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【新書大賞2023】千葉雅也さん『現代思想入門』が受賞

中央公論新社は2月10日、1年間に刊行されたすべての新書からその年”最高の一冊”を選ぶ「新書大賞2023」の受賞作を発表しました。

 

「新書大賞2023」が決定!

第16回にあたる「新書大賞2023」では、2021年12月~2022年11月に刊行された新書を対象に、有識者、書店員、各社新書編集部、新聞記者など106名からの投票の結果、次の通り大賞が決定しました。

 
<「新書大賞2023」大賞>

千葉雅也(ちば・まさや)さん
『現代思想入門』(講談社現代新書)

千葉雅也さん『現代思想入門』

千葉雅也さん『現代思想入門』

大賞を受賞した千葉雅也さんは、1978年生まれ。栃木県出身。東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻表象文化論コース博士課程修了。博士(学術)。立命館大学大学院先端総合学術研究科教授。2019年『デッドライン』で第41回野間文芸新人賞、2021年「マジックミラー」で第45回川端康成文学賞を受賞。他の著書に『動きすぎてはいけない』『ツイッター哲学』『勉強の哲学』『意味がない無意味』『アメリカ紀行』など。

 
なお、ランキングの2位から5位(2位は2冊)までの新書は以下の通りです。

◎第2位:稲田豊史さん『映画を早送りで観(み)る人たち』(光文社新書)
◎第2位:篠田謙一さん『人類の起源』(中公新書)
◎第4位:渡辺努さん『世界インフレの謎』(講談社現代新書)
◎第5位:東畑開人さん『聞く技術 聞いてもらう技術』(ちくま新書)。

 
※「新書大賞2023」の詳細は、2月10日発売の雑誌『中央公論』3月号に掲載されています。上位20冊のランキングと講評のほか、大賞受賞者・千葉雅也さんへのインタビューなどを収録。

 
★「新書大賞2023」特設サイト:https://chuokoron.jp/shinsho_award/

 

「新書大賞」について

「新書大賞」は、中央公論新社が主催し、1年間に刊行されたすべての新書から、その年「最高の一冊」を選ぶ賞です。

前々年12月から前年11月までに発行された新書の中から、有識者、書店員、各社新書編集部、新聞記者の投票により1位から20位までの順位を決め、1位の作品が大賞となります。

なお、投票者は「読んで面白かった、内容が優れていると感じた、おすすめしたいと思った」5点を挙げ、1位10点、2位7点、3位5点、4位4点、5位3点で総合得点を集計。得点が同じ場合は1位の票数の多いものが上位となります。また、新書編集部については原則として編集長が投票し、公平を期すため自著、自社作品への投票は控えることになっています。

 

現代思想入門 (講談社現代新書)
千葉 雅也 (著)

人生を変える哲学が、ここにある――。
現代思想の真髄をかつてない仕方で書き尽くした、「入門書」の決定版。

* * *

デリダ、ドゥルーズ、フーコー、ラカン、メイヤスー……
複雑な世界の現実を高解像度で捉え、人生をハックする、「現代思想」のパースペクティブ

□物事を二項対立で捉えない
□人生のリアリティはグレーゾーンに宿る
□秩序の強化を警戒し、逸脱する人間の多様性を泳がせておく
□権力は「下」からやってくる
□搾取されている自分の力を、より自律的に用いる方法を考える
□自分の成り立ちを偶然性へと開き、状況を必然的なものと捉えない
□人間は過剰なエネルギーの解放と有限化の二重のドラマを生きている
□無限の反省から抜け出し、個別の問題に有限に取り組む
□大きな謎に悩むよりも、人生の世俗的な深さを生きる

「現代思想は、秩序を強化する動きへの警戒心を持ち、秩序からズレるもの、すなわち「差異」に注目する。それが今、人生の多様性を守るために必要だと思うのです。」 ――「はじめに 今なぜ現代思想か」より

 
【関連】
新書大賞|中央公論.jp

 


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