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台湾の漫画家・高妍(Gao Yan)さん短編集『間隙・すきま』が電子化&表紙・挿絵を担当した村上春樹さんエッセイ『猫を棄てる』刊行

高妍(Gao Yan)さん短編漫画集『間隙・すきま』

高妍(Gao Yan)さん短編漫画集『間隙・すきま』

文藝春秋は、4月23日に刊行された村上春樹さんのエッセイ『猫を棄てる 父親について語るとき』で表紙と挿絵を担当した、台湾の漫画家・イラストレーターの高妍(Gao Yan)さんの短編漫画集『間隙・すきま』を同日、電子書籍にて発売しました。

 

台湾の漫画家・イラストレーター、 高妍(Gao Yan)による 短編漫画集『間隙・すきま』を電子化!

『間隙・すきま』は、「序章」「クジラ」「隙間とバニラスカイ」の3つの短編で構成されています。

沖縄に留学中の主人公が、台湾での苦い思い出に浸りながら、大好きなミュージシャンに会うため福岡の音楽フェスに一人で参加します。

冒頭には「雨」にまつわるカラーイラストページも収録。ひとつひとつが丁寧に描かれ、どこか懐かしさを感じさせる一冊となっています。

※この電子書籍は、2019年11月に自費出版された『間隙・すきま』を底本としています。
※電子化にあたって、作中の言葉を日本語に変更しています(翻訳:劉堅白さん)。

 

高妍さんのコメント

今回、村上春樹さんによるノンフィクションの書籍『猫を棄てる 父親について語るとき』で13点の挿絵を担当させていただきました。発売するにあたり、『間隙・すきま』も電子化していただいたことになり、心より深く感謝申し上げます。

 
『間隙・すきま』は、言葉の届かない隙間や伝えられない感情は、音楽のリズムを通じて伝えられるようになる、という物語です。

冒頭のイラストレーションは、沖縄に留学した時の体験に基づいて作った「雨」のシリーズです。

漫画は3編収録していて、「序章」と「クジラ」はグレーの紙を選びましたが、「隙間とバニラスカイ」は黄色に変えました。最後のページに描かれた雨上がりの空をめくった時に、「空は本当にバニラ色なのだ」と連想していただきたいからです。

あとがきで引用した村上さんの『ダンス・ダンス・ダンス』のセリフは、大学三年生の時に読んで、とても惹かれた言葉です。まるで周りのことを考えられず、必死に絵を描いている自分のことのようだと思いながら、何度も繰り返して読んでいました。このあとがきを書いた1ヶ月後に、村上さんとのお仕事のオファーをいただくとは思ってもいませんでした。

 

村上春樹さんのエッセイ『猫を棄てる 父親について語るとき』について

高妍さんが13点の挿絵を描いている、村上春樹さんのエッセイ『猫を棄てる 父親について語るとき』も4月23日に紙・電子書籍で同時発売されます。

 
本書は、村上さんが初めて父親の戦争体験や自身のルーツについて綴った作品で、昨年、月刊誌『文藝春秋』6月号で発表された際に大きな話題となった作品です。

 

高妍さん プロフィール

高妍(Gao Yan/ガオ イェン)さんは、1996年、台湾・台北生まれ。台湾芸術大学視覚伝達デザイン学系卒業、沖縄県立芸術大学絵画専攻に短期留学。イラストレーター・漫画家として、台湾と日本で作品を発表している。

 

間隙・すきま (文春e-Books)
高 妍 (著)

村上春樹さんのエッセイ『猫を棄てる』で表紙と挿絵を担当した、台湾の漫画家・イラストレーターの高 妍(Gao Yan)さん。
一年間の日本留学を終えた彼女が、帰国後に描いた短編漫画を電子書籍化しました。

沖縄留学中の主人公。台湾での苦い思い出に浸りながら、大好きなミュージシャンに会うため、福岡の音楽フェスに一人で参加します。
一つ一つが丁寧に描かれたコマに注目です。巻頭にはカラーページのエッセイも収録。

猫を棄てる 父親について語るとき
村上 春樹 (著)

時が忘れさせるものがあり、そして時が呼び起こすものがある

ある夏の日、僕は父親と一緒に猫を海岸に棄てに行った。歴史は過去のものではない。このことはいつか書かなくてはと、長いあいだ思っていた―――村上文学のあるルーツ

 


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