この小説がフィクションであり続けるかどうかは、私たちにかかっている!ヒラリー・クリントン元国務長官&ルイーズ・ペニーさん『ステイト・オブ・テラー』が刊行
ヒラリー・クリントンさん&ルイーズ・ペニーさん著『ステイト・オブ・テラー』(訳:吉野弘人さん)が小学館より刊行されました。
国務長官経験者にしか描けない、米国安全保障外交の複雑な内幕!
「政治と外交の舞台では、あらゆることが見た目どおりではない」
当選したばかりの大統領は、予備選でライバル候補を支援してきた最大の政敵を国務長官に選んだ。新たな国務長官エレン・アダムスは、過去四年間、前政権が犯罪的な無能ぶりを発揮して合衆国を死に体にしていくのを目の当たりにしてきた。新大統領が議会で一般教書演説を始めた頃、国務省南・中央アジア局の女性職員のデスクに数字と記号だけが並んだ奇妙なメールが届く。そしてその日の深夜、ロンドンで大規模な爆破事件が起きる。
翌朝、米国+英連邦4か国の諜報部門からなる〝ファイブ・アイズ〟の緊急会合が始まるが、そのさなか出席者の携帯電話が一斉に鳴った。
次なる爆発は、パリで起こった――。
「あなたがたは怪物を解き放った。あなたがたには責任がある」
≪スクリーンに眼をやる。パリとロンドンの光景が映し出されていた。灰と埃と血にまみれた、傷ついた男女の姿。出血の止まらない負傷者をなんとか介抱しようとする通行人。ひざまずき、死にゆく者の手を握っている。空を見上げ、助けを求めている。
それらは恐ろしい破壊と殺戮の光景だった。延々と繰り返される監視カメラ映像のなかで、人々はプロメテウスのように何度も何度も殺されていた。≫
(本文より)
元アメリカ合衆国国務長官+英国推理作家協会新人賞(CWAニュー・ブラッド・ダガー)・アガサ賞受賞作家による、先読み不能の超一級国際政治スリラーの誕生です。
訳者・吉野弘人さんより
「『ヒラリー・クリントンとルイーズ・ペニーの国際政治スリラーを翻訳してほしい』という依頼を受けたときは大いに驚いた。第四十二代アメリカ合衆国大統領ビル・クリントン夫人にして、オバマ政権下で国務長官を務め、さらにドナルド・トランプと大統領選を争ったヒラリー自らをモデルにしたスリラー。話題にならないはずがなかった。むしろ話題先行で内容はどうなのかという心配も頭をよぎったが、一読してその不安は一掃された。まさにページをめくる手が止まらない一級品のスリラーである」
★訳者による『ステイト・オブ・テラー』についてのコラムはこちら:https://shosetsu-maru.com/yomimono/essay/stateofterror
著者プロフィール
■ヒラリー・ロダム・クリントン(Clinton,Hillary Rodham)さん
主要政党の大統領候補となった最初の女性。弁護士、ファーストレディ、および米国上院議員として、子供と家族を代表して擁護する公務に40年近く携わった後、第67代国務長官を務めた。妻であり、母であり、祖母であり、これまで7冊の本を執筆しており、すべてSimon& Schusterから出版されている。
■ルイーズ・ペニー(Penny,Louise)さん
国際的な賞を数多く受賞しているベストセラー作家。著書は、the New York Times、USA TODAY、Globe and Mail(Toronto)のベストセラー・リストで1位を獲得している。Minotaur Books(St.Martin‘s Publishing Group)から出版されたガマシュ警部を主人公とするシリーズは、31の言語に翻訳されている。2017年、カナダ文化への貢献が認められ、カナダ勲章を授与された。モントリオール南部の村に在住。
■訳者:吉野弘人(よしの・ひろと)さん
1959年生まれ、宮城県出身。山形大学人文学部卒。銀行員、監査法人勤務を経て翻訳家に。ロバート・ベイリー『ザ・プロフェッサー』の翻訳でデビュー。小学館文庫の同シリーズ『黒と白のはざま』『ラスト・トライアル』『最後の審判』はいずれも話題作となる。ほかには『評決の代償』『フォーリング―墜落―』『喪失の冬を刻む』(いずれも早川書房)などの訳書がある。
ステイト・オブ・テラー ヒラリー・クリントン (著), ルイーズ・ペニー (著), 吉野 弘人 (翻訳) |
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