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新潮社が没後50年「新・三島由紀夫」フェアを展開 全作品装幀リニューアル、秘蔵「肉声」音源の公開、『芸術新潮』&『新潮』特集

新潮社が没後50年「新・三島由紀夫」フェアを展開

新潮社が没後50年「新・三島由紀夫」フェアを展開

今年は、日本を代表する作家・三島由紀夫が没してから50年となる記念の年です。三島の主要作品を刊行してきた新潮社では、「新・三島由紀夫」フェアを展開、様々な企画を実施していきます。

 

新潮文庫全作品のカバーリニューアル

これまで新潮文庫の三島由紀夫作品の装幀は、白地にオレンジ色の文字を配したおなじみのデザインと、写真を使ったデザイン、そして絵を使ったデザインが混在していました。

没後50年を機に、金銀箔をほどこし、デザインを統一。名作にふさわしい色味と輝きを吟味し、華やかでノーブルな装幀に仕上がりました。

 

秘蔵「肉声」音源の限定公開

特設ウェブサイトでは、三島由紀夫が『わが友ヒットラー』を朗読した秘蔵音源を限定公開します。1月末日までの限定公開です。

★特設サイト:https://www.shinchosha.co.jp/shin-mishima/

 

豪華執筆陣による解説を新収録

以下の作品には、豪華執筆陣による新解説が収録されました。次の50年に三島を読む導きとなるものです。

『愛の渇き』石井遊佳さん(作家)
『金閣寺』恩田陸さん(作家)
『春の雪 豊饒の海(一)』小池真理子さん(作家)
『花ざかりの森・憂国』佐藤秀明さん(日本近代文学者)
『潮騒』重松清さん(作家)
『宴のあと』辻原登さん(作家)
『真夏の死』津村記久子さん(作家)
『仮面の告白』中村文則さん(作家)
『午後の曳航』久間十義さん(作家)
『サド侯爵夫人・わが友ヒットラー』平野啓一郎さん(作家)
『禁色』森井良さん(フランス文学者)

 

新編短編集『手長姫 英霊の声 1938 -1966』を刊行(10月28日発売)

新編短編集『手長姫 英霊の声』

新編短編集『手長姫 英霊の声』

新潮社は、短編の名手でもあった三島由紀夫の短編集を新たに編み、刊行しました。

三島がはじめて小説を書いたのは日中戦争が泥沼化していく1938年、13歳の時。本書は、その処女作「酸模(すかんぽう)」から、時代の流れにそって各年代から九篇を精選。二十代の作品からは奇癖をもつ女を描く「手長姫」や兄妹の異様な短篇「家族合せ」、虚ろな日本人の姿を切り取った「S・O・S」、三十代は技巧冴える「魔法瓶」、怪談「切符」、四十代の問題作「英霊の声」など。いずれも新潮文庫初収録の作品です。

 

『芸術新潮』12月号特集は「21世紀のための三島由紀夫入門」(11月25日発売)

『芸術新潮』12月号予告

『芸術新潮』12月号予告

三島由紀夫の命日に発売される『芸術新潮』12月号の特集は、「21世紀のための三島由紀夫入門」。

昭和、平成が終わった今、三島由紀夫の作品と人生はどのように読まれ得るのか、これから三島文学と出会う若い人たちに向けて、新たな入門篇となる特集です。アーティストたちの語り合う「三島由紀夫」像は新鮮で必見です。

 
<特集目次> ※敬称略

「杉本博司、森村泰昌、柳幸典、会田誠、小田原のどかーーアーティストたちから三島由紀夫への手紙」

「グラフ 三島由紀夫ポートレイト」細江英公「薔薇刑」から、愛猫とたわむれる珍しい写真、東大全共闘討論会スナップまで、イメージの中の三島由紀夫の魅力を探る。

「三島文学の森を歩く」(選・解説 平野啓一郎)三島由紀夫の小説や戯曲、評論の中から作品15本を厳選。三島文学の深い森の中へ分け入り、踏破するための一本の道を平野啓一郎氏の案内で歩く。

「美輪明宏、高橋睦郎、横尾忠則が語る いまむかし三島由紀夫」生前の三島と交流があり、かつその後の半世紀を表現者として歩み続けた3人がそれぞれに語る三島。

「年譜 三島由紀夫と昭和」(解説 白百合女子大学教授・井上隆史)

「エッセイ 俳優としての三島由紀夫」(文 四方田犬彦)

 

『新潮』12月号特集「三島由紀夫没後五十年」(11月7日発売)

