「第38回織田作之助賞」最終候補作が決定 朝井リョウさん、大前粟生さん、岸政彦さん、滝口悠生さん、千早茜さんの計5作品
織田作之助賞実行委員会は12月2日、第38回織田作之助賞の最終候補作品を発表しました。
なお、最終選考会は12月17日に開催されます。
第38回織田作之助賞の最終候補作5作品が決定!
織田作之助賞実行委員会は、2020年10月1日から2021年9月30日までの1年間に初版が刊行された新鋭・気鋭の作家の小説を対象に、作家、評論家、ジャーナリスト、文芸関係者などからの推薦を受け、次の5作品を最終候補として決定しました。
<「第38回織田作之助賞」最終候補作品>
◎朝井リョウ(あさい・りょう)さん
『正欲』(新潮社)
◎大前粟生(おおまえ・あお)さん
『おもろい以外いらんねん』(河出書房新社)
◎岸政彦(きし・まさひこ)さん
『リリアン』(新潮社)
◎滝口悠生(たきぐち・ゆうしょう)さん
『長い一日』(講談社)
◎千早茜(ちはや・あかね)さん
『ひきなみ』(KADOKAWA)
織田作之助賞について
織田作之助賞は、大阪生まれの作家・織田作之助の生誕70年を記念して、1983年(昭和58年)に創設された文学賞です。創設当初は公募の新人賞でしたが、現在は、前年10月1日~本年9月30日に刊行された新鋭・気鋭の作家の単行本を対象としています。
大阪市、大阪文学振興会、関西大学、パソナグループ、毎日新聞社で構成される「織田作之助賞実行委員会」が主催。受賞作には賞金100万円と記念品が贈られます。
選考委員は、いしいしんじさん(作家)、重里徹也さん(文芸評論家)、芝井敬司さん(西洋史研究者)、高村薫さん(作家)、田中和生さん(文芸評論家)。
正欲 朝井 リョウ (著) あってはならない感情なんて、この世にない。 息子が不登校になった検事・啓喜。 しかしその繋がりは、”多様性を尊重する時代”にとって、ひどく不都合なものだった――。 「自分が想像できる”多様性”だけ礼賛して、秩序整えた気になって、そりゃ気持ちいいよな」 これは共感を呼ぶ傑作か? 作家生活10周年記念作品・黒版。 |
おもろい以外いらんねん 大前粟生 (著) 幼馴染の咲太と滝場、高校で転校してきたユウキの仲良し三人組。滝場とユウキはお笑いコンビ<馬場リッチバルコニー>を組み、27歳の今も活動中だが――。優しさの革命を起こす大躍進作。 |
リリアン 岸 政彦 (著) この曲、 街外れで暮らすジャズ・ベーシストの男と、近所の酒場で知り合った女。星座のような会話たちが照らす大阪の二人、その人生。人々の声が響く都市小説集。 |
長い一日 滝口 悠生 (著) 小説家の夫と妻は、住み慣れた家からの引っ越しを考え始めた。長いつきあいの友人たちやまわりの人々、日々の暮らしの中でふと抱く静かで深い感情、失って気づく愛着、交錯する記憶。かけがえのない時間を描く、著者4年ぶりの長編小説。 「どこまでも伸びる一日。そして過ぎてみれば、たった一日。」(本書より) |
ひきなみ 千早 茜 (著) 私たちずっと一緒だと思っていたのに。彼女は脱獄犯の男と、島から消えた。 小学校最後の年を過ごした島で、葉は真以に出会った。からかいから救ってくれたことを機に真以に心を寄せる葉だったが、ある日真以は島に逃げ込んだ脱獄犯の男と一緒に島から逃げ出し、姿を消してしまう。裏切られたと感じた葉は母に連れられ東京へ戻るが、大人になって会社で日々受けるハラスメントに身も心も限界を迎える中、ある陶芸工房のHPで再び真以を見つける。たまらず会いに行った葉は、真以があの事件で深く傷ついていることを知り――。女であることに縛られ傷つきながら、女になりゆく体を抱えた2人の少女。大人になった彼女たちが選んだ道とは。 装丁:大久保伸子 |
【関連】
▼大阪市:報道発表資料 第38回「織田作之助賞」最終候補作品が決定しました
◆稀代のストーリーテラー・織田作之助〈傑作集〉『放浪・雪の夜』が刊行 | 本のページ
◆世界初!? 大前粟生さん〈“ピン芸人”が主人公〉の小説『ピン芸人、高崎犬彦』が刊行 | 本のページ
◆神尾水無子さん〈第36回小説すばる新人賞〉受賞作『我拶もん』が刊行 | 本のページ
◆傷ついた君たちは、弱さを利用してもいいんだよ――大前粟生さん〈炎上時代の本音に迫るリアルタイムストーリー〉『チワワ・シンドローム』が刊行 装画は映像制作集団「釣部東京」 | 本のページ