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【第45回大佛次郎賞】角幡唯介さん『極夜行』が受賞

朝日新聞社は、優れた散文作品に贈られる第45回大佛(おさらぎ)次郎賞の受賞作を発表しました。

 

第45回大佛次郎賞が決定!

第45回大佛次郎賞の受賞作は次の通りです。

 
■第45回大佛次郎賞
角幡唯介(かくはた・ゆうすけ)さん
『極夜行』(文藝春秋)

 
受賞した角幡唯介さんは、1976年生まれ。北海道出身。早稲田大学卒業。探検家・ノンフィクション作家。『空白の五マイル』で開高健ノンフィクション賞と大宅壮一ノンフィクション賞を、『アグルーカの行方』で講談社ノンフィクション賞を受賞。本作でノンフィクション本大賞も受賞

角幡唯介さんには、賞金200万円が贈られます。贈呈式は来年1月30日に、東京・内幸町の帝国ホテルで、朝日賞、大佛次郎論壇賞、朝日スポーツ賞とともに開催。

 
選考委員は、佐伯一麦さん(作家)、後藤正治さん(ノンフィクション作家)、船橋洋一さん(元・朝日新聞本社主筆)、田中優子さん(法政大学総長)、鷲田清一さん(哲学者)

 

大佛次郎賞について

大佛次郎賞は、小説、ノンフィクション、歴史記述など幅広い分野で活躍した作家・大佛次郎さんの業績をたたえて、1973年に朝日新聞社が創設。その形式のいかんを問わず、優れた散文作品に贈られます。

 

極夜行
探検家にとっていまや、世界中どこを探しても”未知の空間“を見つけることは難しい。大学時代から、様々な未知の空間を追い求めて旅をしてきた角幡唯介は、この数年冬になると北極に出かけていた。そこには、極夜という暗闇に閉ざされた未知の空間があるからだ。極夜――「それは太陽が地平線の下に沈んで姿を見せない、長い、長い漆黒の夜である。そして、その漆黒の夜は場所によっては3カ月から4カ月、極端な場所では半年も続くところもある」(本文より)。彼は、そこに行って、太陽を見ない数カ月を過ごした時、自分が何を思い、どのように変化するのかを知りたかった。その行為はまだ誰も成し遂げていない”未知“の探検といってよかった。 シオラパルクという世界最北の小さな村に暮らす人々と交流し、力を貸してもらい、氷が張るとひとりで数十キロの橇を引いて探検に出た。相棒となる犬を一匹連れて。本番の「極夜の探検」をするには周到な準備が必要だった。それに3年を費やした。この文明の時代に、GPSを持たないと決めた探検家は、六分儀という天測により自分の位置を計る道具を用いたため、その実験や犬と自分の食料をあらかじめ数カ所に運んでおくデポ作業など、一年ずつ準備を積み上げていく必要があった。そしていよいよ迎えた本番。2016年~2017年の冬。ひたすら暗闇の中、ブリザードと戦い、食料が不足し、迷子になり……、アクシデントは続いた。果たして4カ月後、極夜が明けた時、彼はひとり太陽を目にして何を感じたのか。足かけ4年にわたるプロジェクトはどういう結末を迎えたのか。 読む者も暗闇世界に引き込まれ、太陽を渇望するような不思議な体験ができるのは、ノンフィクション界のトップランナーである筆者だからこそのなせる業である。

 
【関連】
第45回大佛次郎賞 ノンフィクション『極夜行』――角幡唯介氏:朝日新聞デジタル
朝日新聞社インフォメーション | 大佛次郎賞・大佛次郎論壇賞

 


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