺」?
回樹に愛を託した人々は、年に一度の「回祭」を催していた――。
誰も思いつけないアイデアと、誰でも思いあたる感情の全6篇。

厳島
武内 涼 (著)

希望と絶望、そして祈り――男たちを戦へ駆り立てるすべてが、この島にあった。
「我が国の歴史文学の空白を埋める記念碑的作品」――縄田一男氏絶賛!

“戦国三大奇襲”に数えられる「厳島の戦い」。兵力わずか四千の毛利元就軍が二万八千の陶晴賢軍を打ち破った名勝負の影には、壮絶な人間ドラマがあった。謀略で勝利した元就と、義を貫いて敗れた晴賢……対照的な二人の武将を通して人間の矜持を問う! 大藪春彦賞受賞の気鋭が放つ、慟哭必至の歴史巨編。

レーエンデ国物語
多崎 礼 (著)

行こう、あなたと。
家を抜け出して、少女は銀霧が舞う森へと旅に出る。

絶賛沸騰の王道ファンタジー!

―――
続々推薦の声!

「この波瀾に満ちた別世界を
ヒロインとともに歩めるのは
読者(あなた)の特権です」
――田中芳樹(『アルスラーン戦記』)

「魅せられた。
銀呪の地、レーエンデに。
ファンタジーはこうでなくっちゃ!」
――柏葉幸子(『霧のむこうのふしぎな町』)

「読後、放心し、
空を見上げ、トリスタン、と呟く」
――恒川光太郎(『夜市』)

「これから寝床に入る者は幸福だ。
朝よ来るなと怯える夜も、この物語があればいい!」
――紅玉いづき(『ミミズクと夜の王』)

「懐かしい幻想の薫りに浸る、幸せな読書でした。
――行こう。恐ろしくも美しい、レーエンデの国へ」
――柳野かなた(『最果てのパラディン』)

―――
〈あらすじ〉
異なる世界、聖イジョルニ帝国フェデル城。
家に縛られてきた貴族の娘・ユリアは、英雄の父と旅に出る。
呪われた地・レーエンデで出会ったのは、琥珀の瞳を持つ寡黙な射手・トリスタンだった。

空を舞う泡虫、乳白色に天へ伸びる古代樹、湖に建つ孤島城。
その数々に魅了されたユリアは、はじめての友達、はじめての仕事、はじめての恋を経て、やがてレーエンデ全土の争乱に巻き込まれていく。

リラの花咲くけものみち
藤岡 陽子 (著)

動物たちが、「生きること」を教えてくれた。 家庭環境に悩み心に傷を負った聡里は、祖母とペットに支えられて獣医師を目指し、北海道の獣医学大学へ進学し、自らの「居場所」を見つけていくことに――北海道の地で、自らの人生を変えてゆく少女の姿を描いた感動作。

 
【関連】
吉川英治文学新人賞 : 講談社
吉川英治文庫賞|講談社

 


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