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総合月刊誌『文藝春秋』が創刊100周年!

『文藝春秋』新年号の表紙画《紅富士の世界》

『文藝春秋』新年号の表紙画《紅富士の世界》

株式会社文藝春秋が刊行する総合月刊誌『文藝春秋』は、2022年に創刊100周年を迎えます。その記念号の第一弾となる新年特別号(2021年12月10日発売)から、表紙が変わります。

 

新年特別号から表紙は日本画家・村上裕二さんが担当

新しく表紙画を担うのは、日本画家の村上裕二さん(57)です。32歳にして日本美術院展日本美術院賞大観賞に輝き、以来、日本美術院展文部科学大臣賞、日本美術院展内閣総理大臣賞など数々の賞を受賞し、新進気鋭の実力派として広く才能を認められてきました。

 
高い技術と豊かな表現力で描かれる作品はバラエティーに富んでおり、富士山や仏像などのほか、師である平山郁夫さんから影響を受けた西欧的なテーマにも取り組んでいます。

近年は幼い日のヒーローであったウルトラマンや仮面ライダー、ゴジラなどを描き、作品集も刊行されました。これまでの日本画の枠にとらわれない自由で独創的な世界観で、いま最も注目される画家の一人です。

 
村上さんがとりわけ情熱を注いでいるのが、鮮やかな彩色です。海外から取り寄せた貴重な岩絵具をふんだんに使用し、色を何度も重ねる画風は圧巻です。新年特別号では《紅富士の世界》と題し、真っ赤に染まった富士山が登場します。優雅な昇り龍も描かれ、文藝春秋の新たな幕開けにふさわしい表紙に仕上がっています。

 
同号のカラーページ企画では、村上さんの仕事場や作品を制作する様子なども掲載されています。

 

村上裕二(むらかみ・ゆうじ)さん プロフィール

1964 東京都生まれ
1987 東京藝術大学美術学部絵画科日本画専攻卒業
1992 東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程満期修了
1997 日本美術院展日本美術院賞大観賞
1999 日本美術院展日本美術院賞大観賞
2006 第15回 MOA 岡田茂吉賞絵画部門優秀賞
2012 日本美術院展文部科学大臣賞
2016 日本美術院展内閣総理大臣賞

 

村上裕二さん コメント

「表紙を依頼されたとき、とても嬉しかったと同時に、自分のなかで理解できませんでした。私はこれまで王道を歩むというよりは楽しいほうへ楽しいほうへと、ある種逃げながら絵を描いてきたからです。僕はアウトサイダーなんです。すぐに、うちの母ちゃん(妻)から『大丈夫なの?』と聞かれました。でも、人に期待してもらうというのは嬉しい。こんな感覚は初めてで、うきうきと心が躍っています。芥川賞を受賞する作家さんをはじめ、名だたるかたがたが登場される雑誌の表紙を飾ることを考えると、その責任が重くのしかかって大変な気持ちになりますが、自分を奮い立たせて頑張っていきたいと思います」

 

新谷学編集長コメント

「まさに一目惚れでした。赤や金の目に突き刺さるような彩色の強さ、荒々しいまでに力強い筆遣い、そして富士山、舞妓さんから、ウルトラマン、仮面ライダーまで、斬新かつ、日本が色濃く漂うモチーフ。創刊100周年にあたり、国民雑誌として新たな一歩を踏み出す『文藝春秋』にとって、またとない表紙になることを確信しました。『文藝春秋』では、2022年の新年特別号(12月10日発売)から、2023年2月号(1月10日発売)まで、14冊にわたり記念号を刊行します。村上先生の表紙が書店等で圧倒的な存在感を放つことは間違いありませんが、誌面も特別企画がてんこ盛りです。引き続きご愛読のほど、よろしくお願いいたします」

 

 


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