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川内有緒さん「本屋大賞 ノンフィクション本大賞」受賞第一作『自由の丘に、小屋をつくる』が刊行

2022年に『目の見えない白鳥さんとアートを見にいく』でYahoo!ニュース|本屋大賞 ノンフィクション本大賞を受賞した注目のノンフィクション作家、川内有緒さんによる最新刊『自由の丘に、小屋をつくる』が新潮社より10月18日に刊行されます。

 

数々の賞に輝くノンフィクション作家が最新作に選んだテーマは、「自分の場所を、自分でつくる」こと

 
◆なぜ、この作品が生まれたのか?

アメリカやフランスに移住し、その過程で出会った心惹かれる人や物のことを本にしてきた川内有緒さん。日本に帰国後、40代で一児の母となり、「夢は娘の親友になって一緒に長い二人旅をすること」と考えるようになります。

 
子育てをするなかで、川内さんの書くものは第16回開高健ノンフィクション賞を受賞した『空ゆく巨人』のように、「気になる人の人生をじっくりと旅する(取材して追体験する)」ものへと変化していきます。

それは、川内さんが自身の内面をより深く掘り下げていく作業でもあり、そうして書かれた『目の見えない白鳥さんとアートを見にいく』はYahoo!ニュース|本屋大賞 ノンフィクション本大賞を受賞します。そして、自身とより向き合い「本当の自由」に気づいていく過程を描いたのが本作になります。

 
◆書籍タイトルの「小屋」とは?

川内さんが山梨県のある限界集落に小屋をつくる、その過程を描いたのが本作です。

小屋づくりの直接的なきっかけは、東京で生まれ、東京で育つわが子に「故郷のような、いつでも戻れる居場所をつくってあげよう」というものでした。

 
◆コスパ・タイパ重視の社会からはみ出してみる

手を動かし仲間たちと語らう中で川内さんの内面は変化し、効率主義や「お金で買えるものの価値」に思いを馳せるようになり、小屋づくりは単なる小屋づくりを超えた意味を持つようになります。

読めば、現代社会で見失われがちな「価値」について川内さんと一緒に考えを深めていくような気持ちになる一冊です。

 

本書の構成

第1章 それはずっと一緒にいられない娘のために

第2章 世界でたったひとつの机が生まれた

第3章 ハイジの小屋と新しい風景

第4章 実家リノベーションは修練の場

第5章 未来予想図 ここに決めた!

第6章 人力で土地をならすと古墳が生まれた

第7章 西部開拓史が生んだ工法で進め

第8章 こどもの日は自家製コンクリートを作ろう

第9章 壁は一夜にしてならず

第10章 平面から立体にー闇を切り裂く叫び声

第11章 なんのための小屋なんだ

第12章 タコを捕まえる女と裸足の男、そして体力の限界

第13章 全ては窓辺の景色のために

第14章 ときには雨もいいものだ

第15章 終わらない台風との戦い

第16章 快適なトイレへの道

第17章 トイレなんか、青いバケツで十分だ

第18章 最初で最後の全員集合!ーいつかまた小屋で会おう

第19章 さよならだけが人生なのか

第20章 壁を塗りながら本当の自由について考えた

第21章 パリへのオマージュを魚の骨柄にたくして

第22章 みんなの思い出、井戸掘りサマー

第23章 BON V OYAGE!

謝辞 あとがきにかえて

 

著者プロフィール

川内有緒(かわうち・ありお)さんは、ノンフィクション作家。1972年生まれ、東京都出身。

映画監督を目指して日本大学芸術学部へ進学したものの、あっさりとその道を断念。行き当たりばったりに渡米したあと、中南米のカルチャーに魅せられ、米国ジョージタウン大学大学院で中南米地域研究学修士号を取得。米国企業、日本のシンクタンク、仏のユネスコ本部などに勤務し、国際協力分野で12年間働く。2010年以降は東京を拠点に評伝、旅行記、エッセイなどの執筆を行う。

『バウルを探して 地球の片隅に伝わる秘密の歌』(幻冬舎)で新田次郎文学賞、『空をゆく巨人』(集英社)で開高健ノンフィクション賞、『目の見えない白鳥さんとアートを見にいく』(集英社インターナショナル)でYahoo!ニュース本屋大賞 ノンフィクション本大賞を受賞。ドキュメンタリー映画「目の見えない白鳥さん、アートを見にいく」の共同監督も務める。

 

自由の丘に、小屋をつくる
川内 有緒 (著)

Yahoo!ニュース|本屋大賞 ノンフィクション本大賞受賞第一作!

「生きる力ってなんだろう?」セルフビルドしながら問い続けた6年間の軌跡
40代で母親になって考えた。「この子に残せるのは、“何かを自分で作り出せる実感”だけかも」。そこから不器用ナンバーワンの著者による小屋作りが始まる。コスパ・タイパはフル度外視。規格外の仲間たちと手を動かすほどに「世界」はみるみるその姿を変えていき……。暮らしと思索が響き合う、軽快ものづくりエッセイ。

 


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