今度の語り手、何かが違う――朝井リョウさん『生殖記』が刊行
『正欲』以来3年半ぶり、作家・朝井リョウさんの新作長篇小説『生殖記』が小学館より刊行されました。
◯◯目線のとんでもない文章の巣窟
2021年に刊行された前作『正欲』は発売直後から「読む前の自分には戻れない」と口コミが広がり、話題沸騰。第34回柴田錬三郎賞受賞、ダ・ヴィンチプラチナ本OF THE YEAR 2021年選出、本屋大賞ノミネートと各文学賞を席巻しました。さらに2023年には稲垣吾郎さん・新垣結衣さんの共演で映画化、累計50万部を突破するベストセラーになっています。
『正欲』以来3年半ぶりとなる『生殖記』は2022年~2023年にかけて北海道新聞、河北新報、東京・中日新聞、西日本新聞にて連載されていた作品ですが、刊行に際し大幅な加筆修正が行われています。
【あらすじ】
とある家電メーカー総務部勤務の尚成は、同僚と二個体で新宿の量販店に来ています。
体組成計を買うため――ではなく、寿命を効率よく消費するために。
この本は、そんなヒトのオス個体に宿る◯◯目線の、おそらく誰も読んだことのない文字列の集積です。
★『生殖記』特設サイト:https://www.shogakukan.co.jp/pr/asai_seishokuki
※特設サイトでは冒頭試し読み、声優・津田健次郎さんナレーションの発売記念TVCM、推薦コメント、書店員の方たちから寄せられた熱い感想の数々も公開中です。
<『生殖記』推薦コメント>
◆金原ひとみさん(作家)
この先人間について考える時、私はこの小説から授かった根源的な視点を取り入れずにはいられないだろう。恐ろしいほどの呪いと解放を得る読書体験。
◆綿矢りささん(作家)
必要とされるだけ幸せだよ…この言葉に接するたびに感じていた違和感の正体を、「生殖記」が暴いてくれた。
◆國分功一郎さん(哲学者・東京大学教授)
ギョッとする設定で展開される、エンサイクロペディア的な〈暇と退屈の文学〉。一息に読んでしまいました。
◆魚豊さん(マンガ家)
なんだこれ!語られなかった対象、語らなかった主体それらが紙面で出会う時、全く新しい読書体験が始まる――徒然なる賢者によるエクストリーム日常系!混迷の令和に満を持して登場!
著者プロフィール
朝井リョウ(あさい・りょう)さんは、1989年生まれ、岐阜県出身。2009年『桐島、部活やめるってよ』で第22回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。
2013年『何者』で第148回直木賞、2014年『世界地図の下書き』で第29回坪田譲治文学賞、2021年『正欲』で第34回柴田錬三郎賞を受賞。
その他の著書に『少女は卒業しない』『世にも奇妙な君物語』『死にがいを求めて生きているの』『スター』など。
生殖記 朝井 リョウ (著) |
【関連】
▼試し読み|「生殖記」|小学館
▼朝井リョウ『生殖記』特設サイト|小学館
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