北野武さんが〈人生〉について語る『人生に期待するな』が刊行
ビートたけしさんが「北野武」名義で”人生”について考える『人生に期待するな』が扶桑社より刊行されました。
本書「まえがき」より(一部抜粋)
この本はオイラが考える人生について書いてみた。あちこち脱線しつつも、この大変化の時代をどうやって生きていけばいいのか、そんな心構えみたいなもんを書いてみた。
人間、誰だっていつかは必ず死ぬ。これが、この本に流れるテーマみたいなもんだ。人生なんてものは、生まれてから死ぬまでの時間にすぎない。天才も凡人も金持ちも貧乏な人も日本人もジンバブエ人も、等しくいつか必ず死ぬわけだから、成功しようが金持ちになろうが、平凡なサラリーマンで終わろうが貧乏のままだろうが、どれも等しく同じ人生なんだよ。
のっけから身も蓋もないことを書いちゃったけど、この本が、生きにくいとか生きづらい、なんて言われてる今の時代を生きていくうえで、なんかの手助けにでもなってくれたらオイラ、ちょっとうれしい。
本書の構成
まえがき
第一章 このおかしな世の中はどうできているのか
みんな、ニワトリ小屋のニワトリだよ/ひとりでも生きていけるのに/人工知能に支配される集団/0と1みたいに単純化したらつまらない/楽に生きられるというシステムの罠/「常識を疑う」ことの大切さ/シンギュラリティは起きない/もし量子コンピュータが実用化されたら/金儲けに狂奔する人間/人間の愚かな勘違い/このままだと人間は絶滅するんだろうね/摩訶不思議な日本経済の仕組み/細かく序列を設けていく金持ちのやり方/貧乏な人を絡め取るシステム/上品と下品について/変化する「武士は食わねど高楊枝」の意味
第二章 人生をどう生きるか
ほとんどの人間は凡人として生まれ、凡人として死んでいく/しっかり足元を見ろ/好きなことが仕事になっただけ/努力して悦に入ってるようじゃまだまだだ/没頭できるものがあればいい/将棋より麻雀のほうがおもしろい理由/相手の話をちゃんと聞く/若いってことにあまり価値はない/芸術の突然変異と大衆の芸術への要求/エッセンシャルワーカーのほうがよっぽど偉い/ワガママ放題で非人情な人間にチャンスがあるのかもしれない/向かってるベクトルが合ってればいつ死んでもいいんだよ/浅草のオヤジのほうが幸せか/何かに疑問を抱くことで自分のできることが見つかるかもしれない/産卵で遡上するサケのすごさ/自分の子に才能がないことを突きつける/他人に迷惑をかけてるかもしれないという想像力の大切さ/日本の資本主義は末期的だ/異常気象もコロナも高齢者の免許返納も根っこは同じなんだよ/政治や政治家ってのをあんまり信用してない理由/政治家には資格試験が必要だ/人生100年時代、定年後はどうやって生きていけばいいのか/今を生きる
第三章 エンターテインメントの怖さ
落差の中にお笑いがある/理想と現実の大いなるギャップから笑いが生まれる/捉えどころのない存在であること/笑いが不当に低く評価されるのはなぜか/お笑い芸人に常識が必要な理由/誰も屁をしてないって建前と誰か屁をこいたろうって本音/異端者を認めない間抜けな民主主義/オイラが考えるキュビズムみたいな映画手法/自分の体験からしかひらめきはない/未開拓の世界に出合うのは運がいい/芸事の怖さ/人間の感情や衝動を商売にすること/映画監督という仕事/エンターテインメントは世の中に影響される/お笑いは日常が満ち足りた状況でやらなきゃ意味がない/根っからのエンターテイナー/テレビの情報発信力が下がってる理由/エンターテインメントの選択肢がやたら増えた/ネットの動画配信サービスの脅威/民放テレビも有料化が必要だな
第四章 人間いつかは誰だって死ぬ
死ぬことは人間に与えられた共通の宿命だ/100人いれば100通りの幸せがある/何にでも終わりがある/第二志望で成功するルートってのもある/神という存在の意味/神が願いをかなえてくれない理由/神は不幸と幸福、どちらもよしとする/死後の世界はない/言葉の意味さえ変わってしまう/沈黙は金の時代/人間の頭ってのは不完全なもんだ/重要な疑問は解決されないまま/自分の脳を扱いきれずに暴走させている人間/客観脳のススメ
あとがきにかえて ~人生に期待するな
著者プロフィール
北野武(きたの・たけし=ビートたけし)さんは、1947年生まれ、東京都出身。漫才コンビ「ツービート」で一世を風靡した後、ソロとしてテレビ、ラジオへの出演のほか、映画や出版の世界でも国民的人気を得る。
また映画監督としても、1997年「HANA‐BI」がヴェネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞、2010年フランスの芸術文化勲章「コマンドゥール」を受章するなど、世界的な評価を得ている。
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