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中国史研究の第一人者が1400年の歴史から「悪党を生み出す国家の構造」を浮き彫りに!岡本隆司さん『悪党たちの中華帝国』が刊行

岡本隆司さん著『悪党たちの中華帝国』

岡本隆司さん著『悪党たちの中華帝国』

京都府立大学教授で人気歴史家の岡本隆司さん著『悪党たちの中華帝国』(新潮選書)が新潮社より刊行されました。

 

1400年の歴史の中から選りすぐりの悪党12人を描く、一気読み必至の人物列伝!

中国の偉人は、なぜ「悪党」ばかりなのでしょうか。岡本さんは、その原因は、個人の道徳的資質にあるのではなく、中国という国家の構造にあるといいます。

本書では、12人の「悪党」の1400年にわたる試行錯誤の歴史から、その特殊な国家構造を読み解きます。

 
本書を読めば、なぜ習近平が独裁化を強め、香港や新疆ウイグルに圧政を敷き、台湾をはじめとする周辺国に圧迫を加えるのか、その理由がよくわかるはずです。日中国交正常化50年をひと月後に控えるいま、あらためて「近くて遠い隣国」の本質を学ぶのに最適の一冊です。

【本書の概要】

後周の世宗・明の永楽帝ら、虐殺を重ねた支配者たち。安禄山・馮道ら、権力に執着した裏切者たち。王安石・梁啓超ら、独り善がりな改革者たち。李卓吾・康有為ら、過激な教えを説いた思想家たち。12人の生涯をたどり、彼らが「悪の道」に堕ちた背景を解き明かす。現代中国の悪党も射程に入れた、圧巻の1400年史!

1.唐の太宗――明君はつくられる
2.安禄山――「逆臣」か「聖人」か
3.馮道――無節操の時代
4.後周の世宗(柴栄)――最後の仏敵
5.王安石――「拗ね者宰相」
6.朱子――封建主義を招いた「道学者先生」
7.永楽帝――甥殺しの簒奪者
8.万暦帝――亡国の暗君
9.王陽明――「異端」者の風景
10.李卓吾――「儒教の反逆者」
11.康有為――不易の思想家
12.梁啓超――「彷徨模索」した知識人

 

著者コメント

中国は今やアメリカと比肩、対立しうる大国となった。しかも同時に、「皇帝」支配の「帝国」にもみまがう異形の大国である。そんな隣人から、われわれは離れることができない。否応なくつきあっていくほかはないのである。あらためて中国と「帝国」と「悪党たち」を歴史に学ぶことが、その一助になると信じたい。
(「おわりに」より)

 

著者プロフィール

著者の岡本隆司(おかもと・たかし)さんは、1965年生まれ、京都市出身。京都大学大学院文学研究科東洋史学博士後期課程満期退学。博士(文学)。宮崎大学助教授を経て、現在、京都府立大学教授。専攻は東洋史・近代アジア史。

著書に『近代中国と海関』(大平正芳記念賞受賞)、『属国と自主のあいだ』(サントリー学芸賞受賞)、『中国の誕生』(樫山純三賞、アジア太平洋賞特別賞受賞)、『李鴻章』『袁世凱』『曽国藩』『中国の論理』『明代とは何か』『君主号の世界史』など多数。

 

 


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