かつて名探偵だったあなたと助手だったわたしは、何をしたのか――桜庭一樹さん『名探偵の有害性』が刊行
桜庭一樹さんが平成を見つめ直しながら令和を照射するミステリ・エンタテインメント『名探偵の有害性』が東京創元社より刊行されました。
かつての名探偵と助手は「普通の人」になっていた――20年後、再会した彼らの物語が再び動き出す
本書は、《GOSICK》シリーズや『赤朽葉家の伝説』の著者、桜庭一樹さんによるミステリ・エンタテインメント作品です。東京創元社の文芸誌『紙魚の手帖』に2023年4月号(vol.10)から2024年2月号(vol.15)まで連載されました。
かつて名探偵として活躍し、人気を誇った五狐焚風(ごこたい・かぜ)とその助手・鳴宮夕暮(なるみや・ゆうぐれ)。20年後、ふたりは夕暮が夫と営むちいさな喫茶店「おいでぃぷす」で偶然再会を果たします。翌日、とある動画サイトで〈告発動画〉が配信されます。
――名探偵の有害性を告発する!
――第一弾は五狐焚風の有害性だ!!
風と夕暮は自分たちの過去の推理を検証する旅に出ます。その先に待っていたのは……?
【あらすじ】
かつて、名探偵の時代があった。ひとたび難事件が発生すれば、どこからともなく現れて、警察やマスコミの影響を受けることなく、論理的に謎を解いて去っていく正義の人、名探偵。そんな彼らは脚光を浴び、黄金時代を築き上げるに至ったが、平成中期以降は急速に忘れられていった。
……それから20年あまりの時が過ぎ、令和の世になった今、YouTubeの人気チャンネルで突如、名探偵の弾劾が始まった。その槍玉に挙げられたのは、名探偵四天王の一人、五狐焚風だ。「名探偵に人生を奪われた。私は五狐焚風を絶対に許さない」と語る謎の告発者とは?
名探偵の助手だった鳴宮夕暮――わたしは、かつての名探偵――風とともに、過去の推理を検証する旅に出る。
著者プロフィール
桜庭一樹(さくらば・かずき)さんは、1999年「夜空に、満天の星」(『AD2015隔離都市 ロンリネス・ガーディアン』と改題して刊行)で第1回ファミ通えんため大賞に佳作入選。
2003年開始の〈GOSICK〉シリーズで多くの読者を獲得し、さらに2004年発表の『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』が高く評価される。2007年に『赤朽葉家の伝説』で第60回日本推理作家協会賞、2008年『私の男』で第138回直木賞を受賞。
おもな著書に『少女には向かない職業』『製鉄天使』『荒野』『ファミリーポートレイト』『ばらばら死体の夜』『無花果とムーン』『小説 火の鳥 大地編』『少女を埋める』『紅だ!』『彼女が言わなかったすべてのこと』など、またエッセイ集に〈桜庭一樹読書日記〉シリーズや『東京ディストピア日記』などがある。
名探偵の有害性 桜庭 一樹 (著) わたしたちは、何をしたのか。 装画:オオタガキフミ |
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