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大英博物館「Citi マンガ展」公式図録の日本語版が刊行

『マンガ! 大英博物館マンガ展図録』

『マンガ! 大英博物館マンガ展図録』

2019年に大英博物館で開催され好評を博した「マンガ展」の公式図録の日本語版である『マンガ! 大英博物館マンガ展図録』が、三省堂より刊行されました。

時代や掲載誌・出版社を横断し、広く文化としてのマンガを俯瞰し、一つの文化の物語を作り上げていくユニークな構成です。名作の原画を含む図版を多数掲載し、著名な漫画家や編集者のインタビューや、美術や歴史の観点からの考察記事も充実した一冊です。

 

大英博物館で開催された「Citi マンガ展」公式図録の日本語版、三省堂より刊行

世界最大の博物館のひとつであるイギリス・ロンドンの大英博物館で、2019年5月23日から8月26日まで開催された「Citi マンガ展」――。

本展は日本国外で開催されたマンガの展覧会としては最大規模であり、約18万人が来場するほど、近年では最も好評を博した展覧会となり、日本国内でも数多くのメディアで報道されました。

 
この度、その展示をまとめた公式図録の日本語版が、三省堂より刊行されました。

本書では、日本国内と関連する海外のものも合わせ、約50名の漫画家による70タイトルと、歴史的美術作品から実験的なデジタル作品まで計162点が取り上げられています。時代や掲載誌・出版社を横断し、広く文化としてのマンガを俯瞰し、一つの文化の物語を作り上げていくユニークな構成になっています。

 

充実したインタビュー記事

ちばてつやさん・星野之宣さん・中村光さん・こうの史代さん・ヤマザキマリさん・竹宮惠子さん・井上雄彦さん・赤塚りえ子さんなど、人気漫画家や芸術家へのインタビュー記事のほか、漫画編集者や出版社代表、翻訳者、コミックマーケット主催者など、漫画にかかわるさまざまな人々のインタビュー記事を収録。創作やヒットの秘密に迫ります。

 

名作の原画を含む図版を多数掲載

『ゴールデンカムイ』『不思議の国のアリス』『ギガタウン 漫符図譜』『かくかくしかじか』『ウナギイヌの最期』「柳の木」『あした天気になあれ』『SLAM DUNK』『リアル』『聖☆おにいさん』『オリンピア・キュクロス』『商社の赤い花』ほか、多数の図版をオールカラーで掲載しています。

 

マンガを多角的にとらえる解説記事

「マンガの神様」「少女マンガとは何か」「戦後日本におけるマンガとスポーツ」「ソフト革命としての『キャプテン翼』」「マンガと音楽」「出版物としての性表現」「マンガ・ミュージアム」「マンガと法律」「北斎はマンガを描いたのか?」「帰ってきた妖怪たち」「グラフィック/ノベルの台頭とマンガ」「アニメの軌跡」「『ガロ』とオルタナティヴ・マンガ」ほか、美術や歴史の観点から考察した記事を多数掲載しています。

 

本書の構成

 
第1章「マンガの読み方、描き方、作り方」

漫画家へのインタビューや原画、そしてマンガ制作における編集者や出版社の役割を見ていくことで、マンガを創るとは何かを探ります。

 
第2章「物語の力」

物語りの手法の歴史的ルーツと今日の実態を検証し、ストーリーを語る力が何なのかを掘り下げます。少女マンガの多種多様な表現を論じた論考もあります。

 
第3章「目に見える世界・見えない世界を描く力」

スポーツや冒険、SFや変身、愛とエロスなどの〈見える世界〉と、信仰や異界、ホラーなどの〈見えない世界〉を描く、さまざまなジャンルのマンガを探ります。

 
第4章「社会の中のマンガ」

商業ベースではないマンガ、ファンによる二次創作に始まり、コミックマーケットやコスプレを重点的に取り上げ、マンガの社会的役割について見ていきます。

 
第5章「線がもつ表現力」

葛飾北斎と暁斎、19世紀の西洋と日本の政治的風刺、そして現代の漫画家たちの作品との関係を、2本の論考で掘り下げます。

 
第6章「拡張するマンガ」

マンガのグラフィック・ノベルというジャンルへの展開、アニメへの移行などから、マンガの拡張による文化的影響を検証します。

 

編訳者プロフィール

■ニコル・クーリッジ・ルーマニエールさん(編者)
セインズベリー日本藝術研究所の創設者、初代所長。現セインズベリー日本藝術研究所研究担当所長およびイースト・ア ングリア大学日本美術文化教授。2019年まで大英博物館アジア 部日本セクションにIFACハンダ日本美術キュレーターとして在籍し、2019年5月23日から8月 26日まで大英博物館のセインズベリー・エキシビション・ギャ ラリーにて開催された「マンガ展」の主任キュレーターを務めた。

■松葉涼子さん(編者・日本語版監修)
専門は近世出版文化。イースト・アングリア大学と提携関係にあるセインズベリー日本藝術研究所でシニア・デジタル・ヒューマニティーズ・オフィサーを勤める。2008年に立命館大学で博士号を取得。大英博物館マンガ展のキュレーターの一人でもあり、また、同展覧会のカタログ執筆も担当した。

■山川早霧さん(訳者)
社会科学系翻訳者。高校までロンドンほか海外で育ち、本格的なマンガ読みデビューは二十歳すぎてから。たまたま立ち寄ったカフェの棚にあった萩尾望都の『メッシュ』シリーズで、マンガの面白さに開眼。2005年京都大学法学部中退。2012年よりマンガナイトメンバー。

■飯原裕美さん(訳者)
津田塾大学卒業。訳書に『脱毛の歴史』(東京堂出版)。翻訳協力にニコラス・カー『ウェブに夢見るバカ』(増子久美さん、菅野楽章さん訳)、ジョン・ブロックマンほか『ディープ・シンキング』(日暮雅通さん訳)(以上、青土社)、ハンナ・マッケンほか『フェミニズム大図鑑』(最所篤子さん、福井久美子さん訳/三省堂)など。

 

マンガ! 大英博物館マンガ展図録
ニコル・クーリッジ・ルーマニエール (編集), 松葉 涼子 (編集), 山川 早霧 (翻訳), 飯原 裕美 (翻訳)

2019年5月23日(木)~8月26日(月)、世界最大の博物館のひとつ、大英博物館で開催された「Citi マンガ展」。近年、大英博物館で開催された中でも最も好評を博した企画展の図録、日本語版ついに刊行!ちばてつや・星野之宣・中村光・こうの史代・ヤマザキマリ・竹宮惠子・井上雅彦・赤塚りえ子など、人気漫画家や芸術家へのインタビュー記事のほか、漫画編集者や出版社代表、翻訳者、コミックマーケット主催者など、漫画にかかわるさまざまな人々のインタビュー記事を収録。創作やヒットの秘密に迫る。原画等収録作品多数。マンガを多角的にとらえる解説記事も。

 


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