【第59回文藝賞】安堂ホセさん「ジャクソンひとり」と日比野コレコさん「ビューティフルからビューティフルへ」が受賞

「文藝賞」受賞作品が決定!
河出書房新社は9月1日、第59回文藝賞の受賞作を発表しました。
第59回文藝賞が決定!
1962年創設以来、多くの新人作家を輩出してきた「文藝賞」(河出書房新社主催)の選考会が8月22日に明治記念館にて執り行われました。
選考委員を務める角田光代さん、島本理生さん、穂村弘さん、町田康さんによる選考の結果、次の通り受賞作が決定しました。
<第59回文藝賞 受賞作品>
◎安堂ホセ(あんどう・ほせ)さん
「ジャクソンひとり」
◎日比野コレコ(ひびの・これこ)さん
「ビューティフルからビューティフルへ」
受賞作・選評・選考経過・受賞の言葉は、10月7日(金)発売の『文藝』冬季号に掲載されます。
受賞者には、正賞として記念品、副賞として50万円が贈られます。贈呈式は11月中旬、明治記念館にて開催。
「第59回文藝賞」受賞者プロフィール&受賞作品概要
◆「ジャクソンひとり」(400字×174枚)
安堂ホセ(あんどう・ほせ)さん/1994年生まれ、東京都出身。
【内容紹介】
「俺たち4人、入れ替わってみる?」
アフリカのどこかと日本のハーフで、昔モデルやってて、ゲイらしい――
スポーツブランドのスタッフ専用ジムで整体師をするジャクソンは、いつも噂の的だった。
ある日彼のTシャツから、偶然QRコードが読み取られ、ブラックミックスの男が裸で磔にされた動画を映す。
誰もが一目でジャクソンだと判断し、否定しても通じない。
調査を始めたジャクソンは、動画の男は自分だと主張する3人の男に出会い――。
研ぎ澄まされた視線と痛快な知恵で生き抜く若者たちの、鮮烈なる逆襲劇。
◆「ビューティフルからビューティフルへ」(400字×153枚)
日比野コレコ(ひびの・これこ)さん/2003年生まれ、奈良県出身。現在、大学1年生。
【内容紹介】
「目覚ましは止めた、心に薪をくべてくだらない人ごみを燃やした。
運命の赤い糸はおとといリスカした。うん、オールオーケー。」
絶望をドレスコードにして生きる高校三年生の静と、ネグレクト家庭に育ち「死にたい歴=年齢」のナナ。
ある晩、受験生のナナが単語カードを片手に歩いていると、駅前でサイファーをしている若い男に声をかけられた。
ナナは気まぐれで、彼=ビルE を、静と自分の通い慣れている「ことばぁ」という老婆の家に誘うが――。
軽やかなことば遊びと、たたみかけるようなパンチラインの奔流。
生と死の両極に振り切れて乱反射する、高校生たちのモノローグ。
文藝賞について
文藝賞は、1962年に文芸誌『文藝』で創設された公募の新人文学賞です。河出書房新社が主催。
日本における新人作家の登竜門とされ、第一回受賞作である高橋一巳さん『悲の器』をはじめ、田中康夫さん『なんとなく、クリスタル』、山田詠美さん『ベッド タイム アイズ』、綿矢りささん『インストール』、白岩玄さん『野ブタ。をプロデュース』、山崎ナオコーラさん『人のセックスを笑うな』、宇佐見りんさん『かか』、遠野遥さん『改良』など、実力と才能を兼ね備えた作家を多数輩出しています。
ちなみに、創設当時の『文藝』の編集長は坂本一亀さんで、音楽家・坂本龍一さんの父。
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