【新書大賞2022】小島庸平さん『サラ金の歴史』が受賞
中央公論新社は2月10日、1年間に刊行されたすべての新書からその年”最高の一冊”を選ぶ「新書大賞2022」の受賞作を発表しました。
「新書大賞2022」が決定!
第15回にあたる「新書大賞2022」では、2020年12月~2021年11月に刊行された新書を対象に、有識者、書店員、各社新書編集部、新聞記者など105名からの投票の結果、次の通り大賞が決定しました。
<「新書大賞2022」大賞>
小島庸平(こじま・ようへい)さん
『サラ金の歴史 消費者金融と日本社会』(中公新書)
なお、ランキングの2位から5位までの新書は以下の通りです。
◎第2位:小林武彦さん『生物はなぜ死ぬのか』(講談社現代新書)
◎第3位:伊藤俊一さん『荘園』(中公新書)
◎第4位:堤 未果さん『デジタル・ファシズム』(NHK出版新書)
◎第5位:東 浩紀さん『ゲンロン戦記』(中公新書ラクレ)
※「新書大賞2022」の詳細は、2月10日発売の雑誌『中央公論』3月号に掲載されています。上位20冊のランキングと講評のほか、大賞受賞者・小島庸平さんへのインタビュー、有識者49名の2021年のオススメ新書などを収録。
★「新書大賞2022」特設サイト:https://chuokoron.jp/shinsho_award/
「新書大賞2022」大賞受賞作『サラ金の歴史』&受賞者・小島庸平さんについて
利用したことはなくても、テレビCMや屋外看板で誰もが見聞きはしたことがあるサラ金や消費者金融。私たちが知るこの業態は、戦前の素人高利貸から質屋、団地金融などを経て変化して現在の姿になりました。日本の経済成長や金融技術の革新によって躍進するも、バブル崩壊後、多重債務者や苛烈な取り立てによる社会問題化に追い詰められ、翻弄されてゆきます……。
本書では、サラ金や消費者金融の一世紀に及ぶ軌跡を描きながら、この業態を家計やジェンダーなど多様な視点から読み解き、日本経済の知られざる一面を照らす意欲作です。
<著者・小島庸平さん プロフィール>
東京大学大学院経済学研究科准教授。
1982年生まれ。東京都出身。2011年、東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程修了。博士(農学)。東京農業大学国際食料情報学部助教などを経て現職。
著書に『大恐慌期における日本農村社会の再編成』(ナカニシヤ出版/日経・経済図書文化賞受賞) 、『昭和史講義2』(共著/ちくま新書)、『戦後日本の地域金融』(日本経済評論社)など。本書で第43回サントリー学芸賞(社会・風俗部門)を受賞。
「新書大賞」について
「新書大賞」は、中央公論新社が主催し、1年間に刊行されたすべての新書から、その年「最高の一冊」を選ぶ賞です。
前々年12月から前年11月までに発行された新書の中から、有識者、書店員、各社新書編集部、新聞記者の投票により1位から20位までの順位を決め、1位の作品が大賞となります。
なお、投票者は「読んで面白かった、内容が優れていると感じた、おすすめしたいと思った」5点を挙げ、1位10点、2位7点、3位5点、4位4点、5位3点で総合得点を集計。得点が同じ場合は1位の票数の多いものが上位となります。また、新書編集部については原則として編集長が投票し、公平を期すため自著、自社作品への投票は控えることになっています。
サラ金の歴史-消費者金融と日本社会 (中公新書) 小島 庸平 (著) 利用したことはなくても、誰もが見聞きはしたサラ金や消費者金融。しかし、私たちが知る業態は、日本経済のうねりの中で大きく変化して現在の姿となったものだ。素人高利貸から団地金融、そしてサラ金、消費者金融へ……。好景気や金融技術の発展で躍進するも、バブル崩壊や社会問題化に翻弄されていった業態について、家計やジェンダーなど多様な視点から読み解き、日本経済の知られざる一面を照らす。 |
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