【第11回山田風太郎賞】今村翔吾さん『じんかん』が受賞
KADOKAWAは10月16日、過去一年間で最も「面白い」と評価されたエンタテインメント小説に贈られる「第11回山田風太郎賞」の受賞作を発表しました。
第11回山田風太郎賞が決定!
第11回山田風太郎賞の選考会が10月16日に開催され、受賞作が次の通り決定しました。
<第11回山田風太郎賞 受賞作品>
今村翔吾(いまむら・しょうご)さん
『じんかん』(講談社)
受賞者の今村翔吾さんには、正賞として記念品として名入り万年筆が、副賞として賞金100万円が贈られます。
選考委員は、奥泉光さん、京極夏彦さん、筒井康隆さん、林真理子さん、夢枕獏さん(※下記写真左より/五十音順)。
第1回山田風太郎賞を『悪の教典』で受賞し、今回第11回より選考委員に加わった貴志祐介氏さん選考委員を代表して選評を行ない、「『じんかん』が圧倒的な票を集めました。候補作の中で一番長いのですが、一番短い時間で読了しました。ラストが悲しく、爽やかな余韻を残してくれる素晴らしいエンタテインメントです」とコメント。
また、今村翔吾さんは記者会見で「今の僕にできる最高のものを書きたいと思って作ったのが『じんかん』です。作家・今村翔吾の前半戦のひとつのかたち、踊り場のような作品になりたいと思って書いたので、この賞を頂けたことは本当にありがたいです」と喜びを語りました。
なお、候補作品は以下の5作品でした。
【候補作品】
◎今村翔吾さん『じんかん』(講談社)
◎河﨑秋子さん『土に贖う』(集英社)
◎河野裕さん『昨日星を探した言い訳』(KADOKAWA)
◎凪良ゆうさん『わたしの美しい庭』(ポプラ社)
◎柚月裕子さん『暴虎の牙』(KADOKAWA
受賞者プロフィール
受賞者の今村翔吾(いまむら・しょうご)さんは、1984年生まれ。京都府出身。ダンスインストラクター、作曲家、守山市での埋蔵文化財調査員を経て、2017年『火喰鳥 羽州ぼろ鳶組』でデビュー。同作で第7回歴史時代作家クラブ賞・文庫書き下ろし新人賞を受賞。「羽州ぼろ鳶組」シリーズは、第4回吉川英治文庫賞候補に。2018年「童神」(刊行時『童の神』と改題)で第10回角川春樹小説賞を受賞。同作は、第160回直木三十五賞候補にもなった。2020年『八本目の槍』で吉川英治文学新人賞を受賞。同年刊行した『じんかん』が第163回直木賞候補となる。
他の著書に「くらまし屋稼業」シリーズ、『ひゃっか! 全国高校生花いけバトル』『てらこや青義堂 師匠、走る』がある。
山田風太郎賞について
山田風太郎賞は、戦後日本を代表する大衆小説作家・山田風太郎さんの「独創的な作品群と、大衆性、ノンジャンル性、反骨精神など氏が貫いた作家的姿勢への敬意を礎に、有望な作家の作品を発掘顕彰するため、2010年にスタート(創設は2009年)された文学賞です。株式会社KADOKAWAと一般財団法人「角川文化振興財団」が主催。
毎年9月1日から翌年8月31日までに書籍として発表された長編および短編の文芸作品(ミステリ、時代、SFなどジャンルを問わない)の中より最も面白いと評価された日本の小説作品に贈られます。新人、新進、中堅作家の作品が対象となります。
じんかん 今村 翔吾 (著) 仕えた主人を殺し、天下の将軍を暗殺し、東大寺の大仏殿を焼き尽くす――-。 時は天正五年(1577年)。ある晩、天下統一に邁進する織田信長のもとへ急報が。信長に忠誠を尽くしていたはずの松永久秀が、二度目の謀叛を企てたという。前代未聞の事態を前に、主君の勘気に怯える伝聞役の小姓・狩野又九郎。だが、意外にも信長は、笑みを浮かべた。やがて信長は、かつて久秀と語り明かしたときに直接聞いたという壮絶な半生を語り出す。 貧困、不正、暴力…。『童の神』で直木賞候補となった今最も人気の若手歴史作家が、この世の不条理に抗う人すべてへ捧ぐ、圧巻の歴史巨編! |
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