【第9回山本美香記念国際ジャーナリスト賞】横田増生さん『「トランプ信者」潜入一年 私の目の前で民主主義が死んだ』が受賞
一般財団法人「山本美香記念財団」は、優れた国際報道を担うジャーナリストを顕彰する「第9回山本美香記念国際ジャーナリスト賞」の受賞者・受賞作品を発表しました。
第9回山本美香記念国際ジャーナリスト賞が決定!
第9回山本美香記念国際ジャーナリスト賞は、5月5日に選考会が開催され、次の通り受賞者・受賞作品が決定しました。
<第9回山本美香記念国際ジャーナリスト賞 受賞者・受賞作品(賞金20万円)>
横田増生(よこた・ますお)さん
『「トランプ信者」潜入一年 私の目の前で民主主義が死んだ』(小学館)
選考委員は、岡村隆さん(編集者・探検家)、笠井千晶さん(ドキュメンタリー監督・ジャーナリスト)、河合香織さん(ノンフィクション作家)、高山文彦さん(作家)、吉田敏浩さん(ジャーナリスト)。
※高山文彦さんの「高」は、「はしごだか」です。
授賞式は、5月26日(木)18時より日本記者クラブにて、報道および関係者のみで開催されます。
「第9回山本美香記念国際ジャーナリスト賞」選考委員講評
『「トランプ信者」潜入一年』は、内戦下にでもあるような全米各地を、身の危険を顧みず単身駆けめぐり、連邦議会議事堂突入にいたるトランプ狂騒曲を入念に描き出し、自由と民主主義の自壊現象を綿密な取材で浮き彫りにしている。
数多くの庶民層へのインタビューには、出身地や年齢、写真が添えられ、ひとつひとつのコメントにファクトチェックが加えられている。権力者の言動(それが根拠のない嘘八百であろうとも)が、いかに人びとの情動に火をつけ、利己心を正義として大声で語りだすのか。信仰のような陰謀論がいかに浸透し、過激な排他性に快楽を求めていくのか。理念追求の重さに耐えかねて、ついに野放図に暴れまくる人間の叫び声が聞こえてくる。
山本美香記念国際ジャーナリスト賞について
山本美香記念国際ジャーナリスト賞は、2012年8月20日、シリア取材中に凶弾に倒れたジャパンプレス所属のジャーナリスト・山本美香さんの遺志を継ぐべく創設。
世界中で起こっている様々な紛争や抑圧、災害や貧困などの下で暮らす様々な人々の生きる姿を伝える優れた国際報道を担うジャーナリストの支援、育成を目的とします。
世界の不正義や不条理に対して何がどのように不正義で不条理であるのか、伝聞ではなく自分自身の目と耳でとらえ、世界中に発信しようとするタフな行動力。
また、それらの国々や地域において、生死のはざまをそれでも懸命に生きていこうとする人びとの姿を深い共感をもって世界中に伝えようとするヒューマニスティックな視座。
――本賞はその二つを併せ持つ国際報道をおこなったジャーナリストを選考の対象とし顕彰を行ないます。
★一般財団法人山本美香記念財団ウェブサイト:http://www.mymf.or.jp/
「トランプ信者」潜入一年: 私の目の前で民主主義が死んだ 横田 増生 (著) これは”対岸の火事”ではない! ユニクロ、アマゾンの潜入ジャーナリストが単身渡米。トランプ陣営の選挙スタッフとなり戸別訪問1000軒超。「議事堂襲撃」では、警官の催涙スプレーまで浴びてーー「分断」「狂信」「暴動」すべて内側から見た。コロナ禍でノーマスク集団に囲まれ、時にQアノンに陰謀論を説かれ、時に反トランプ派に中指を立てられ、時にBLM暴動の銃声を聞きながら、たった独りでフェイクニュースと闘い続けた“不屈のルポルタージュ”、ついに刊行。 |
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