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女性初、黒人初、アジア系初のアメリカ副大統領カマラ・ハリスさん初の自伝『私たちの真実 アメリカン・ジャーニー』が刊行!

カマラ・ハリスさん著『私たちの真実 アメリカン・ジャーニー』(訳:藤田美菜子さん・安藤貴子さん)

カマラ・ハリスさん著『私たちの真実 アメリカン・ジャーニー』(訳:藤田美菜子さん・安藤貴子さん)

女性初、黒人初、アジア系初のアメリカ副大統領カマラ・ハリスさんの初の自伝『私たちの真実 アメリカン・ジャーニー』(原題:THE TRUTHS WE HOLD: An American Journey/訳:藤田美菜子さん・安藤貴子さん)が6月16日に光文社より刊行されました。

同書では、子供時代のエピソードから、長じた後の検事、カリフォルニア州司法長官、上院議員の時の仕事ぶり、趣味や友人関係、恋愛まで、率直に語られます。また、アメリカが抱える様々な問題を解決するには、まず「真実」(エビデンスを含む)を知らなくてはならないと説き、自らが手掛けた社会問題事例も多数紹介されます。

 

女性初、黒人初、アジア系初のアメリカ副大統領・カマラ・ハリスさんは、「ガラスの天井」をどう打ち破ってきたのか?

「女性初、黒人初、アジア系初のアメリカ副大統領」というと、我々とは別次元の存在――スーパーウーマンのように思えるかもしれません。ところが本書を読むと、そのイメージは覆されます。

 
例えば、ロースクールを出た彼女は検察官を目指しますが、最初の司法試験に失敗します。
「同じ時期に入局した人たちはほとんど合格し、これから司法修習を受ける。私は違う。誰かのオフィスを通りかかったとき、『彼女はすごく賢いじゃないか。なぜ落ちたんだ?』と話す声が聞こえてきたことがある。みじめで、きまりが悪かった」

 
その後、地方検事に立候補したときは、日本の政治家と同じような“ドブ板選挙”を繰り広げます。スーパーマーケットの入り口近くに、スタンディングデスク代わりにアイロン台を設置。その上に選挙チラシを置き、「カマラ・ハリス 正義のための発言者」と書かれたのぼりを立て、買い物客に「こんにちは! カマラ・ハリスと申します。地方検事に立候補しています。ご支援よろしくお願いします」と呼びかけます。これをたった一人でやったのです。

 
さらに、カリフォルニア州司法長官選挙では、投票日の夜に一度敗北を言い渡されます。大接戦の開票の最中でしたが、対立候補が勝利宣言を出したためです(1カ月後に票が確定し、僅差の逆転勝利)。

 
「女性でマイノリティ」のレッテルを貼られ、順風満帆にはほど遠い人生を歩んできたカマラですが、徹底的に弱者に寄り添います。
 例えば州司法長官時代、サブプライム住宅ローン問題により多くの人々が自宅を差し押さえられたときには、当初銀行から申し出のあった20億~40億ドルの和解補償金を蹴飛ばし、粘り強い交渉を行った末に200億ドルを得ることに成功しました。

 
全く新しいタイプのリーダーは、危機の時代をどのように舵取りしていくのでしょうか? 本書には彼女のどんな思いが込められているのでしょうか?

「この本は、人々に行動を促すきっかけとして、そして闘いは真実を語ることに始まり、真実を語ることに終わらなければならないという私の信念から生まれたものだ。
こうした状況にあるとき、互いの信頼関係ほど重要な対抗策はない。あなたは人を信頼し、人に信頼されなければならない。信頼関係を築くのに最も大切なのは、真実を話すことである。大事なのは何を言うかだ。言葉に込めた思いだ。そして、それによってほかの人々に何が伝わるかだ。
最も困難な問題は、それについて率直に話さないかぎり、そしてまた、難しい対話をいとわずに事実が明らかにすることを進んで受け入れないかぎり、解決できない」

 
老いも若きも、男性も女性も、すべての人を勇気づけ、生きる指針となる一冊です。

 

著者プロフィール

 
■著者:カマラ D.ハリス(KAMALA D. HARRIS)さん

ジャマイカ出身の経済学者の父と、インド出身のがん研究者の母の間に生まれる。幼い頃に両親が離婚し、妹とともに母親に育てられる。ハワード大学、カリフォルニア大学ヘイスティングス・ロースクールを経て地方検事補に。その後、サンフランシスコ地方検事、カリフォルニア州司法長官に選出。州司法長官時代には、住宅差し押さえ危機に際して大手銀行と対決し、労働者世帯のために歴史的和解を勝ち取った。2016年11月、黒人女性として史上二人目の上院議員に当選。21年1月、米副大統領に就任。刑事司法制度改革、最低賃金の引き上げ、高等教育の無償化、難民および移民の法的権利保護に取り組む。

 
■訳者:藤田美菜子(ふじた・みなこ)さん

早稲田大学第一文学部卒業。訳書に『悪党・ヤクザ・ナショナリスト』(朝日新聞出版)、『より高き忠誠』(共訳、光文社)、『約束の地』(共訳、集英社)、『炎と怒り』(共訳、早川書房)など。

 
■訳者:安藤貴子(あんどう・たかこ)さん

早稲田大学教育学部卒業。訳書に『つきあいが苦手な人のためのネットワーク術』(CCCメディアハウス)、『ミーティングのデザイン』(ビー・エヌ・エヌ新社)、『ロケット科学者の思考法』(サンマーク出版)など。

 

私たちの真実 アメリカン・ジャーニー
カマラ・ハリス (著), 藤田美菜子 (翻訳), 安藤貴子 (翻訳)

女性初、黒人初、アジア系初のアメリカ副大統領、初の自伝

ジャマイカ出身の父とインド出身の母の間に移民の娘として生まれた彼女は、いかに「ガラスの天井」を打ち破ってきたのか? ど
のような知恵と判断力とリーダーシップで、数々の難題に対峙していくのか? 本書で明らかに。

 


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