馳星周さん直木賞受賞作『少年と犬』が20万部突破!
文藝春秋は、7月15日に第163回直木三十五賞を受賞した馳星周さんの『少年と犬』の7刷(3万部)を決定。累計発行部数は21万5000部となりました。
第163回直木賞受賞作『少年と犬』について
受賞直後に選考委員の宮部みゆきさんから、選考会では、「犬がまったく擬人化されていない、犬と出会う人間のストーリーがつづられているのが非常に優れている作品だという声が多かった」と説明がありました。コロナで誰もが不安な時代に、傷ついた人間に寄り添う犬にそれぞれの思いを重ねた読者も多かったようです。
SNS上でも「泣いた」という感想が相次いでいます。馳星周さんは7回目のノミネートでの受賞となり長年のファンの祝福の投稿も相次ぎました。
馳さんの出身地である北海道や物語の舞台である岩手県、宮城県、熊本県など、全国各地で好調な売れ行きとのことです。
<作品概要>
傷つき、悩み、惑う人びとに寄り添っていたのは、一匹の犬だった――。
2011年秋、仙台。震災で職を失った和正は、認知症の母とその母を介護する姉の生活を支えようと、犯罪まがいの仕事をしていた。ある日和正は、コンビニで、ガリガリに痩せた野良犬を拾う。多聞という名らしいその犬は賢く、和正はすぐに魅了された。その直後、和正はさらにギャラのいい窃盗団の運転手役の仕事を依頼され、金のために引き受けることに。そして多聞を同行させると仕事はうまくいき、多聞は和正の「守り神」になった。
だが、多聞はいつもなぜか南の方角に顔を向けていた。多聞は何を求め、どこに行こうとしているのか……。犬を愛するすべての人に捧げる感涙作!
著者プロフィール
著者の馳星周(はせ・せいしゅう)さんは、1965年2月18日北海道生まれ。横浜市立大学卒業。出版社勤務、書評家などを経て、1996年『不夜城』で小説化としてデビュー。翌年に同作品で第18回吉川英治文学新人賞を受賞。
1998年『鎮魂歌(レクイエム) 不夜城II』で第51回日本推理作家協会賞、1999年『漂流街』で第1回大藪春彦賞、2020年『少年と犬』で第163回直木三十五賞を受賞。
ノワールの名手として数々の作品を手がけ、近年は歴史小説や山岳小説も執筆。近著に『アンタッチャブル』『陽だまりの天使たち ソウルメイトII』『神奈備』『比ぶ者なき』『暗手』『神(カムイ)の涙』『蒼き山嶺』『雨降る森の犬』『ゴールデン街コーリング』『四神の旗』など。
少年と犬 馳 星周 (著) |
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