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いじめをうける娘の毎日を記録した母の日記をもとにした小説『子宮の氷点』が刊行 期間限定で無料キャンペーンを実施

杠千代さん著『子宮の氷点』

杠千代さん著『子宮の氷点』

杠千代(ゆずりは・ちよ)さん著『子宮の氷点』がKindleにて刊行されました。出版記念として、2021年6月12日より「5日間限定!無料キャンペーン」も実施されます。

 
本書は、いじめをうける娘の毎日を記録した母の日記をもとに執筆されたフィクション小説です。

「いじめの現実」の中に生きる子供とその家族の何かしらの役に立ちたい、そしてまた、教育現場でいじめの現実に向き合う教師達の何かしらのヒントになればと願い、手記ではなく、読んでいる方が同じ情景を共有できるようにと、小説という形に再編し、今回の出版となりました。

 

著者コメント

娘が中学2年生の夏、それは突然始まりました。終わらない悪い夢のような我が子の毎日に、毅然としているべき母である私は、疲れ果て、助けてやれない自分を責め、娘を励ます言葉ももうなくなった頃、ふと振り返ってみると、2年間の所々の記憶がなくなっていました。

「記憶」はなくなりましたが、「記録」は私の手元に残りました。

この小説は、いじめが始まってからの娘の毎日を記録した母である私の日記を元に、フィクションとして再編したものです。フィクションの小説ではありますが事実を元にした話であり、たくさんの想いを込めて何度も筆が止まりながら執筆しました。

 

キャンペーン概要

■期間:2021年6月12日~6月16日

■販売店: Amazon Services International,Inc.

★URL:https://amzn.to/3cn9ZeF

 

本書「まえがき」より

自分で死ぬのがダメなら、お母さんが殺してよ!」
娘は包丁を握りしめ、私に向かって泣き叫びました。

自分の命に代えても守るべき我が子に、「殺してくれ」と言われた母親はどうすれば良いのか。
その時の私は、一言も発することなく、ただ泣きながら、涙でぐちゃぐちゃな娘の頬を打ちました。

いっそ、殺してやれば良かったのか。

死ぬのを許さず、いじめに耐えながら生きることを強いた私は、娘にとって加害者と同じだったのではないのか。
学校になど助けを求めず、加害者親子に直談判に行けば良かったのか。

毎日湧き出るどうしようもない感情を抱えたまま時間ばかりが過ぎ、いじめが始まって一年経った頃、娘はPTSDを発症していました。

突然泣き叫び、部屋の隅で震える娘。
死んでおけば良かったと、壁に頭を打ち付ける娘。
毎晩悪夢にうなされ、私の布団に潜り込んでくる娘。

そんな娘を前に、強い母親であろうと必死で自分を奮い立たそうとすればするほど、自責の念に駆られました。

「私が母親でなかったら、こんなことにはなっていなかったのではないだろうか…。」

そんな思いから、娘達に対する申し訳なさに圧し潰され、自らの非力にも疲れ果てた私を救ってくれたのは、友人の一言でした。

「千代ちゃんじゃないと、こんなに頑張れてないよ。」

「そうだ。私はまだ頑張れる。私が頑張らないでどうする。」
 そう思えたのです。

いじめ防止対策推進法が制定されてから、これまで有耶無耶にされてきた実態が法の名の下に引きずり出され、いじめの認知件数は増えました。

ですが、血が出たわけではない、骨が折れたわけではない、お金をとられたわけではない、
ただひたすらに精神的苦痛を与え続ける陰湿ないじめは、現場の教師やスクールカウンセラー、また教育委員会や行政にとっては、問題にしにくいいじめ、別の言い方をすれば、さして問題にせずともやり過ごせるいじめ、であるのは、法律ができる前と変わらないのではないでしょうか。

せっかく法律はできましたが、現場での運用が今のままであるなら、これからも子供たちの自死はなくならないと断言できます。

そんな子供たちを理不尽に死なせないために、何ができるだろうと考えました。

国の宝であるはずの子供、その命を「ごみ」のように扱う行政の矛盾は、今、正さなければならない、そう考え、裁判を起こすことにしました。

娘は、本当は死んでいたかもしれない自分は生きている、
だったら、死んでしまった子供とその親御さんの身代わりとして訴えたい、
そして今、過去の自分と同じ境遇にある子供の力になりたい、と言いました。

そしてもうひとつ、その裁判の内容についてはここでは詳しく書けませんが、この小説はいじめが始まってから提訴するまでの娘の毎日を記録した私の手記を元に、フィクションとして再編したものです。

「我が子がいじめに遭ったらこうすれば良いですよ。」とは言えません。

ただ、この小説が、今現在苦しんでいる子供さんや、どうしてやれば良いのか分からない親御さん、そして現場で子供達と向き合っている教師のみなさんの、何かしらのお役に立つのではないかと思い、出版を決意しました。

一人でも多くのみなさんがいじめについて考える機会の一助になりますことを、切に願っています。

 

子宮の氷点 Kindle版
杠 千代 (著)

この小説はいじめが始まってから提訴するまでの娘の毎日を記録した母である私の手記を元に、フィクションとして再編したものです。

フィクションの小説ではありますが
事実を元にした話であり、たくさんの想いを込めて
何度も筆が止まりながら考えながら執筆しました。

どういう想いを込めた書籍なのか「まえがき」を読んで頂くのが一番だと思います。

ぜひ読んでもらえると嬉しいです。

 


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