川上未映子さん2年半ぶりの新作小説『春のこわいもの』が刊行

川上未映子さん著『春のこわいもの』(新潮社)
アメリカ、イギリス、ドイツ、イタリアなどでベストセラーとなり、四十数か国語に翻訳された『夏物語』から2年半、川上未映子さんの新作小説『春のこわいもの』が新潮社より刊行されました。
こんなにも世界が変ってしまうまえに、わたしたちが必死で夢みていたものは――。
本書で描かれるのは、感染症が爆発的流行(パンデミック)を起こす直前、東京で6人の男女が体験する、甘美きわまる地獄めぐりです。
ギャラ飲み志願の女子大生(「あなたの鼻がもう少し高ければ」)、
深夜の学校に忍び込む高校生(「ブルー・インク」)、
寝たきりのベッドで人生を振り返る老女(「花瓶」)、
親友を裏切りつづけた作家(「娘について」)etc.……
これがただの悪夢ならば、目をさめせば済むことなのに――。
コロナ禍にある息苦しさだけに留まらず、〈わたしたちはいつだって「災厄の前日」を生きている〉恐怖や覚悟を、あざやかな文章で描き出した、まさに今読まれるべき作品です。
また、この作品はAmazon オーディオブックAudibleにて、俳優・岸井ゆきのさんの朗読により配信されています。
著者プロフィール

著者近影(c)Reiko Toyama
著者の川上未映子(かわかみ・みえこ)さんは、大阪府出身。『乳と卵』で芥川賞、『ヘヴン』で芸術選奨文部科学大臣賞および紫式部文学賞、『愛の夢とか』で谷崎潤一郎賞、『夏物語』で毎日出版文化賞など受賞歴多数。『夏物語』は英、米、独、伊などでベストセラーとなり、世界40ヵ国以上で刊行が予定されている。世界でもっとも新作が待たれている作家のひとり。
他の作品に『すべて真夜中の恋人たち』、『あこがれ』、『ウィステリアと三人の女たち』、『みみずくは黄昏に飛びたつ』(村上春樹さんとの共著)がある。
春のこわいもの 川上 未映子 (著) |
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