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【訃報】漫画家・矢口高雄さんが死去 『釣りキチ三平』『マタギ』など

『釣りキチ三平』などで知られる漫画家の矢口高雄(やぐち・たかお=本名:高橋高雄)さんが11月20日、膵臓がんのため都内の病院で死去しました。81歳。秋田県出身。葬儀は近親者で執り行われました。喪主は妻の勝美さん。矢口さんが創設にかかわり、名誉館長を務める横手市増田まんが美術館が公式サイトで発表。次女のかおるさんも矢口さんの公式ツイッターで「父・矢口高雄は11/20に家族が見守るなか、眠るように息を引き取りました」(https://t.co/mcjw1eOuye)と報告。後日、故人を偲ぶ会を開催予定。

 
矢口高雄さんは、1939年生まれ。秋田県立増田高校卒業後、羽後銀行(現・北都銀行)に入行。銀行務めの傍ら『月刊漫画ガロ』へ投稿を続け、1969年に「長持唄考」などが『月刊ガロ』に掲載に。1970年に銀行を退職し上京、漫画家に転身します。『少年サンデー』に掲載された「鮎」でデビュー。

1973年『週刊少年マガジン』で「釣りキチ三平」の連載を開始、釣りブームを巻き起こします。また、同年発表の「幻の怪蛇バチヘビ」ではツチノコブームの火付け役となりました。
「釣りキチ三平」は10年にわたって連載され、テレビアニメ化や実写映画化もされました。

 
1974年『釣りキチ三平』『幻の怪蛇バチヘビ』で講談社出版文化賞(児童まんが部門)、1976年『マタギ』で日本漫画家協会賞大賞を受賞。1995年、秋田県横手市の「横手市増田まんが美術館」の名誉館長に就任。

 
漫画作品に『おとこ道』『熊王』『爪王』『ニッポン博物誌』『おらが村』『かつみ』『釣りキチ三平 平成版』など多数。エッセイに『ボクの学校は山と川』『ボクの先生は山と川』など。

 

なお、横手市増田まんが美術館では2021年1月11日まで、矢口高雄さんの画業50周年を記念した企画展(https://manga-museum.com/YAGUCHI_50th/)が開催中です。

 

釣りキチ三平(1) (週刊少年マガジンコミックス)
矢口高雄 (著)

天才釣りキチ少年、三平三平(みひらさんぺい)登場! 世代を超えて釣ろう、でっかい夢を!! 同じく釣りキチのじいちゃん・一平(いっぺい)譲りの才能で、参加した鮎釣り大会に初出場で見事優勝する。しかし、その優勝をねたむやからに難癖をつけられ、鮎釣り対決をすることに。三平がとった策は「水あびと昼寝作戦」!! 水のプリンセス“鮎”の魅力を堪能!

マタギ (ヤマケイ文庫)
矢口 高雄 (著)

“狩猟ブーム〟の現代にこそ読み返したい猟師の源流がここにある ―― 千松信也(猟師)
漫画家・矢口高雄氏の隠れた名作『マタギ』(1976年日本漫画家協会賞大賞受賞作)がヤマケイ文庫で復刊!
「最後の鷹匠」も収録、800頁以上、圧巻の読み応え!

舞台は、雄大な奥羽山脈の山里。
不条理とも思える大自然の”掟”の下、狩人であるマタギたちは、冷徹な頭脳と研ぎ澄まされた狩猟技術をもって野生動物に向かっていく。

漫画家矢口高雄の代表傑作、第5回日本漫画家協会賞大賞受賞作、待望の復刊です!
愛蔵版未収録の「最後の鷹匠」も入っています。

ヤマケイ文庫 ニッポン博物誌
矢口 高雄 (著)

矢口高雄画業50周年。名著復活第一弾!
大自然の掟を厳粛に描きだす感動のドラマ集。
矢口高雄の隠れた名作『ニッポン博物誌』の初の文庫化! 730ページ以上の大ボリューム。

限りなく美しい日本の自然!
だが、その美しさの陰には、食うものと食われるもの、栄えるものと滅びゆくものの、あまりにも厳しい大自然の掟があった!!
しかし、悲しみにいろどられた争いのなかには、われわれ人間を深い感動の世界へいざなうドラマがある。
大自然のなかで懸命に戦い生き抜く動植物と、その生命の厳粛さを見つめた矢口美学の結晶。
全20編一挙収録。待望の文庫化。

 
【関連】
名誉館長矢口高雄氏の逝去に関するお知らせ(訃報)|横手市増田まんが美術館

 


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