養老孟司さん『ヒトの壁』が20万部突破! 「壁」シリーズは670万部超えに
昨年12月に刊行された、養老孟司さん著『ヒトの壁』(新潮新書)が20万部に到達しました。
コロナ禍の2年間、84歳の知性が考え抜いた「究極の人間論」
450万部を突破した『バカの壁』に連なる「壁」シリーズ最新刊として『ヒトの壁』は刊行されました。発売2か月での20万部突破は、前作の『遺言。』をはるかに上回るペースです。「壁」シリーズの累計はこれで670万部となりました。
新型コロナ禍、死の淵をのぞいたという自身の心筋梗塞、そして愛猫「まる」の死という個人的な悲しい出来事を経て、養老孟司さんの思索はより深みを増しました。
コロナ禍の2年は、養老さんにとっても、大きな変化の期間となったようです。
新書では通常、男性の比率が高いのですが、この本では男女比がほぼ半々で、女性層からの支持の高さがうかがえます。
ご本人は、『ヒトの壁』についてこう話しています。
「自然科学の研究で当然とされる考え方と、日常の生活での考え方のズレが長年気になっていて、それがものを考えるための動機となってきました。
『バカの壁』もその産物です。
大学での研究生活を辞めて長いですが、社会の中でその種のズレを感じることはいまでもあります。同じようなズレを感じている方が多いのか、読んで『安心しました』『ホッとしました』といった感想をくださるんです。コロナではあらためて、誰もが人生の根源的な問題を考えざるを得なかったのでしょう。今回の本も、そこから何らかのズレを感じている方に読まれているのかな、と思います」
読者からは、広告にも使われた本文中のこんな言葉が響いた、といった声も寄せられています。
「今は人間関係ばかり。相手の顔色をうかがい過ぎていないか。たかがヒトの分際で調和をはかろうとしすぎていないか」
人間関係に悩む人が多いことのあらわれなのでしょう。
著者プロフィール
著者の養老孟司(ようろう・たけし)さんは、1937(昭和12)年生まれ。鎌倉出身。東京大学医学部卒業。解剖学者。東京大学名誉教授。
心の問題や社会現象を、脳科学や解剖学などの知識を交えながら解説し、多くの読者を得た。1989(平成元)年『からだの見方』でサントリー学芸賞を受賞。新潮新書『バカの壁』は大ヒットし2003年のベストセラー第1位、また新語・流行語大賞、毎日出版文化賞特別賞を受賞した。『バカの壁』『死の壁』『超バカの壁』『「自分」の壁』『遺言。』(番外編)の「壁」シリーズは累計670万部を突破した。
大の虫好きとして知られ、昆虫採集・標本作成を続けている。
ヒトの壁 (新潮新書) 養老 孟司 (著) シリーズ累計660万部突破! 『バカの壁』に始まる「壁」シリーズ4年ぶりの最新刊! ! 【内容紹介】 【目次】 |
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