三島由紀夫が遺作『豊饒の海』をはじめとする傑作を多数掲載した文芸誌『新潮』も、もちろん三島由紀夫を特集します。

文学シーンの最前線を走る作家たちによる、三島トリビュート競作「私の『仮面の告白』」、そして評論と貴重なエッセイを掲載。

 
<特集内容> ※敬称略

◆創作・私の『仮面の告白』
上田岳弘「下品な男」/高山羽根子「その一匹を殺したのは誰か」/舞城王太郎「檄」/三国美千子「お面」

◆評論
平野啓一郎「『豊饒の海』論 第一回」(短期集中連載)/大澤信亮「平岡少年とキリスト」/鈴木涼美「ニセモノの少女」/浜崎洋介「『われら』への道」

◆特別エッセイ
黒田夏子「あくるとしの三十三さいたち――『定本三島由紀夫書誌』制作のころ」

 

三島由紀夫 プロフィール

三島由紀夫(みしま・ゆきお)は、1925年東京生まれ。本名は平岡公威(ひらおか・きみたけ)。1947(昭和22)年に東大法学部を卒業後、大蔵省に勤務するも9ヶ月で退職、執筆生活に入る。1949年、最初の書き下ろし長編『仮面の告白』を刊行、作家としての地位を確立。

主な著書に、1954年『潮騒』(新潮社文学賞)、1956年『金閣寺』(読売文学賞)、1965年『サド侯爵夫人』(芸術祭賞)等。

1970年11月25日、『豊饒の海』第四巻「天人五衰」の最終回原稿を書き上げた後、自衛隊市ヶ谷駐屯地で自決。ミシマ文学は諸外国語に翻訳され、全世界で愛読される。

 

手長姫 英霊の声 1938 -1966 (新潮文庫)
三島 由紀夫 (著)

三島由紀夫が13歳で初めて書いた小説は、童話的な作品「酸模(すかんぽう)」。敏感な主人公の視線が吸い寄せられるのは刑務所から脱走した囚人だった。微かな不安と世界に対する感性が感じられる短篇だが、発表されたのは、日中戦争が本格化していく時世。同年、ナチスの青少年団「ヒトラーユーゲント」が来日している。そのような時代に、三島は創作活動をスタートさせた。
本書は、1938年(昭和13年=13歳)から、1966年(昭和41年)の代表作「英霊の声」まで、知られざる名短篇や巧みな恐怖小説、超短編など9篇を精選、年代順に配置した短篇集である。
終戦直後に最愛の妹を亡くし(享年17)た三島は、号泣した。3年後、1948年(昭和23年)に発表したのが、兄と妹の異様な物語「家族合せ」である。その3年後、マッカーサー元帥が解任され、日本が主権回復に向かう1951年(昭和26年)、心を病んだ女の哀しみを描いた「手長姫」を発表した。この年は、ラジオ放送による第一回紅白歌合戦が放送され明るい話題の多い年だったが、同年発表の「携帯用」は、そのラジオを小道具にした、追い詰められた男の物語である。
三島を大ベストセラー作家にした『潮騒』は1954年(昭和29年)刊行だが、同年11月、同じ海をモチーフとしているのに、ひどく空虚な味わいの「S・O・S」を発表した。『潮騒』とは正反対の、爽やかさなど1ミリもない傑作である。
円熟の三十代からは切れ味鋭い短篇「魔法瓶」「切符」を収録。そして自死の4年前(41歳)の「英霊の声」。この作品が発表された1966年は、ビートルズ来日で日本中の若者が熱狂した年だが、その昂奮に冷や水をさすがごとく、「英霊」を作中で召喚してみせた。
時代にうまく乗り切れず、社会の外に弾き出される人物を描き、その違和感に稀有な文学性を与えてきた三島由紀夫。昭和という時代に寄り添い、その翳を掬いとった天才の目を味わうことができる九篇は、すべて初の新潮文庫化である。

サド侯爵夫人・わが友ヒットラー (新潮文庫)
三島 由紀夫 (著)

獄に繋がれたサド侯爵を待ちつづけ、庇いつづけて老いた貞淑な妻ルネを突然離婚に駆りたてたものは何か?―悪徳の名を負うて天国の裏階段をのぼったサド侯爵を六人の女性に語らせ、人間性にひそむ不可思議な謎を描いた『サド侯爵夫人』(芸術祭賞)。独裁政権誕生前夜の運命的な数日間を再現し、狂気と権力の構造を浮き彫りにした『わが友ヒットラー』。三島戯曲の代表作二編を収める。

 
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初めて出会う 新・三島由紀夫|新潮文庫

 


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