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文芸誌『文藝』がリニューアル後、6号中3号目の増刷に! メイン特集は「シスターフッド」 宇佐見りんさん中篇小説「推し、燃ゆ」一挙掲載、ブレイディみかこさん王谷晶さん対談も

文芸誌『文藝』がリニューアル後、6号中3号目の増刷に!

文芸誌『文藝』がリニューアル後、6号中3号目の増刷に!

河出書房新社は、季刊文芸誌『文藝』2020年秋季号(7月7日発売)を、発売4日目となる7月10日に3000部の増刷を決定しました。初刷9000部、累計で12,000部となります。増刷分は21日(予定)以降順次出荷となります。

 
『文藝」は1933年に創刊された日本でも最も歴史の古い文芸雑誌のひとつです。文芸誌の増刷は異例であるにもかかわらず、2019年の大幅リニューアル以降、『文藝』2019年秋季号、冬季号に続き、3号目の増刷となりました。

 
今号の第一特集は「覚醒するシスターフッド」。1年前に特集した「韓国・フェミニズム・日本」というテーマから発展し、この時代における女性たちの連帯と自由を考察しています。

『僕はイエローでホワイトでちょっとブルー』がベストセラーになったブレイディみかこさんと、小説集『完璧じゃない、あたしたち』で様々な女性同士の関係を描いた王谷晶さんによる対談を収録。王谷晶さんによるシスター・バイオレンスアクション中篇、マーガレット・アトウッドさんや桐野夏生さんら国内外の8名の作家による短篇小説、女優の秋元才加さんらのエッセイ等を掲載しています。

第二特集は「非常時の日常 23人の2020年4月-5月」。いとうせいこうさん、奥泉光さん、木皿泉さん、多和田葉子さん、中村文則さん、穂村弘さん、水村美苗さん、村田沙耶香さん、目取真俊さん、柳美里さんら作家を中心に23名が、様々な地で過ごす新型コロナ禍の日常を綴っています。

 
第三特集は「世界の作家は新型コロナ禍をどう捉えたか」。トルコのノーベル賞作家オルハン・パムクさん、著書『災害ユートピア』で知られるレベッカ・ソルニットさん、イギリスの文芸誌「Granta」に初出の川上未映子さんのエッセイを掲載しています。

巻頭には昨年文藝賞を受賞し、デビュー作『かか』が現在三島由紀夫賞の候補となっている宇佐見りんさん渾身の受賞第一作「推し、燃ゆ」(150枚)を一挙掲載。誰かを強く思う「推す」という感情について21歳の才能が鮮烈に描く本作が、発売当初からSNSを中心に話題騒然です。

なお、リニューアル号から連載開始、街と人の呼吸を活写し大きな人気を博した岸政彦さん×柴崎友香さん「大阪」は最終回となりました。

各特集に国内外の名だたる寄稿者が揃ったこと、また「シスターフッド」という日本ではまだ馴染みのない概念についての初特集ということが発売前より話題となり、初版部数を増やしたにもかかわらず、初日から完売店が多数報告されたそうです。

刊行後はSNSを中心に話題が拡がり、注文が殺到し完納。2019年秋季号「韓国・フェミニズム・日本」特集号の売れ行きを彷彿とさせるスピードを鑑み、増刷の運びとなりました。

 

文藝 2020年秋季号

【創作】
〈文藝賞受賞第一作〉
宇佐見りん「推し、燃ゆ」(150枚)
逃避でも依存でもない、推しは私の背骨だ。学校生活も家族関係もままならない高校生のあかりは、アイドル・上野真幸を解釈することに心血を注ぐ。祈るようなその暮らしが、ある日、彼がファンを殴って炎上し、揺らぎ始める。デビュー作『かか』が三島賞候補の二十一歳、圧巻の第二作。

町屋良平「死亡のメソッド」(100枚)
「おまえのゴシップがいつかひとをころすよ」――ネットの炎上記事で生計をたてる鳥井が、十数年ぶりに再会した小学校時代の同級生・菅は、有名俳優になっていた。「カメラがあると生きている感じがする」菅の姿をYouTubeに次々アップしてゆく鳥井だったが……。新たな小説世界を拓く傑作。

 


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