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北野武さん『不良』が刊行 単行本完全書き下ろし短編「3-4 X 7月」も収録 北野作品の原点にして、渾身の青春バイオレンス小説!

北野武さん著『不良』

北野武さん著『不良』

北野武さんの青春バイオレンス小説『不良』が、集英社より刊行されました。

 

『不良』について

◆阿川佐和子さん
「せつなくも愛おしい。プッと吹き出しつつ胸にキュンとくる。なんとアホらしくて美しい世界だろう。」

◆湊かなえさん
「ダイナマイトを腹に巻き、ドブ川に飛び込むキーちゃん、カッコいい!キーちゃん、カッコいい!あぁ、正しく生きることに疲れているな。」

◆逢坂剛さん
「その小説に馬力があるかないかは、だれにでもわかる。つまり、読み手を先へ先へとぐいぐい引っ張る、奔馬の力があるかないか、なのだ。そして『不良』には、それがある。」

 
<『不良』あらすじ>

中学の入学式、いきなり喧嘩で相手を圧倒したキーちゃんになぜか気に入られた茂は、埼玉出身の悪ガキ鈴木、魚屋の佐々木と共に4人で毎日遊びまわることになる。やがて、飲酒喫煙、喧嘩カツアゲから刃物を使った暴力沙汰まで、とにかく悪戯や悪ふざけを越えた遊びで悪名高い集団に。

しかし中学も終わりに差し掛かった頃、キーちゃんは姿を消す。どうやらヤクザになることを決めたらしい。キーちゃんの代わりに番長と見られるようになった茂の立場は微妙に変化し、高校に入ってからも様々な火の粉が降りかかる。ある日、揉め事の最中、茂にちょっかいを出し続けていた岡田の腹を佐々木が出刃包丁で刺してしまい――。

チンピラから成り行きでヤクザの世界に入り込んでしまう少年たちの姿を描く、青春バイオレンス小説である表題作の中編「不良」に加えて、単行本完全書き下ろしとなる短編「3-4 X 7月」も収録。

 

北野武さんから「刊行に寄せて」

主人公の一人であるキーちゃんには、ホントにモデルとして実在した男がいるんだよ。カッコよくて、喧嘩も強かった。泳げば死んじゃうような荒川に飛び込んじゃうわ、イタズラで、電車をひっくり返しそうなヒデえこともやったしね。無鉄砲で、だらしなくて、とてつもない才能があるのに無駄にして死んでいった。でも、これ、下手すると俺だったかもしれないとずっと考えてきたことで、だから小説として浮かび上がってきたんだよ。そう、俺も、どうしようもなく、青春ってやつを無駄使いして、くたばっちまう不良になってたのかも。

物語の舞台は高度経済成長時代だけど、今も昔も変わんないよね。青春なんて無駄遣いしてるやつばっかだもの。

同じように「もしかしたらこうなっていたかもしれない自分」という思いがあって、「3―4Ⅹ7月」にもそのイメージを彫ってる感じがするよね。今の、現実の俺も「胡蝶の夢」なんじゃないか。

いろいろ言い出すとキリがないけど、結局の所、バカをやったり、おっかないことが起きたり、努力がパーになったりする救いのない生き方、死に様ってのを描くのは俺の避けがたい生理なんじゃないのかな。

ちょっとマジメに言っちゃうと、いまとんでもなく生き死にの問題が差し迫った世の中でしょ? そんな時にこの物語に付き合ってくれて、なんか考えるキッカケになってくれりゃ嬉しいね。

 

著者プロフィール

著者の北野武(きたの・たけし)さんは、1947年東京都生まれ。お笑いタレント、司会者、映画監督、俳優。

1980年代初めに起こった漫才ブームにおいて、漫才コンビ「ツービート」として社会を風刺するシニカルな笑いで人気を獲得。1990年頃より司会業や映画監督業を活動の中心とし、MCを務めるテレビ番組の中には20年以上続くものがある。その行動や言動は、一般・芸能界問わず、多大な影響力をもつ。

精力的に執筆活動も行っており、近著に『キャバレー』『北野武第一短篇集 純、文学』『首』など。

 

不良
北野 武 (著)

四人の少年たちは、やがて大人になり、暴力と金の世界へ――。
北野武のド直球勝負作となる青春バイオレンス小説!!

 


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