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【訃報】SF作家・眉村卓さんが死去 『ねらわれた学園』『妻に捧げた1778話』など

日本SF界の第一世代で、作家の眉村卓(まゆむら・たく=本名:村上卓児)さんが11月3日、誤嚥性肺炎のため大阪市内の病院で死去しました。85歳。大阪市出身。通夜は11月8日午後6時、葬儀は11月9日午後0時30分から、大阪市阿倍野区阿倍野筋4の19の115、市立葬祭場やすらぎ天空館で。喪主は長女の知子さん。

 
眉村卓さんは、1934年生まれ。大阪大学経済学部卒業。大阪で会社勤めの傍ら、星新一さん、小松左京さん、筒井康隆さん、光瀬龍さんらも参加していたSF同人誌「宇宙塵(うちゅうじん)」に参加。1961年「下級アイデアマン」で第1回日本SFコンテストに入選。1963年、初長編『燃える傾斜』を刊行。1965年より専業作家となり、ジュブナイルSFから本格SF、エッセイまで幅広く活躍。大阪芸術大教授も務めました。

1979年に代表作「司政官シリーズ」の『消滅の光輪』で泉鏡花文学賞と星雲賞、1987年『夕焼けの回転木馬』で日本文芸大賞、1996年には「司政官シリーズ」の『引き潮のとき』で2度目となる星雲賞を受賞。

 
ジュブナイルSF『ねらわれた学園』は、1977年にNHKの「少年ドラマシリーズ」でドラマ化され、1981年に大林宣彦さん監督・薬師丸ひろ子さん主演で映画化、1982年に原田知世さん主演で連続ドラマ化されるなど何度も映像化されています。また、『なぞの転校生』も1975年にNHK「少年ドラマシリーズ」でドラマ化、1998年に小中和哉さん監督、新山千春さん主演で映画化、2014年にテレビ東京で中村蒼さん、本郷奏多さん、桜井美南さん出演でドラマ化されました。

また、がんの妻を励ますため、1997年から2002年まで毎日一編のショートショートを書き綴り、2004年に『妻に捧げた1778話』として書籍化。同書は、2011年に草彅剛さん主演で映画化もされました。

 
著書に、『燃える傾斜』『わがセクソイド』『虹は消えた』『かれらの中の海』『重力地獄』『ねじれた町』『ぬばたまの……』『つくられた明日』『長い暁』『迷宮物語』『不定期エスパー』『カルタゴの運命』『時空の旅人(「とらえられたスクールバス」改題)』『沈みゆく人』、「無任所要員」シリーズ、『飢餓列島』(福島正実さんと共著)、句集『霧を行く』など多数。

 

ねらわれた学園 (新装版) (講談社青い鳥文庫)
眉村 卓 (著), れい亜 (著)

何度も映像化されている日本SFジュブナイルの大傑作が、新装版で登場!

耕児と和美は、進学校の阿倍野第六中学校に通う中学2年生。ありふれた学校生活は、謎の少女・高見沢みちるが生徒会長に選ばれたことにより急変する。大勢を扇動する力強い言葉と、厳しい校則で学園を支配していくみちる。監視、告発、懲罰によって奪われていく自由―彼女の真の目的とは!?1976年の刊行以来、何度も映画化・テレビドラマ化されたジュブナイル小説の大傑作。

消滅の光輪
眉村 卓 (著)

植民星ラクザーンでは、人類と瓜二つの穏和な先住民と、地球人入植者とが平和裡に共存し発展を謳歌していた。だがその恒星系の太陽が、遠からず新星化する。数年内に惑星のすべての住民を待避させよ――。新任司政官マセ・PPKA4・ユキオはロボット官僚を率い、この空前ともいえる任務に着手するが。緻密な設定のもと周到なオペレーションを描きあげ、《司政官》シリーズの最高作にして眉村本格SFの代表作と謳われる傑作巨編。泉鏡花文学賞、星雲賞受賞作!

妻に捧げた1778話(新潮新書)
眉村 卓 (著)

余命は一年、そう宣告された妻のために、小説家である夫は、とても不可能と思われる約束をした。しかし、夫はその言葉通り、毎日一篇のお話を書き続けた。五年間頑張った妻が亡くなった日の最後の原稿、最後の行に夫は書いた──「また一緒に暮らしましょう」。妻のために書かれた1778篇から19篇を選び、妻の闘病生活と夫婦の長かった結婚生活を振り返るエッセイを合わせたちょっと変わった愛妻物語。

 


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