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【第68回産経児童出版文化賞】八尾慶次さん『やとのいえ』が大賞を受賞

第68回産経児童出版文化賞が決定!

第68回産経児童出版文化賞が決定!

産経新聞社は5月5日、第68回産経児童出版文化賞の受賞作を発表しました。

 

4214点の児童書の中から受賞作8点が決定!

第68回産経児童出版文化賞は、昨年1年間に刊行された児童向けの新刊書4,214点を対象に審査が行われ、その中から受賞作8点が次の通り決定しました。

 
<「第67回産経児童出版文化賞」受賞作品>

■大賞:『やとのいえ』(八尾慶次さん/偕成社)

■JR賞:『プラスチックモンスターをやっつけよう! きみが地球のためにできること』(監修:高田秀重さん、絵:クリハラタカシさん、編:クレヨンハウス編集部/クレヨンハウス)

■美術賞:『つかまえた』(田島征三さん/偕成社)

■産経新聞社賞:『バウムクーヘンとヒロシマ ドイツ人捕虜ユーハイムの物語』(著:巣山ひろみさん、絵:銀杏早苗さん/くもん出版)

■フジテレビ賞:『サンドイッチクラブ』(長江優子さん/岩波書店)

■ニッポン放送賞:『うしとざん』 (高畠那生さん/小学館)

■翻訳作品賞
◎『ウサギとぼくのこまった毎日』(作・絵:ジュディス・カーさん、訳:こだまともこさん/徳間書店)
◎『ありがとう、アーモ!』(文・絵:オーゲ・モーラさん、訳:三原泉さん/鈴木出版)

 
大賞を受賞した八尾慶次(やつお・けいじ)さんは、1973年生まれ。神奈川県相模原市出身、大阪府育ち。宝塚造形芸術大学卒業。石仏が好きで羅漢さんを描きはじめ、2013年に「羅漢さん」で第50回ボローニャ国際絵本原画展に入選。単行本の絵本は本書が初。

 
詳細は、5月5日付の産経新聞紙上とニュースサイト「産経ニュース」、産経新聞社のイベントガイド「いべさん」(https://www.eventsankei.jp/child_award/index.html)に掲載。

 

産経児童出版文化賞について

産経児童出版文化賞は、学校図書法の施行にあわせて1954年に「次の世代を担う子どもたちに良い本を」の趣旨で産経新聞社が創設した文学賞です。

前年の1月1日から12月31日までの1年間に日本国内で出版された、すべての児童書籍を対象に審査を行い、毎年5月5日の「こどもの日」に受賞作が発表されます。

産経新聞社が主催。フジテレビジョン、ニッポン放送が後援。JR7社(JR北海道、JR東日本、JR東海、JR西日本、JR四国、JR九州、JR貨物)が協賛。

 

やとのいえ
八尾慶次 (著)

「やと」とは「谷戸」とも書き、なだらかな丘陵地に、浅い谷が奥深くまで入り込んでいるような地形のことをいいます。
この絵本では、東京郊外・多摩丘陵の谷戸をモデルに、そこに立つ一軒の農家と、その土地にくらす人々の様子を、道ばたにつくられた十六の羅漢さんとともに、定点観測で見ていきます。

描かれるのは、明治時代のはじめから現代までの150年間。
長い時間、土地の人びとは稲作、麦作そして炭焼きなどをしてくらしてきました。昭和のなかばには戦争もありましたが、それでもつつましく、のどかなくらしをつづけてきました。

そのいとなみが大きく変化したのは、昭和40年代からです。この広大な土地が、ニュータウンの開発地となりました。丘はけずられ、谷は埋められました。自然ゆたかだった丘陵地は、あっというまに姿を消しました。そして昭和のおわりごろになると、団地やマンショがたちならぶニュータウンへと姿をかえました。大地にねざした稲作や炭焼きの仕事は、もうほとんどなくなりました。

しかし、新たに多くの人がここへ移り住み、町はまた活気をとりもどします。平成となると、ニュータウンができてからも30年以上がたち、自然豊かでのどかだった村は、落ち着いた郊外の町となっていきました。

ここに描かれた村にかぎらず、現在の私たちのくらす町はどこでも、かつてはゆたかな自然あふれる土地であったことでしょう。今のような町になる前は、どのような地形で、どのような人びとがいて、どのようなくらしがいとなまれていたのでしょうか。これを読みながら、みなさんのくらしている町と、くらべながら見ていくのもいいでしょう。

巻末には、8ページにわたって、この絵本に描かれている農作業とその道具、村の習俗や人びとの様子などをくわしく解説しています。

 
【関連】
産経児童出版文化賞 | いべさん

 


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