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直木賞作家・朱川湊人さん初の児童書作品『時間色のリリィ』が刊行 昭和~現代、時空を超えて繋がる絆の物語

朱川湊人さん作・川野さん絵『時間色のリリィ』

朱川湊人さん作・川野さん絵『時間色のリリィ』

偕成社は、朱川湊人さん作・川野さん絵『時間色(じかんいろ)のリリィ』を5月26日に刊行します。

 

直木賞作家・朱川湊人さん初の児童書は、”アニメ好き”の趣向がつまったストーリー

会社員を経て2002年に『フクロウ男』でデビューした小説家、朱川湊人さん。同作でオール讀物推理小説新人賞を受賞したほか、2003年には『白い部屋で月の歌を』で日本ホラー小説大賞短編賞、2005年には『花まんま』で直木賞を受賞しています。

そんな朱川さんの作風は「ノスタルジック・ホラー」と呼ばれています。

 
一方、朱川さんには「特撮・アニメ好き」の一面も!
『ウルトラマンメビウス』の脚本を手がけるなど、幅広く活躍されています。

 
今回初めて手がけた児童書『時間色のリリィ』は、偕成社のウェブマガジン「Kaisei web」(https://kaiseiweb.kaiseisha.co.jp)で連載した同名の作品を書籍化したもの。今作にも、自らを「オタク」だという、朱川さんの趣向がつまっています。

 
<物語を構成する3つの要素>

◆日常生活の中で起こる、ふしぎな出来事(ファンタジー要素)
物語の舞台は、現代のとある町。主人公の小学5年生・ロミは、平凡な女の子です。
対して、ロミが出会う少女・リリィは、60年代の少女アニメを思わせるような服装にウィッグのような明るい髪と、奇抜な見た目。さらに自分を「大魔法使い」だと言いはり、その破天荒な行動に、ロミは振り回されていきます。「日常に、ある日突然おかしなことが起こる」という、ファンタジーの要素が主軸になっています。

◆「マンガ」と「現実」の交わり(二次元と三次元の行き来)
物語が進むと、リリィはとあるマンガから出てきたキャラクターでは?という疑惑が生まれ、さらに現実世界の人がマンガになってしまうなど、「二次元」と「三次元」が交差していきます。

◆時空を超えて繋がる絆(タイムマシン要素)
リリィの正体は、どうやら時空をこえた存在らしいということも判明します。でも、いったいどんな世界からやってきたのでしょうか。
物語は、「マンガ」を介して、昭和・平成・令和と時代をまたいで展開していきます。

 

『時間色のリリィ』あらすじ

 
<あらすじ>

小学5年生のロミは、ある日、同じ塾に通っている優等生、園内くんの訪問を受ける。「ミコミコぷろだくしょん」という名前をしらないかという突拍子もない質問をされて、近くの公園まで誘われるままに行ってみると、コスプレめいた服装の、風変わりな女の子がまっていた。リリィと名乗ったその女の子は、園内くんをあやつって、「ミコミコぷろだくしょん」のことを聞き出そうとしているらしい。

一体「ミコミコぷろだくしょん」とはなんなのか? そしてリリィの正体とは?

 
※現在Kaisei webでは、1話・2話を公開しています。
★URL:https://kaiseiweb.kaiseisha.co.jp/a/lili/

 

朱川湊人さん プロフィール

著者の朱川湊人(しゅかわ・みなと)さんは、昭和38年1月7日生まれ。大阪出身。慶應義塾大学卒業。出版社勤務をへて著述業に。

平成14年「フクロウ男」でオール読物推理小説新人賞、15年「白い部屋で月の歌を」で日本ホラー小説大賞短編賞、17年に大阪の少年を主人公にした短編集『花まんま』で直木賞を受賞。

作品はほかに『都市伝説セピア』『さよならの空』『いっぺんさん』など多数。

 

時間色のリリィ
朱川湊人 (著), 川野 (イラスト)

ノスタルジックホラーとよばれる作風の直木賞作家が、児童向けの作品に初挑戦。
親子で楽しめる作品です。

 


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