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乃南アサさん新シリーズ第1弾『家裁調査官・庵原かのん』が刊行 約7年の構想・取材期間を経て乃南アサさんが書く新シリーズの主人公は、地方の家庭裁判所で奔走する若き女性調査官!

乃南アサさん著『家裁調査官・庵原かのん』

乃南アサさん著『家裁調査官・庵原かのん』

若き女性調査官を主人公とした乃南アサさんの新シリーズ、『家裁調査官・庵原かのん』の1作目が新潮社より刊行されました。

 

寄る辺なき人たちのために、希望を探るのが使命、「家裁調査官」の物語が開幕!

乃南さんは東京家庭裁判所で家裁委員会のメンバーを2期務めた後、家裁調査官や関係者への取材に2年を費やし、構想から執筆まで7年以上をかけた本作の連載を『小説新潮』にて2020年よりスタート。連作短編の形で描かれる物語の主人公は、少年係調査官の庵原かのん。

 
家裁調査官とは、家庭裁判所で取り扱っている家事事件や少年事件などについて調査を行うのが主な仕事。どんな相手からでも話を聴き出し、事実を探り解決法を見出せなければ調査官は務まらず、専門的なスキルや知見に加え、高い人間力が求められます。

 
7篇からなる少年編の舞台となるのは福岡県北九州市。非行を犯した少年少女たちの背景に見えるのは、現代の“家庭”が抱えるさまざまな難問。そこに専門家として正面から向き合う、家裁調査官の物語です。

 
本作を読んだ現場の調査官からは「調査官の心の動きや、大切にしていることを主人公のかのんを通して本当に的確に描写しており、驚きました」、「面接に臨む緊張感や不安、家裁に来る親子の人柄や関係性、そこから生まれる物語など、どれをとってもリアルだからこそ感動が深い」等々、称賛の声が寄せられています。

 
また、本作の刊行に加え、家庭裁判所が扱う「調停制度」が今年10月に100周年を迎えるのを記念して、東京家庭裁判所にて乃南さんと現役の家裁調査官、裁判官らを交えた座談会が開催されました。9月22日発売の『説新潮』10月号にて、その模様が掲載される予定となっています。

 
<推薦コメント:池上冬樹さん(書評家)>

「海外ドラマのようにずっと付き合いたい物語と人物展開。あたたかく力強い人生讃歌がある」

 
【あらすじ】

若き女性調査官がひたむきに奔走する新シリーズ第1作!
少年犯罪、家庭内ディスコミュニケーション、育児放棄、虐待、障害……様々な理由で問題を起こし、家裁を訪れる少年少女や保護者たち。少年係調査官である庵原かのんの仕事は「臨床の専門家」として、彼らの“声なき声”に耳を傾けること。学校や家庭、社会が抱える問題にぶつかりながら、かのんはどんな人間に対しても諦めず、生きる力を信じて正面から向き合う――。

 

著者・乃南アサさん コメント

「一般的に家庭裁判所は馴染みがなく、敷居が高いところですよね。普通は行きたいとは思わない場所です。でも、事情があって訪れた当事者たちのことを親身になって考え、人の心に触れて、真実を導くために働いている人たちが家裁の中にはいるのです。どんな人とも同じ目線で話せる人間力を持ったプロ、それが家裁調査官。そんな人間臭い、人間らしい人たちがいることを知って欲しいです」

 

著者プロフィール

著者の乃南アサ(のなみ・あさ)さんは、1960年生まれ、東京都出身。早稲田大学中退後、広告代理店勤務などを経て、1988年『幸福な朝食』で日本推理サスペンス大賞優秀作を受賞し、作家活動に入る。

1996年に『凍える牙』で直木三十五賞、2011年に『地のはてから』で中央公論文芸賞、2016年に『水曜日の凱歌』で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。他に『鎖』『嗤う闇』『しゃぼん玉』『美麗島紀行』『六月の雪』『チーム・オベリベリ』など著書多数。

 

家裁調査官・庵原かのん
乃南 アサ (著)

一人の若き調査官を通して〝家庭〟の在り方を問い、救済を描く感動作!

 


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