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人生はとてもゆっくり流れている――韓国人気エッセイ『ナマケモノのように生きたい』先行公開

『ナマケモノのように生きたい』(著:ジンミニョンさん、訳:裵蔚華さん)

『ナマケモノのように生きたい』(著:ジンミニョンさん、訳:裵蔚華さん)

韓国での人気エッセイ『ナマケモノのように生きたい』(著:ジンミニョンさん、訳:裵蔚華さん)が、あさ出版より11月24日に刊行されます。

『ナマケモノのように生きたい』は、「モノも人も過剰な時代だからこそ、ミニマルライフを楽しもう」そんな思いがこもった一冊です。

あさ出版では発刊を記念し、本書より以下を抜粋し、先行公開しました。

 

ナマケモノのように生きたい

息をするように軽やかに、ゆっくりと動くナマケモノの生き方が好きだ。
時間に追われ息を切らしながら移動することも、早足で歩くことも好きではない。足が痛くなる靴も、両手を塞ぐ荷物も、1分1秒を争う焦燥感も嫌いだ。
豊かな時間を過ごすことが、本当の意味で裕福な人生だと思っている。

 
1日の中で最も好きな時間は、ふかふかのソファーに埋もれて瞑想用のBGMを聴きながら昼寝をする時だ。
この時だけは、何も考えないでいられる。

 
私は、めったに考えを止めることができない病を患っているように、いつでも脳がフル稼働状態?―。
常に考え事や悩みが多く、列をなして?がっていく雑念たちで頭がいっぱいだ。
だから「持たないこと」と「急がないこと」の美学がより切実になってくる。
生活水準を落としてシンプルに生きる理由も、ナマケモノのようにゆったりと生きたいからである。

 
家にいる間は、昼になると常に電気を消している。
夜であっても照明は暗くしている。
暗闇は不思議と心を落ち着かせてくれる。
あたり一面を真っ暗にして、ソファーで横になりながら、音楽を聴き、本を読む。
すると、せわしなく回る世の中で、私の周りのこの小さな空間だけは、時間が止まっているようになるので、時を操る気分に浸れる。
騒音と焦りから解放され、静寂を味わいはじめたのなら、最初はぎこちなくともすぐに夢中になれる。
日常から失くすことのできないほど、大切な習慣になるだろう。

 

最高の富である“時間”

私の人生はとてもゆっくり流れている。
食事はゆっくりするし、歩くのも遅いほうだ。意識的にゆっくり食べ、ゆっくりと歩くようにしているからだ。
ランニングをしたりする場合を除けば、駆け足すらほとんどしない。
目の前のバスにギリギリ間に合いそうでも、次のバスに乗る。
横断歩道でも青信号が点滅しだしたら、次に青になるのを待って渡るようにしている。
エスカレーターに乗ってもじっと立っているし、エレベーターに乗っても閉まるボタンを押したりはしない。
誰かと会う約束をしたら、決められた時間よりも1?2時間早く着くように出発する。
近くで時間を潰して、安らかな心でのんびりと待ち合わせ場所に向かう。
移動時間を計算したりもしない。渋滞や予想外の緊急事態に巻き込まれて、相手を待たせて?てることもなければ、仕方なく遅れてしまうこともほとんどない。
私にとって、最高の富は“時間”である。
「時間に余裕がある」という事実1つだけで、私の人生の幸福指数は熱く高まる。ストレスは減り、日常の美しさに気づくことが多くなった。
待っている10分や20分は、私にとって価値のない時間ではない。
私はずっと、どうすれば最高の時間を過ごすことができるか研究してきたのだ。
字を書き、本を読み、音楽を聴く?。
どこであっても、座れる空間と本1冊、手帳1冊、ペン1本があれば、何時間でも有意義で充実した時間を過ごすことができる。
むしろ私が恐れるのは、待つことよりも時間に縛られて追い立てられる状況のほうなのだ。

 

本書の構成

まえがき

1部 少しずつゆっくりと
ナマケモノのように生きたい/最高の富である”時間”/今日やることは今日決める/風の匂い、空気の温度、木の葉の彩りを感じる/あとどれくらい必死に生きなければならないのか/エアコンに依存しない夏/文明を逆走すると刺激的な気分を味わえる/誰も見ていない所で誰かが対価を支払っている

2部 小さく軽やかに
お腹が空く時間は本当の幸せだ/デジタルデトックスを実践する/私服の制服化/収納の達人=ミニマリストではない/モノを買わない/安いからダイソーが好き/徹底した尋問と審査/モノを買う時の基準は処分が容易であるかどうか/追い込まず妥協する/情報への執着にも警戒する/まだ捨てるモノがある/人付き合いもミニマルに/バッグは軽く服と靴はラクに/お金とはアナログに接する/捨てるのも技術であり訓練である

3部 私らしく自由に
部屋着を軽んじない/髪は毎日洗わなくて良い/旅先では普段と変わらない日常を過ごす/稼ぎが少なくても充分幸せでいられる/いつ働いていつ休むかは自分が決めること/自分の容量を守る/自分が幸せになれることをする/本質が見える正直なモノと人で選ぶ/全く別の世界を見ることになった/消費主義を拒否したい/適当な距離を置く/アドバイスしない/特に趣向と言えるようなものはない

4部 ミニマリストになったら
掃除がラクになった/サンプルとラッピングは辞退する/プレゼントはしない/無限の自信が湧いてきた/睡眠の質が向上した/1冊の本を繰り返し読む/1人を楽しむようになった/服に対する欲がなくなった/人間関係を優先するようになった/経済的な不安が減った/味にこだわらなくなった/イライラが減った/幸せが手に取るように具体的になった/選ばなければいけないことが減った/死が怖くなくなった/1人の時間も怖くなくなった

あとがき

 

著者プロフィール

 
■著者:ジンミニョンさん

ミニマリスト エッセイスト。
簡素な生活に魅力を感じて、所有物を80%以上削減し、ミニマリズムがもたらした良いことをブログに記録しはじめたことで、韓国で人気のブロガーとなる。

生活を簡素化するとともに、不足、孤独、静寂、暗闇、空虚、沈黙、絶食を美化し、独特の視点で読み取った世界の移り変わりを文に綴っている。

今後もナマケモノのようにのろのろと生き、地球には自分の足跡を最小限残して、心豊かに健康的に生きていきたいという素朴な願いを抱いている。

 
■訳者:裵蔚華(ぺ・ウラ)さん

1988年生まれ。韓中日翻訳者。

朝鮮語圏での延べ5年に渡る生活を活かし、ホームページの翻訳やインタビュー動画の字幕など幅広い翻訳を手掛ける。

 

ナマケモノのように生きたい
ジン・ミニョン (著), 裵 蔚華 (翻訳)

【韓国で大人気ブログのエッセイスト 初の翻訳書! 】

街に出たら何か買うのが当たり前だった著者がミニマルライフを送ることに――。
モノと向き合い、モノとの関係を見直したり、いらないモノとの別れ方を試行錯誤していると、気づけば自分の”あり方”や”生き方”を考えるようになっていた。
「私はナマケモノのように生きたい……」
日用品から収納用品、家具、家電、大量の服――。
捨てても捨てても出てくる、いらないモノたちと向き合い、所有物を吟味しながら、ありのままで生きる方法を模索した。 その結果、手に入れたのは、自分のための時間と心の余裕だった。

 


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