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「翻訳できない世界のことば」著者エラ・フランシス・サンダースさんイラストエッセイ『もういちど そばに』が刊行

エラ・フランシス・サンダースさん著『もういちど そばに』(訳:前田まゆみさん

エラ・フランシス・サンダースさん著『もういちど そばに』(訳:前田まゆみさん

15万部のベストセラー『翻訳できない世界のことば』の著者、エラ・フランシス・サンダースさんのイラストエッセイ『もういちど そばに』(訳:前田まゆみさん)が創元社より刊行されました。

 

失われた日常のなかにある、愛おしい瞬間

喫茶店や映画館、それに書店で見知らぬ人と隣り合わせになる……。2020年より前の暮らしの中にあって、いま私たちが恋い慕う、なにげない日常の風景を、瑞々しい感性で世界各国から愛される作家のエラ・フランシス・サンダースさんが描きだします。

 
◆Instagram発、自費出版で製作し、即完売に

この本のイラストと文章は、もともとは英国の作家・エラさんが、コロナ禍のさなか、インスタグラムやニュースレターに個人的にアップしていたものです。

彼女の発信に、「励まされた」と世界中から大きな反響がありました。それをうけて、作品をまとめて自費出版で販売したところ、第2版も含めて、すぐに売り切れに。

 
◆コロナ禍の英国で、二十代の作家が感じたこと

本書には、新型コロナウイルス感染症に関する具体的な記述はありませんが、日本よりもずっと危機的状況に陥っていた当時の英国の雰囲気が、行間から伝わってきます。

また喪失と希望とをテーマに描いた本書は、コロナ禍に限らず「心の痛み」を抱えたすべての人にとって癒しとなる一冊です。

 

絵本作家・前田まゆみさんの翻訳と手書きテキスト

『翻訳できない世界のことば』『誰も知らない世界のことわざ』『ことばにできない宇宙のふしぎ』と、エラさんのすべての本でタッグを組む、絵本作家・前田まゆみさんによる翻訳とぬくもりのある手書き文字が、読者のこころに寄り添います。

巻頭より

巻頭より

美術館や画廊に立つ。

美術館や画廊に立つ。

握手(ふつう遠慮がちに)。

握手(ふつう遠慮がちに)。

図書館や書店にいる。

図書館や書店にいる。

 

本書「訳者あとがき」より

エラ・フランシス・サンダースさんの著書を訳すご縁をいただいて、4冊目。今回の本は、才気煥発で知力を最大限に駆使する彼女の前作3つと比べると、とても素直でシンプルです。

最初に著者が「胸がいたくて、でもこの絵を描いて癒された」と書いているように、著者にこの本を描かせたもの、それは今私たちも共有している「痛み」だと感じます。2020年からの世界で起きていることはいったい何なのか、それによって私たちは何を失い、何と出会うのか。

「でも、それもいいさ。この星は、きっとまた私たちを抱きしめてくれるはずだから」と、この本は結ばれます。

もしかしたら、「この星」つまり地球というのは、私たち自身でもあるのかもしれません。私たちはまた、お互い抱きしめ合わなきゃいけないし、そうしたい。同じ時を生きている人をみんな、ぎゅっと。

訳し終わった今、私はそのように感じています。

それができる世界を、もう一度。

 

著者プロフィール

 
■[著]エラ・フランシス・サンダース(Ella Frances Sanders)さん

エラ・フランシス・サンダースさん

エラ・フランシス・サンダースさん

イギリス在住のライター、イラストレーター。

著書に”Lost in Translation: An Illustrated Compendium of Untranslatable Words from Around the World”(邦題:翻訳できない世界のことば)、”The Illustrated Book of Sayings: Curious Expressions from Around the World”(邦題:誰も知らない世界のことわざ)、”Eating the Sun: Small Musing on a Vast Universe”(邦題:ことばにできない宇宙のふしぎ)がある。

 
■[訳]前田まゆみ(まえだ・まゆみ)さん

絵本作家、翻訳者。京都市在住。神戸女学院大学で英文学を学びながら、洋画家の杉浦祐二さんに師事。

著書に『ライオンのプライド 探偵になるくま』『幸せの鍵が見つかる 世界の美しいことば』(創元社)、『野の花えほん』(あすなろ書房)など、共著に『しなやかに生きる智慧と希望のことば』(創元社)、翻訳書に『翻訳できない世界のことば』(創元社)、『もしかしたら』『だいすきだよ おつきさまにとどくほど』(パイ・インターナショナル)などがある。

