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阿部暁子さん『金環日蝕』が発売即重版 期間限定で冒頭100ページを公開

阿部暁子さん著『金環日蝕』

阿部暁子さん著『金環日蝕』

10月末に刊行された阿部暁子さん著『金環日蝕』(東京創元社)が、読書メーターの「読みたい本ランキング」で第1位を獲得、「王様のブランチ」で紹介されるなどの反響を受け、発売後すぐに重版となりました。また、冒頭100ページを期間限定で公開中です。

 

〈犯罪と私たち〉を真摯に描く、阿部暁子さん渾身の新境地

知人の老女がひったくりに遭う瞬間を目にした大学生の春風(はるか)は、その場に居合わせた高校生の錬(れん)とともに咄嗟に犯人を追ったが、間一髪で取り逃がす。残された手掛かりを元に、犯人を捜し始める事になった二人。だが、それは予想を超える事件の幕開けに過ぎなかった――。

 
これまで『鎌倉香房メモリーズ』(全5巻/集英社オレンジ文庫)や、青春ファンタジー『どこよりも遠い場所にいる君へ』(集英社オレンジ文庫)などの作品を手掛けてきた阿部暁子さん。車いすテニス選手と競技用車いす製作者を描いた『パラ・スター』(集英社文庫)は《本の雑誌》が選ぶ2020年度文庫ベスト10の第1位にも選ばれました。

 
老女のひったくり事件に遭遇したことをきっかけに共に犯人捜しをすることになった主人公たち。犯人の目星がついたかというところで語り手が変わり、全く違う事件の側面が浮かびあがってきます。誰でも遭遇し得る犯罪を題材に、複雑に絡みあった糸がほどけていく展開は一気読み必至。人の善悪のバランスの危うさと、その先にある人を信じる強さと希望を描いた作品です。

 
刊行前からプルーフを読んでいただいた全国の書店員さんから絶賛の声が続々と寄せられ、刊行後もたちまち重版となりました。11月19日放送の「王様のブランチ」のブックコーナーでは著者によるインタビューが放送され、「いま読んで欲しい一冊」と紹介されました。

 
現在、期間限定で冒頭100ページを公開。主人公たちが事件と遭遇し、どんな道筋を追う事になるのか。この機会にご一読ください。

★公開URL:https://www.yondemill.jp/contents/54509?view=1
※「YONDEMILL(ヨンデミル)」に接続します。

 
<あらすじ>

知人の老女がひったくりに遭う瞬間を目にした大学生の春風は、その場に居合わせた高校生の錬とともに咄嗟に犯人を追ったが、間一髪で取り逃がす。犯人の落とし物に心当たりがあった春風は、ひとりで犯人探しをしようとするが、錬に押し切られて二日間だけの探偵コンビを組むことに。かくして大学で犯人の正体を突き止め、ここですべては終わるはずだった――。

《本の雑誌》が選ぶ2020年度文庫ベスト10第1位『パラ・スター』の著者が、〈犯罪と私たち〉を真摯かつ巧緻に描いた壮大な力作。

 

全国の書店員さんから絶賛の声が続々! コメントを一部紹介(※五十音順)

◇起こってしまったこと、置かれた境遇に飲み込まれそうになるとき私達はなにを選ぶのか。人は弱さも脆さもあるからこそ強くなれるのだと勇気をもらいました。
未来屋書店 大日店 石坂華月さん

◇次第に明らかになる真相に「参りました」と言いたくなる。一筋縄ではいかない展開と、登場人物たちの表と裏。丁寧で、スリリング。どうしようもない絶望と、それでも感じる希望。すごいものを読んでしまった。
東京旭屋書店 新越谷店 猪股宏美さん

◇引ったくりから始まったストーリーがいきつくまもなく、二転三転して、最初に想像していたゴールを軽く飛びこえていきました。読めてよかったです。
宮脇書店 松本店 月元健伍さん

◇読み進むたび、変わる景色。少しずつずれていく人の印象。何人もの人の人生が「罪」というものにゆがめられていく。それでもなお前に進もうとするその強さを阿部暁子は切り取っていく。闇に飲み込まれないように、守りたい、失くしたくない誰かのために、前に進んでいくのだ、私たちも、きっと。
精文館書店 中島新町店 久田かおりさん

◇善悪は表裏一体。自分の生き方はどちら側に傾いているのかを思わず考えてしまいました。そしてキャラクターの魅力が素晴らしいです。このコンビはこの物語だけで終わらせるべきじゃない。読みたりません!
未来屋書店 碑文谷店 福原夏菜美さん

◇ひったくりの男を追いかけるところから始まるこの物語は、思いもよらない展開で読者を翻弄し、そして迫ってくる。そのたびに私達は戸惑いながらも立ち止まり、やがて浮び上がる真実の前に呆然と佇むのだ。この物語に囚われて、一歩たりとも歩けない。
丸善 丸広百貨店東松山店 本郷綾子さん

◇ラスト一文を読み終えた後、心に美しい一筋の光明が差し込みました。読後の今も余韻が残る、言葉を失うほど素晴らしい作品。
紀伊國屋書店 福岡本店 宗岡敦子さん

◇ページをめくると、新しい顔が見えてきて、絶望から希望が生まれる。本来の私たちは自由なんだと、せつない痛みとともに伝わってくる。出来事や人物を多方面から斬り込んでいくと、プリズムのように輝き出す瞬間にわくわくした。
うさぎや 矢板店 山田恵理子さん

◇優しさと闇、境界を漂うその心情が見事に描かれていた。希望の光が見える。私はこの作品に登場するみんなが、ごはんを美味しく食べ、学校で思う存分学べるような未来を願い続ける。
ジュンク堂書店 滋賀草津店 山中真理さん

◇離したくない大切なものと振り解きたい誘惑が溶け合う光景に目が離せない。相手を巻き込み巻き込まれそれでも人を信じる主人公たちの姿に涙が出そうになった。傑作必読。
大盛堂書店 駅前店 山本亮さん

 

著者プロフィール

著者の阿部暁子(あべ・あきこ)さんは、岩手県出身。2008年『屋上ボーイズ』(応募時タイトルは「いつまでも」)で第17回ロマン大賞を受賞しデビュー。

『どこよりも遠い場所にいる君へ』はベストセラーとなり、『パラ・スター〈Side 百花〉』『パラ・スター〈Side 宝良〉』二部作は《本の雑誌》が選ぶ2020年度文庫ベスト10第1位に選ばれた。ほかの著書に『鎌倉香房メモリーズ』(全5巻)や『また君と出会う未来のために』『室町繚乱』などがある。

 

金環日蝕
阿部 暁子 (著)

輪郭は強烈な輝きを放っているのに、彼の中心は闇に沈み、謎めいたまま――
ひったくりの犯人を突きとめた。
事件はそれで終わらなかった。
私たちは、ある男が歩んだ道を辿り直すことになる。
〈犯罪と私たち〉を真摯に描く、実力派作家、渾身の新境地。

 
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