山小屋のリアルな日常が目に浮かぶ! やまとけいこさんの名イラストエッセイ集『黒部源流山小屋暮らし』が刊行
山と溪谷社は、やまとけいこさんの名イラストエッセイ集『黒部源流山小屋暮らし』をヤマケイ文庫より刊行しました。
※本書は2019年4月に発刊された『黒部源流山小屋暮らし』に加筆修正のうえ、文庫化したものです。
角幡唯介さん推薦!「岩魚と戯れ、ヤマネと遊び、時々客の相手をする。じつに楽しそうだ。こんな山小屋、私も暮らしたい!」
北アルプスの山小屋の中でも、黒部川の岸辺という特殊な環境にある源流の小屋、薬師沢小屋。
働いて当時12年目だったやまとさんのリアルな山小屋ライフを、小屋開けから小屋閉めまでの時間軸に沿って、楽しい文章とイラストで紹介します。
電波も届かない山奥で、どのような暮らしがあり、どのような出来事が起こるのか。
黒部源流と薬師沢小屋をこよなく愛する著者が、山小屋生活の苦労や困難、そして大自然の中で生きる喜びを鋭い感性で綴ります。
文庫化にあたり、支配人昇格後の書き下ろしの原稿と新規イラストを80ページ収録。
【「おわりに」より】
「山小屋の暮らしはまるで旅のようだ。毎日、何が起こるかわからない。シーズンになれば、お客さんが入れ代わり立ち代わりやって来て、旅に出ずとも旅がやって来る、そんな感じだ。」
黒部源流の大自然とその中に佇む薬師沢小屋の風景を切り取った、やまとけいこさんの優しく美しいイラストを豊富に掲載。
本書の構成
黒部源流概念図/薬師沢小屋見取り図/はじめに
第一章 黒部源流のこと
黒部源流と約沢小屋/山小屋創世記
第二章 薬師沢小屋開け
入山/水事情/電気と電波/クマの被害/従業員十人十色/国立公園と山小屋/物輸ヘリ一回目/ネズミとの攻防/登山道整備と大東新道/増水と鉄砲水/布団干しと布事情/傾く小屋
第三章 ハイシーズン到来
ハイシーズンと厨房事情/物輸ヘリ二回目/バイオトイレと五右衛門風呂/遭難事故と山岳警備隊/常連さんと居候/釣りとイワナと私
第四章 秋の源流と小屋閉め
イワナの遡上/上ノ廊下と赤木沢/同居人ヤマネさん/物輸ヘリ三回目/魔のシルバーウィーク/ご近所さん雲ノ平/秋の実りとキノコ中毒事件/薬師沢小屋閉め
第五章 支配人の日々
さよなら小屋番/一年目の苦難/ヘリポートづくり/外作業/新人を抱えて/遭難救助要請/秋の休暇/薬師沢小屋物語
おわりに
文庫版あとがき
著者プロフィール
やまとけいこさんは、1974年生まれ。武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業。高校生のときに初めて北アルプスを登り、山に魅了される。イラストレーター兼北アルプス薬師沢小屋従業員。東京都山岳連盟・東京YCC所属。渓流釣りや沢登り、山スキー、クライミングなど幅広くアウトドアに親しむ。2020年に、長年通い続けた憧れの富山に移住。立山連峰を眺めながら、新しい生活を始めたところ。
イラストレーターとして、山と溪谷社、Foxfire、PHP研究所、JTBパブリッシングなどで作品を発表。美術造形の仕事では、国立科学博物館、福井県立恐竜博物館、東京ディズニーランド、藤子・F・不二雄ミュージアム、ほか多数で制作物を展示。黒部源流の自然と薬師沢小屋が、世界で一番好き。著書に本書ほか、『蝸牛登山画帖』がある。
ヤマケイ文庫 黒部源流山小屋暮らし やまとけいこ (著) 豊かな大自然、生き生きとした動物たちの姿、小屋のリアルな日常が目に浮かぶ。 北アルプスの山小屋の中でも、黒部川の岸辺という特殊な環境にある源流の小屋、薬師沢小屋。 文庫化にあたって、支配人昇格後を綴った書き下ろしの原稿と新規イラストを収録。 |
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