『あおいアヒル』(主婦の友社)で「第67回産経児童出版文化賞」翻訳作品賞を受賞

 

もういちど そばに
エラ・フランシス・サンダース (著), 前田 まゆみ (翻訳)

失われた日常のなかにある、愛おしい瞬間

喫茶店や映画館、それに書店で見知らぬ人と隣り合わせに立つこと…。
2020年より前の暮らしの中にあって、いま私たちが恋い慕う何気ない日常の風景を、瑞々しい感性で世界各国から愛される作家のエラ・フランシス・サンダースが描き出す。

この本は、さまざまな場面、ハプニング、愛情、ひとつひとつの瞬間、ほかの人との相互作用、経験、衝突、出来事、思わぬ発見といった、私たちみんなが共有し、取り戻したいと切望しているものの断片を、挿絵とともに集めて見せてくれます。
のんきだった時代の、歴史のようにさえ感じられる、夢にまでみるあのさまざまな瞬間。
道ばたで出会う、日々の中にちりばめられたワクワク感。
生きていることそのものが、今は同じようには起こり得ない美しい偶然です。

それは読者に、手離し、出会う機会を失い、触れられなくなったものについて思い描かせます。
やさしく美しい方法で、小さな大切なものたちが、どれほど価値があるか、思い出させてくれるのです。
1日、1週間、1ヶ月に与えられる「生きる意味」。
それがはぎとられてしまうと、心は行き場を失い、感情は痛みにおおわれます。

この本の行間には、それら大切なものへの追慕とともに、私たち人間が、きっとまたお互い寄り添いあえるはず、という希望と自信とがつまっています。

<既刊>

翻訳できない世界のことば
エラ・フランシス・サンダース (著), 前田 まゆみ (翻訳)

★2017年 キノベス! 第1位

外国語のなかには、他の言語に訳すときに一言では言い表せないような各国固有の言葉が存在する。

本書は、この「翻訳できない言葉」を世界中から集め、著者の感性豊かな解説と瀟洒なイラストを添えた世界一ユニークな単語集。

言葉の背景にある文化や歴史、そしてコミュニケーションの機微を楽しみながら探究できる。

小さなブログ記事が一夜にして世界中へ広まった話題の書。
ニューヨークタイムズ・ベストセラー。
世界6カ国で刊行予定。

*著者「はじめに」より
わたしにとって、この本を作ることはもの作り以上の経験でした。
この本作りを通じて、今までとまったくちがう形で人間を見ることになったし、いつのまにか、これらの名詞や動詞、形容詞などを、
すれちがう人たちにあてはめている自分に気づいたのです。
海のそばにすわっているおじいさんを見て「boketto」と感じるし、見たことのない文化を経験する旅の準備中の友だちの心には「resfeber」を感じとります。

この本が、読者のみなさんにとって、忘れかけていたなにかを思いだすものであったり、または今まではっきりと表現したことのなかった考えや感情に言葉をあたえるものであればと願っています。

たぶん、たとえば一世代ちがうふたいとこについて語る言葉や、2年も前の夏に感じてうまく言えなかったことや、たったいま目の前にすわっている人の目が語っていることについての表現がみつかるかもしれません。
さあ、どんな言葉との出会いがあるでしょう?

*訳者「あとがき」より
「翻訳できない世界のことば」というタイトルから、読者のみなさんは、最初どんな本を想像されたでしょうか?

原書のタイトルは「LOST IN TRANSLATION」、「翻訳できない」は、厳密にいうと「りんご=apple」のように1語対1語で英語に翻訳できない、という意味です。
その中には、日本語の「ボケっと」「積ん読」「木漏れ日」「わびさび」もふくまれていました。

日本人にとっては当たり前の言葉ですが、著者のみずみずしい感性によって、それらの言葉の内包する意味の広がりやドラマ性に焦点が当てられています。

日本語以外の言語の言葉についても、新鮮なおどろきによって、一つ一つがすくい上げられていることは、想像に難くありません。

それぞれの言葉がまるで映画のワンシーンのように投げかけてきてくれる物語の切れ端を、読者のみなさんと共有できれば、本望です。

 


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