星野智幸さんが描く”恐ろしくも幸福な虚構”『植物忌』刊行　星野智幸さん×瀬川祐美子さん×山﨑のりこさんコラボイベントも

星野智幸さん著『植物忌』

星野智幸さんの新刊『植物忌』が朝日新聞出版より刊行されました。本書は、著者が10年以上にわたって書き続けてきた「植物」を題材にした珠玉の短編に、書きおろし作品を加えた11編からなる小説集です。

星野智幸さんが描く異色の11編『植物忌』が発売！

「植物へ植物へ、ヒトが溶けて滲み出す。これは多方向的で悦ばしい『変身』の群。」
――いとうせいこうさん推薦！

 
草木を皮膚に植えるうちに人間が植物化していく「スキン・プランツ」、お花見に出かけた恋人たちが桜の木にのみ込まれていく「桜源郷」、喋る植物の作出によって逆に人間が言葉を失っていく「喋らん」など、人間と植物の境界が曖昧になっていく虚構が描き出されています。

人間としての存在が溶け出していく様には恐ろしさがありますが、同時に言葉にできない多幸感も漂います。

 
また、装画は新進気鋭の若手画家・瀬川祐美子さんが担当。本書の世界観からインスピレーションを得て描かれた完全新作です。装幀家・鈴木千佳子さんとのコラボレーションによるブックデザインにもご注目ください。

 
＜収録作品＞
避暑する木／ディア・プルーデンス／記憶する密林／スキン・プランツ／ぜんまいどおし／植物転換手術を受けることを決めた元彼女へ、思いとどまるよう説得する手紙／ひとがたそう／始祖ダチュラ／踊る松／桜源郷／喋らん
・あまりの種― あとがき

著者プロフィール

著者の星野智幸（ほしの・ともゆき）さんは、1965年、米ロサンゼルス生まれ。早稲田大学卒業。新聞社勤務を経て、1997年『最後の吐息』で文藝賞を受賞しデビューする。

2000年『目覚めよと人魚は歌う』で三島由紀夫賞、2003年『ファンタジスタ』で野間文芸新人賞、2011年『俺俺』で大江健三郎賞、2015年『夜は終わらない』で読売文学賞、2018年『焔』で谷崎潤一郎賞を受賞。

ほかに『植物診断室』『呪文』『未来の記憶は蘭のなかで作られる』『のこった もう、相撲ファンを引退しない』『だまされ屋さん』など著書多数。

イベント開催も決定！

星野智幸さん（作家）×瀬川祐美子さん（画家）×山﨑のりこさん（ショコラティエ）による、『植物忌』とアートとショコラの展覧会「光合成しちゃう？」が開催されます。
小説から生まれたアート作品とショコラを一緒に味わう展覧会です。

 
■会期：2021年5月27日（木）～6月1日（火）12～19時
■会場：HYPERMIX（門前仲町）8階
■入場料：500円（ショコラ1粒付き）

 
※5月29日（土）には三人によるトークイベント（参加料1000円）も開催。詳細とチケットの購入は https://bit.ly/3sB8KOx よりご確認ください。
※新型コロナウイルスの感染状況により内容が変更になる場合があります

植物忌 星野 智幸 (著) 書きおろし・単行本未収録作を含む全11編、異色の植物小説集 アイビーを体に生やして着飾るうちに植物化した人間たちの幸福な未来を描いた「スキン・プランツ」、蜂起する植物たちと特殊工作員ネオ・ガーデナーが対峙する「始祖ダチュラ」等、11編。 ヒトが植物の世界に取り込まれていく虚構に、現代社会への痛烈な批判を込める――。 装画：瀬川祐美子

 
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