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【第30回ミズノスポーツライター賞】山川徹さん『国境を越えたスクラム』が最優秀賞を受賞 優秀賞に阿部幹雄さん

第30回ミズノスポーツライター賞が決定!

第30回ミズノスポーツライター賞が決定!

公益財団法人ミズノスポーツ振興財団は、スポーツに関する報道・評論およびノンフィクション等を対象として、優秀な作品を顕彰する「第30回ミズノスポーツライター賞」の受賞作を発表しました。

 

「第30回ミズノスポーツライター賞」最優秀賞および優秀賞が決定!

ミズノスポーツ振興財団は3月5日にグランドプリンスホテル高輪で選考委員会を開催し、次の通り受賞作が決定しました。

 
<第30回ミズノスポーツライター賞 受賞作品>

■最優秀賞
山川徹(やまかわ・とおる)さん
『国境を越えたスクラム ラグビー日本代表になった外国人選手たち』(中央公論社)

 
■優秀賞
阿部幹雄(あべ・みきお)さん
『那須雪崩事故の真相 銀嶺の破断』(山と渓谷社)

 
最優秀賞を受賞した山川徹さんは、1977年、山形県生まれ。ノンフィクションライター。山形中央高校2、3年時に全国高等学校ラグビーフットボール大会に出場。東北学院大学法学部卒業後、國學院大學二部文学部史学科に編入。大学在学中からフリーライターとして活動。

優秀賞を受賞した阿部幹雄さんは、1953年、愛媛県松山市生まれ。北海道大学工学部卒業。中国の高峰で8人が滑落死する遭難(1981年)で生き残り、長年にわたり遺体の捜索収容を行なってきました。新潮社の写真週刊誌『FOCUS』の契約記者としてソ連崩壊や自然を題材にした連載を掲載。2003年から北海道テレビ放送HTBの契約記者。第49、50、51次南極観測隊隊員(2007~2010)。山岳地帯でテント生活をする地学調査隊のフィールドアシスタントとして研究者を支え、安全管理を担当。仕事のかたわら、雪崩教育や山岳救助に関するボランティア活動を行っています。雪崩事故防止研究会代表、日本雪氷学会雪氷災害調査チーム前代表。

 
選考委員は、河野通和さん(委員長/ (株)ほぼ日「ほぼ日の学校長」、『中央公論』『婦人公論』『考える人』元編集長)、上治丈太郎さん((公財)東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 参与)、杉山茂さん(スポーツプロデューサー、元NHKスポーツ報道センター長)、ヨーコ ゼッターランドさん((公財)日本スポーツ協会常務理事、スポーツキャスター)、高橋三千綱さん(芥川賞作家)、水野英人さん((公財)ミズノスポーツ振興財団 副会長)。

山川さんには賞金100万円が、阿部さんには賞金50万円がそれぞれ贈られます。表彰式は4月21日にグランドプリンスホテル新高輪で開催。

 

ミズノ スポーツライター賞について

ミズノスポーツライター賞は、ミズノスポーツ振興財団が「スポーツ文化の発展とスポーツ界の飛躍を期待し、これからの若手スポーツライターの励みになる事」を願い、1990年度に制定。

主として新聞・雑誌・単行本などを通じて書かれたスポーツ分野の報道・評論・ノンフィクション等を対象とし、優秀な作品とその著者を顕彰します。

 

国境を越えたスクラム-ラグビー日本代表になった外国人選手たち
山川 徹 (著)

「何があっても日本以外の国の代表になるわけにはいかないと思った」。かつてリーチマイケルはそう語った。ラグビーは、代表選手の国籍を問わない。居住年数など一定の条件を満たせば、国籍と異なる国の代表としてプレーできる。多様なルーツを持つ選手たちは、なぜ「日本代表」となることを選んだのか。

最初期の留学生として来日したノフォムリ・タウモエフォラウやラトゥ志南利、ニールソン武蓮傳。外国人初の代表キャプテンとなったアンドリュー・マコーミック。日本の生活・文化に魅せられたというトンプソンルーク。成績優秀ゆえに留学生に選ばれ、ラグビーに関してはほぼ素人で来日したホラニ龍コリニアシ。韓国代表を断って日本代表を目指した金喆元。日本代表が憧れだったという具智元。そして、日本の高校・大学で受けた恩をラグビーで返したいと言ったリーチマイケル……。さまざまな選手がさまざまな背景を背負って、日本代表チームに集ってきた。

異文化の地で道を拓いた外国人選手たち、彼らを受け入れたチームメイトと関係者の奮闘があってこそ、今の日本代表がある。その歴史は、多様な人々との共生をさぐる日本社会とも重なってみえる。それぞれのライフヒストリーと、秘められた熱い思いをたどる。

那須雪崩事故の真相 銀嶺の破断
阿部 幹雄 (著)

高校生ら8名が死亡、40名が重軽傷を負った那須雪崩事故を徹底的、かつ多角的に検証した渾身のノンフィクション。

2017年3月27日、那須温泉ファミリースキー場周辺でラッセル訓練を行なっていた高校生らに雪崩が襲いかかり、栃木県立大田原高校山岳部部員7名と顧問の教員1名が死亡した。彼らは、栃木県高体連登山専門部が主催していた「春山安全登山講習会」に参加、雪崩に巻き込まれた事故だった。

一瞬のうちに悲劇のどん底に突き落とされる雪崩事故は、あとを絶たないが、今回の事故は、雪崩注意報が出されていたにもかかわらず、雪崩の起きそうな斜面に生徒を誘導した、起きるべくして起きた雪崩故だった。

著者の阿部幹雄氏が雪崩事故の発生の経緯からその原因を丹念に追跡し、長く困難な取材の末にたどりついた結論とは。

 
【関連】
「2019年度 ミズノ スポーツライター賞」受賞者決定〔PDF〕

 


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