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今野保さん〈奥地に生きた犬と人間の物語〉『アラシ』が刊行 探検家・角幡唯介さん「ジャック・ロンドンの『野性の呼び声』そこのけのすごい話だった」

今野保さんのノンフィクションの名作『アラシ 奥地に生きた犬と人間の物語』がヤマケイ文庫より刊行されました。

 

野生みなぎる犬たちとの感動必至の物語

 
探検家・角幡唯介さん、大絶賛!
「傑作! ジャック・ロンドンの『野性の呼び声』そこのけのすごい話だった。」

 

「アラシ、どこへ行く」と呼びかける私の声に見向きもせず、アラシは沢に架かる木の一本橋を渡って対岸へ走り、たちまち視界から消え去った。
こんなことは今までのアラシにはなかった。”もしかして、このまま帰ってこないのではないか。” 私は何故とはなしにそう思った。
(本文「アラシ」より)

 
【あらすじ】
吹雪の夜に迷い込んできた山犬の仔は、過酷な北海道の原野を生き抜き、やがて仲間とともに山奥へ消えた――。
犬と人の絆、野生の掟、生と死がせめぎ合う伝説の名著。

川で溺れかかった今野少年を救ったクロ(Ⅰ)。
嵐の夜に迷い込んできた山犬・アラシとの絆と野生の掟に従い訪れる別れ(II)。
大熊をも倒したという勇猛果敢なタキの話(III)。
人と驚くほど意思を通じ合わせることのできたノンコのこと(IV)。
北海道の美しく過酷な大自然の中で、犬と人間との間に刻まれる4つの物語。野生みなぎるノンフィクションです。

 

本書の目次

Iクロ 鶏小屋の侵入者/野犬の群れ/夜の山道/旅立ち/別れのとき

IIアラシ 山火事/吹雪の夜/山犬の群れ/夜襲/身近な出来事/吹雪の道で/山へ帰る

IIIタキ 働きもの/大きな足跡/毒矢/野辺送り

IVノンコ 悲鳴/心を読む/習癖/野性の戦い/離散

あとがき

解説 角幡唯介

 

著者プロフィール

今野保(こんの・たもつ)さんは、1917年生まれ、北海道早来町出身。奥地での製炭業を経て、1937年から26年間炭鉱に勤務。その後、室蘭にて土木会社を設立。1984年に事故で右手を負傷するが、入院中に左手で文字を書く練習を行い、その後、執筆活動を始める。

著書に『渓流の想い出』『染退川追憶』(以上、私家版)、『アラシ―奥地に生きた犬と人間の物語』『羆吼ゆる山』『秘境釣行記』がある。2000年、逝去。

 

 


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