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デビュー作『化け者心中』で文学賞三冠!蝉谷めぐ実さん2作目『おんなの女房』が刊行 歌舞伎を知らぬ女房と、女より美しい“女形(おんながた)”の夫――やがて惹かれ合う夫婦

蝉谷めぐ実さん著『おんなの女房』(KADOKAWA)

蝉谷めぐ実さん著『おんなの女房』(KADOKAWA)

『化け者心中』でデビューした蝉谷めぐ実さんの最新小説『おんなの女房』がKADOKAWAより刊行されました。

 

『化け者心中』の新鋭が綴る、エモーショナルな時代小説!

蝉谷めぐ実さんは、2020年10月に刊行された『化け者心中』が、規格外の大型新人が描く歌舞伎ミステリとして各種メディアで取り上げられ、続々重版がかかるなど大きな反響を呼びました。さらに、「第11回小説 野性時代 新人賞」「第10回日本歴史時代作家協会賞新人賞」「第27回中山義秀文学賞」を受賞。デビュー作ながら文学賞三冠という快挙を成し遂げています。

 
本作は、前作同様「歌舞伎」をテーマに据えつつ、「役者の女房」の世界を描く物語に挑戦しています。

 
<あらすじ>

歌舞伎を知らぬ女房と、女より美しい“女形(おんながた)”の夫。
やがて惹かれ合う夫婦を描く、感涙の時代小説。

ときは文政、ところは江戸。武家の娘・志乃は、歌舞伎を知らないままに役者のもとへ嫁ぐ。夫となった喜多村燕弥は、江戸三座のひとつ、森田座で評判の女形。家でも女としてふるまう、女よりも美しい燕弥を前に、志乃は尻を落ち着ける場所がわからない。私はなぜこの人に求められたのか――。芝居にすべてを注ぐ燕弥の隣で、志乃はわが身の、そして燕弥との生き方に思いをめぐらす。

女房とは、女とは、己とはいったい何なのか。
いびつな夫婦の、唯一無二の恋物語が幕を開ける。

★試し読み:https://kakuyomu.jp/works/16816927860197796117/episodes/16816927860197901283

『おんなの女房』書店店頭用POP画像

『おんなの女房』書店店頭用POP画像

【パイロット版を読んだ作家、評論家、書店員の方たちから絶賛の声!】

◆朝井まかてさん(作家)
かくも凄まじきは芸の道、妖しくも愛おしきはこの夫婦の恋。
いつしか心玉を転がされ、泣き笑いしていました。

◆一穂ミチさん(作家)
よっ、蝉谷屋!と喝采を送りたい。男とは、女とは、夫婦(めおと)とは。
江戸の粋が織りなす、儚くも濃密な情念の錦。

◆菊池仁さん(評論家)
稀有、驚愕、かつ究極の恋愛小説の誕生である。
独特のリズムを持った語り口は、演目を追うごとに迫真に満ちたものとなり、ミステリーを超えた緊迫感を生み出している。
語り口のうまさを身上する作家足らんとする思いが伝わってくる。見事の一言に尽きる。

◆内田剛さん(ブックジャーナリスト)
これは稀代の傑作! 一分の隙もなく骨の髄まで酔いしれました。
リズムに空気に呼吸も絶妙で、芸の道を極める執念と武家の女房の情念を見事に描かれ凄みしか感じられません!
ただただ打ちのめされました。

◆久田かおりさん(精文館書店中島新町店)
板の上と板の下。演じる愛と真の恋。
女より美しい女形に惚れこんだ女房の、激しく閑かな純愛に身もだえた。
『化け者心中』でわしづかみされた心が熱く冷たい炎であぶられた気がします。
蝉谷めぐ実、この進化から目が離せない。

◆山田恵理子さん(うさぎや矢板店)
凄み、粋み、エモみ、五感にぐっとくる時代小説。
歓声が聞こえ、色彩が舞う、華やぎながら、最高峰の熱量で、クライマックスに鳥肌が立つ!
役者の女房の気持ちになれるなんて、小説の世界は最高だ!

◆吉井めぐみさん(宮脇書店ゆめモール下関店)
男として自分を愛して欲しい。
でも女形としての夫にも惹かれる志乃になんだか頑張ってほしくてずっと応援しながら読んだ。
美しくせつない恋の物語、最後のシーンはたまらなく美しく涙した。

◆井上哲也さん(大垣書店イオンモールKYOTO店)
華麗な姫役を演じ続ける女形と女房のやりとりから、目が離せない。
何と哀しく美しい物語。
歌舞伎の世界を新たな角度で切り取とりながら、
〈おんな〉の美しさを描き上げた感動感涙の大傑作。

◆山本智子さん(文真堂書店ビバモール本庄店)
なんという純愛!!武家の娘から女形の女房へ。
環境も立場も変わって、自分というものに向き合い突き詰めたその先は究極の愛だった!
歌舞伎の真髄ここにあり!

 

著者プロフィール

撮影:小嶋淑子

撮影:小嶋淑子

著者の蝉谷めぐ実(せみたに・めぐみ)さんは、1992年生まれ。大阪府出身。早稲田大学文学部で演劇映像コースを専攻、化政期の歌舞伎をテーマに卒論を書く。広告代理店勤務を経て、現在は大学職員。

2020年、『化け者心中』で「第11回小説 野性時代 新人賞」を受賞し、デビュー。2021年に同作で「第10回日本歴史時代作家協会賞新人賞」「第27回中山義秀文学賞」を受賞。

 

おんなの女房
蝉谷 めぐ実 (著)

<既刊>

化け者心中
蝉谷 めぐ実 (著)

その所業、人か、鬼か―― 規格外の熱量を孕むデビュー作!

時は文政、所は江戸。鳥屋を営む藤九郎は稀代の女形として人気を誇った元役者の魚之助に呼び出され、中村座の座元の許へと向かう。
数日前『堂島連理柵』という新作台本の前読みを役者六人で車座でおこなった際、輪の真ん中に誰かの頭がごろぅり、転げ落ちてきたという。しかし役者の数は変わらず、鬼が誰かを食い殺して成り代わっているのは間違いない。二人は「鬼探し」の道行と洒落こむが、それは同時に、役者たちが芸の道をきわめるために鎬を削る地獄めぐりでもあった。
梨園の知られざる闇、血のにじむような努力や才能への渇望、葛藤を目の当たりにするうちに、藤九郎は、人と鬼の境目に深く思いを致すことになる。
芝居中、熱狂的な贔屓に襲われて足を失い、悪態をつきながら失意のうちに過ごす魚之助をなんとか舞台に戻してやりたい、その一念だった藤九郎だが、“傾奇者”たちの凄まじい執念を目の当たりにするうち、心も体も女形として生きてきた魚之助の人生や役者としての業と正面から向き合うことになり――。
善悪、愛憎、男女、美醜、虚実、今昔――すべての境を溶かしこんだ狂おしくも愛おしい異形たちの相克。

 
【関連】
第1話 – おんなの女房/蝉谷めぐ実(小説 野性時代) – カクヨム
蝉谷めぐ実特設サイト | カドブン

 


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