【第54回蛇笏賞】柿本多映さん句集『柿本多映俳句集成』が受賞
角川文化振興財団は、1年間に刊行された句集の中で最も優れたものに贈る第54回蛇笏賞の受賞作を発表しました。
第54回蛇笏賞が決定!
第54回蛇笏賞は4月17日に、新型コロナウィルス感染予防対策としてネット(Skype)を介したテレビ会議にて選考委員会を開催し、次の通り受賞作を決定しました。
<第54回蛇笏賞 受賞作品>
柿本多映(かきもと・たえ)さん
句集『柿本多映俳句集成(かきもとたえはいくしゅうせい)』(深夜叢書社)
受賞作の『柿本多映俳句集成』には、柿本多映さんの既刊句集完全収録に加えて、句集未収録作品1500句余りを収録されています。
選考委員は片山由美子さん、高野ムツオさん、高橋睦郎さん、長谷川櫂さん。選考委員選評など詳細は、5月25日発売の『俳句』6月号(角川文化振興財団発行/KADOKAWA発売)に掲載される予定です。
受賞者の柿本多映さんには、賞状・記念品および副賞として100万円が贈られます。贈呈式は、6月26日(金曜日)午後3時から、東京・飯田橋のホテルメトロポリタンエドモントにて「第54回迢空賞贈呈式」と併せて開催される予定(中止または延期の可能性あり)です。
なお、最終候補作は以下の5作品でした。
【最終候補作】
◎小川軽舟さん『朝晩』(ふらんす堂)
◎柿本多映さん『柿本多映俳句集成』(深夜叢書社)
◎鍵和田秞子さん『火は禱り』(角川文化振興財団)
◎中嶋鬼谷さん『茫々』(深夜叢書社)
◎中原道夫さん『彷徨』(ふらんす堂)
受賞者プロフィール
受賞者の柿本多映さんは、1928(昭和3年)年2月10日、滋賀県大津市生まれ。本名は妙子。実家は寺院の園城寺(三井寺)。京都女子専門学校(現・京都女子大学)卒業。
当初は短歌に携わるが、1951年の結婚を機に作歌から遠ざかる。1976年、西部大津教室にて句作を開始。1977年、赤尾兜子さんの『渦』入会。1981年に兜子さんが没してのちは橋閒石さん、桂信子さんに師事。『草苑』『白燕』『犀』同人を経て、現在は無所属。現代俳句協会名誉会員、日本ペンクラブ会員、日本現代詩歌文学館評議員。
1988年に第35回現代俳句協会賞、2014年に第29回詩歌文学館賞を受賞。
句集に『夢谷』『蝶日』『花石』『白體』『肅祭』『仮生』など。著書にエッセイ集『時の襞から』『季の時空へ』。
蛇笏賞について
蛇笏賞は、俳人・飯田蛇笏の遺徳を敬慕し、「世世に語り継ぎ、日本詩歌の振興に一層の努力を期す」ことを目的に設立された俳句の賞です。角川文化振興財団(第9回までは角川書店)が主催。
前年の1月から12月の間に刊行された句集の中で最も優れたものに贈られます。
柿本多映俳句集成 柿本 多映 (著) 句業四十二年。既刊句集完全収録。独自の到達点。 |
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