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台湾現代文学の担い手、呉明益さんオンライントークイベントを開催 KADOKAWA・河出書房新社・白水社・文藝春秋が主催

呉明益さんオンライントークイベントを開催

呉明益さんオンライントークイベントを開催

『複眼人』(KADOKAWA)、『眠りの航路』(白水社)、『雨の島』(河出書房新社)、そして『自転車泥棒』(文藝春秋)、『歩道橋の魔術師』(河出書房新社)の文庫化など、邦訳/新刊が相次ぎ、まさに「呉明益Year」となった2021年。出版社の垣根を越えて、版元四社主催によるオンライントークイベント「私の作品の中の日本と台湾」が11月20日に開催されます。

2018年にはブッカー国際賞候補にもなり、世界も注目する台湾作家・呉明益(ご・めいえき)さんの生の声が聞ける貴重な機会です。聞き手は、書評家の豊﨑由美さん。

 

オンライントークイベント「私の作品の中の日本と台湾」概要

■テーマ「我的作品中的日本與台灣~私の作品の中の日本と台湾」
自然と人間、台湾と日本――過去、現在、そして近未来を舞台に、時に幻想的に、時に歴史に寄り添いながら、多彩な作品を生み出してきた呉明益さん。その創作の源流はどこにあるのか、自身の言葉でたっぷり語ります。聞き手は、呉さんの作品を熱く支持する書評家の豊﨑由美さん。

■開催日程:11月20日(土)15:00~17:00(終了時間は予定)

■通訳:小栗山智さん(『複眼人』訳者)/金森エリーさん

■主催:KADOKAWA/河出書房新社/白水社/文藝春秋
■協力:太台本屋 tai-tai books

★詳細・申込み:https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/02iiuqufuty11.html

 

出演者プロフィール

 
■呉明益(ご・めいえき)さん

1971年生まれ。台北出身。輔仁大学マスメディア学部卒業、国立中央大学中国文学部で博士号取得後、現在、国立東華大学華語文学部教授。小説家、エッセイスト。

短篇小説集『本日公休』(1997年)で作家デビュー。2007年、初の長篇小説『眠りの航路』(白水社)を発表後、短篇小説集『歩道橋の魔術師』(白水社、のち河出文庫)、長篇小説『複眼人』(KADOKAWA)、『自転車泥棒』(文藝春秋)をはじめ、自ら写真やイラストを手がけたエッセイ『迷蝶誌』等多彩な作品を発表し続けている。最新作は短篇小説集『雨の島』(河出書房新社)。

『歩道橋の魔術師』は台湾で連続ドラマ化・コミック化され大きな話題に。 国内では全国学生文学賞、聯合報文学小説新人賞、梁実秋文学大賞、中央日報文学賞、台北文学賞、台湾文学長篇小説金典賞、台北国際ブックフェア大賞、金鼎賞などを相次いで受賞、海外では『複眼人』がフランスの島嶼文学賞を獲得、『自転車泥棒』がブッカー国際賞の候補にノミネートされるなど、その作品は世界的に評価されている。

 
■豊﨑由美(とよざき・ゆみ)さん

ライター、書評家。「週刊新潮」「中日(東京)新聞」「婦人公論」などで書評を多数掲載。

主な著書に『勝てる読書』(河出書房新社)、『ニッポンの書評』(光文社新書)、『ガタスタ屋の矜持 場外乱闘篇』(本の雑誌社)、『文学賞メッタ斬り!』シリーズ&『村上春樹「騎士団長殺し」メッタ斬り!』(大森望氏との共著、河出書房新社)、『石原慎太郎を読んでみた 入門版』(栗原裕一郎氏との共著、中公文庫)、『まるでダメ男じゃん!「トホホ男子」で読む、百年ちょっとの名作23選』(筑摩書房)などがある。

★Twitter[@toyozakishatyou]:https://twitter.com/toyozakishatyou

 

呉明益さん邦訳作品(2021年刊)

 
■『複眼人』(訳:小栗山智さん/KADOKAWA)

 

複眼人

「こんな小説は読んだことがない。かつて一度も」ル=グィン(ゲド戦記)
〈台湾民俗的神話×ディストピア×自然科学×ファンタジー〉

次男が生きられぬ神話の島から追放された少年。自殺寸前の大学教師の女性と、山に消えた夫と息子。母を、あるいは妻を失った先住民の女と男。事故で山の“心”に触れた技術者と、環境保護を訴える海洋生態学者。傷を負い愛を求める人間たちの運命が、巨大な「ゴミの島」を前に重なり合い、驚嘆と感動の結末へと向かう――。人間と生物、自然と超自然的存在が交錯する世界を、圧倒的スケールと多元的視点で描く未曾有の物語。

 
■『眠りの航路』(訳:倉本知明さん/白水社)

 

眠りの航路

父子二代の記憶へ漕ぎ出す、鮮烈な長篇デビュー作

台北で暮らすフリーライターの「ぼく」は、数十年に一度と言われる竹の開花を見るために陽明山に登るが、その日から睡眠のリズムに異常が起きていることに気づく。睡眠の異常に悩む「ぼく」の意識は、やがて太平洋戦争末期に少年工として神奈川県の海軍工廠に従事した父・三郎の人生を追憶していく――。呉明益さんの長篇デビュー作の待望の邦訳。のちに『自転車泥棒』や『歩道橋の魔術師』にもつながる原初の物語である。

 
■『雨の島』(訳:及川茜さん/河出書房新社)

 

雨の島

ごく近い未来を舞台に、ウイルスプログラム「裂け目」から送られる親しい人々の記憶と、台湾の自然をモチーフに描かれる6つの短篇。

元神話学教授のチーズ職人の家に養子として迎えられた、難病のミミズ研究者の物語「闇夜、黒い大地と黒い山」。鳥の声を聴き取る自閉症の鳥類行動学者が、母の死をきっかけに聴力を失い、新たな言語を構築していく「人はいかにして言語を学ぶか」。植物状態にある恋人のツリークライマーに負い目を感じる主人公が、臨死体験を利用した治療法に身を委ねる「アイスシールドの森」ほか、全6篇。緩やかに連関しつつ紡がれる自然と人間の大いなる物語。現代台湾を代表する作家のネイチャーライティング・フィクション。

 
■『自転車泥棒』(訳:天野健太郎さん/文春文庫)

 

自転車泥棒

ブッカー国際賞候補作。時空を超えて展開する壮大なスケールの物語。

二十年前に失踪した父とともに消えた幸福印の自転車が戻ってきた。小説家の「ぼく」が自転車の来し方を探るうち、物語は時空を超えて広がっていく。中華商場での庶民生活、蝶の貼り絵に携わる女子工員、マレー半島を駆ける銀輪部隊、ビルマから台湾に渡ったゾウの記憶――。台湾人作家として初めてブッカー国際賞候補作となった、著者の代表作。

 
■『歩道橋の魔術師』(訳:天野健太郎さん/河出文庫)

 

歩道橋の魔術師

懐かしい記憶には魔法がかかっている――

1979年、台北。中華商場の魔術師に魅せられた子どもたち。現実と幻想、過去と未来が溶けあう、どこか懐かしい極上の物語。現代台湾を代表する作家の連作短篇。単行本未収録短篇を併録。

 
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