【Yahoo!ニュース×本屋大賞「ノンフィクション本大賞2018」】角幡唯介さん『極夜行』が受賞
Yahoo!ニュースと本屋大賞が連携して新設された「ノンフィクション本大賞2018」の受賞作が発表されました。
「Yahoo!ニュース | 本屋大賞 ノンフィクション本大賞」初の受賞作が決定!
「Yahoo!ニュース | 本屋大賞 ノンフィクション本大賞2018」の最終選考会が開催され、ノミネートされた10作品の中から、次の通り受賞作が決定しました。
■ノンフィクション本大賞2018
角幡唯介(かくはた・ゆうすけ)さん
『極夜行』(文藝春秋)
受賞者の角幡唯介さんには、賞金(取材支援費)として100万円が贈られます。
なお、大賞決定までの過程は「最終選考会」ページ(https://news.yahoo.co.jp/promo/newshack/award/2018/books/review/)で公開されています。
また、角幡唯介さんの「受賞の言葉」や、ノミネート作品の紹介は、https://news.yahoo.co.jp/promo/newshack/award/2018/books/ をご覧ください。
「Yahoo!ニュース | 本屋大賞 ノンフィクション本大賞」について
Yahoo!ニュース | 本屋大賞 ノンフィクション本大賞」は、Yahoo!ニュースと本屋大賞が初の試みとして創設した、日本語で出版されたノンフィクション作品全般 (海外作品の翻訳本、新書は除く)を対象とする文学賞です。
2017年7月1日から2018年6月30日の間に出版された作品が対象となります。
7月10から8月9日まで書店員による一次投票を行い、ノミネート作品(10作品)が決定。その後、本屋大賞実行委員会とYahoo!ニュースによる二次選考を経て、今回大賞作品が決定しました。
探検家にとっていまや、世界中どこを探しても”未知の空間“を見つけることは難しい。大学時代から、様々な未知の空間を追い求めて旅をしてきた角幡唯介は、この数年冬になると北極に出かけていた。そこには、極夜という暗闇に閉ざされた未知の空間があるからだ。極夜――「それは太陽が地平線の下に沈んで姿を見せない、長い、長い漆黒の夜である。そして、その漆黒の夜は場所によっては3カ月から4カ月、極端な場所では半年も続くところもある」(本文より)。彼は、そこに行って、太陽を見ない数カ月を過ごした時、自分が何を思い、どのように変化するのかを知りたかった。その行為はまだ誰も成し遂げていない”未知“の探検といってよかった。 シオラパルクという世界最北の小さな村に暮らす人々と交流し、力を貸してもらい、氷が張るとひとりで数十キロの橇を引いて探検に出た。相棒となる犬を一匹連れて。本番の「極夜の探検」をするには周到な準備が必要だった。それに3年を費やした。この文明の時代に、GPSを持たないと決めた探検家は、六分儀という天測により自分の位置を計る道具を用いたため、その実験や犬と自分の食料をあらかじめ数カ所に運んでおくデポ作業など、一年ずつ準備を積み上げていく必要があった。そしていよいよ迎えた本番。2016年~2017年の冬。ひたすら暗闇の中、ブリザードと戦い、食料が不足し、迷子になり……、アクシデントは続いた。果たして4カ月後、極夜が明けた時、彼はひとり太陽を目にして何を感じたのか。足かけ4年にわたるプロジェクトはどういう結末を迎えたのか。 読む者も暗闇世界に引き込まれ、太陽を渇望するような不思議な体験ができるのは、ノンフィクション界のトップランナーである筆者だからこそのなせる業である。
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