文化は政治に対抗できるのか?『銀河鉄道の父』門井慶喜さんが室町時代の一大文化プロジェクト描く『銀閣の人』刊行
直木賞作家・門井慶喜さん著『銀閣の人』が、KADOKAWAより刊行されました。
「日本の美」の源流をたどれば、そこに彼がいる
応仁の乱のさなか、室町幕府八代将軍・足利義政が構想した東山殿(銀閣)は、当代一流の才能を結集した一大文化プロジェクトだった――。
本書は、2018年『銀河鉄道の父』で直木賞受賞を受賞し、名実ともに歴史小説の旗手となった門井慶喜さんが孤独な将軍義政の理想と苦悩に迫る歴史小説です。
<読みどころ>
1.美術や建築に造詣の深い直木賞作家・門井慶喜さんがはじめて挑む、室町時代の文化プロジェクトをテーマにした歴史小説。
2.斬殺された将軍の父、応仁の乱で荒廃する京の都、衰退してゆく室町幕府……。平穏から程遠い環境で独自の美を構想した室町幕府八代将軍・足利義政の内面に迫る。
3.慈照寺(銀閣寺)に今も残る国宝の東求堂・同仁斎。この“地味で平凡な”四畳半の間が500年間も和風建築の基準であり続けているのはなぜか?
4.「政事(政治)に文事(文化)は拮抗し得るか?」という現代的な問いかけ。
5.権力を握る妻・日野富子、屈託を抱えて早世した息子・義尚。家長としても悩みを抱え続けた義政の生涯。
6.宗祇(連歌師)、村田珠光(茶人)、善阿弥(庭師)。当代一流の才能をまとめあげたプロデューサーとしての側面
<あらすじ>
「日本の美」の源流をたどれば、そこに彼がいる
銀閣寺東求堂(ぎんかくじとうぐどう)にいまも残る”原点の部屋”「同仁斎」。500年にわたって日本家屋のスタンダードであり続けるこの四畳半の間に秘められた歴史とは?
金閣寺を創建した偉大なる祖父・義満への反発、政治に生きた妻・日野富子への愛憎、斬殺された父将軍の記憶――。孤独な将軍義政の静かで苛烈な半生に迫る。
「東山文化」はなぜ日本の基準に(スタンダード)となり得たか?
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著者プロフィール
著者の門井慶喜(かどい・よしのぶ)さんは、1971年群馬県生まれ。同志社大学文学部卒業。2003年「キッドナッパーズ」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。
2016年『マジカル・ヒストリー・ツアー ミステリと美術で読む近代』で日本推理作家協会賞(評論その他の部門)、同年、咲くやこの花賞(文芸その他部門)を受賞。2018年『銀河鉄道の父』で直木賞を受賞。
主な著書に『シュンスケ!』『東京帝大叡古教授』『家康、江戸を建てる』『屋根をかける人』『自由は死せず』『東京、はじまる』などがある。
銀閣の人 門井 慶喜 (著) 「日本の美」の源流をたどれば、そこに彼がいる 室町幕府八代将軍・足利義政。応仁の乱のさなか、己にとっての美を体現する建築を構想した彼は、権力闘争に背を向け独自の美意識を追い求めた。乱世にあって芸術家たらんとする志と苦悩を直木賞作家が描ききる。 |
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