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【訃報】俳人・遠藤若狭男さんが死去 俳誌「若狭」を主宰

俳人の遠藤若狭男(えんどう・わかさお=本名:遠藤喬<たかし>)さんが12月16日、横浜市の病院で死去しました。71歳。福井県敦賀市出身。葬儀は12月21日午前10時から横浜市青葉区美しが丘2の21の4、公益社会館たまプラーザで。喪主は妻で俳人の大谷和子さん。

 
遠藤若狭男さんは、1947年生まれ。1971年早稲田大学卒業。1976年に第1小説集『檻の子供』を刊行。1983年に鷹羽狩行さんが主宰する俳誌「狩」に入会。のちに同人となり、編集長などを務めました。2014年に「狩」退会。2015年に俳誌「若狭」を創刊し、主宰。2017年、評論『人生百景―松山足羽の世界』で日本詩歌句随筆評論大賞(評論部門)を受賞。

主な句集に『神話』『青年』『船長』『去来』『旅鞄』など。句集以外に、小説集に『檻の子供』、評論『鷹羽狩行研究』など。

 

遠藤若狭男句集 (現代俳句文庫)
◆現代俳句文庫シリーズ81
金閣にほろびのひかり苔の花

・収録作品
『神話』抄、『青年』抄、『船長』抄、『去来』抄 、『旅鞄』抄
・エッセイ
塚本邦雄の「若狹男」
悲痛な魂の声
「若狭」創刊のことば
・解説
歳晩やむかしの汽車は─遠藤若狭男句集『青年』/福島泰樹
もうふりむかず─遠藤若狭男論/伊藤伊那男
若狭路/大牧広

◆収録作品より
家に疲れて家を出て揚雲雀
歳晩やむかしの汽車は火の粉あげ
バリケードなき大学の黄落期
炎天の働く顔とすれ違ふ
ひぐらしや重たくなりし旅鞄
海のいろ変へては若狭秋しぐれ
風の子のみんなちりぢり冬の暮
木枯のなか帰り来て誰もゐず
春昼の踏みごたへなき砂丘かな
海荒れて能登金剛の春いづこ

 


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