【第九回山田風太郎賞】真藤順丈さん『宝島』が受賞
KADOKAWAは10月26日、第九回山田風太郎賞の受賞作を発表しました。
第九回山田風太郎賞が決定!
第九回山田風太郎賞の選考会が10月26日に開催され、受賞作が次の通り決定しました。
■第九回山田風太郎賞
真藤順丈(しんどう・じゅんじょう)さん
『宝島』(講談社)
受賞者の真藤順丈さんは、1977年生まれ。東京都出身。2008年『地図男』で、第三回ダ・ヴィンチ文学賞大賞を受賞しデビュー。同年『庵堂三兄弟の聖職』で第15回日本ホラー小説大賞、その他に第15回電撃小説大賞銀賞、第3回ポプラ社小説大賞特別賞をそれぞれ別の作品で受賞。新人賞4賞受賞の快挙で、一身に注目を集めました。他の著書に『畦と銃』『墓頭』『七日じゃ映画は撮れません』『しるしなきもの』『夜の淵をひと廻り』などがあります。
選考委員は、奥泉光さん、京極夏彦さん、筒井康隆さん、林真理子さん、夢枕獏さん。
選考委員を代表して選評を述べた夢枕獏さんは「すごい熱量を感じました。小説を自分で書き始めた頃のことを思い出しました」「計算ではない感覚で捉えたその文章が読んでいてとても心地よく、この小説が持っている唄う力の強さを感じました」とコメント。
この日の記者会見で真藤順丈さんは「とても光栄です。文学賞にノミネートされる機会がこれまでなく受賞は難しいと思っていたので、受賞できて感慨が大きいです」と喜びを語りました。
真藤さんには、正賞として記念品(名入り万年筆)が、副賞として100万円が贈られます。贈賞式および祝賀会は11月30日に、いずれも帝国ホテル東京にて開催。角川四賞として、「第38回横溝正史ミステリ大賞」「第25回日本ホラー小説大賞」「第9回野性時代フロンティア文学賞」(主催:KADOKAWA)の贈賞式・祝賀会もあわせて行われます。
なお、候補作品は以下の5作品でした。
【候補作品】※敬称略
『信長の原理』(垣根涼介/KADOKAWA)
『宝島』(真藤順丈/講談社)
『夏空白花』(須賀しのぶ/ポプラ社)
『滅びの園』(恒川光太郎/KADOKAWA)
『ブロードキャスト』(湊かなえ/KADOKAWA)
山田風太郎賞について
山田風太郎賞は、戦後日本を代表する大衆小説作家・山田風太郎さんの「独創的な作品群と、大衆性、ノンジャンル性、反骨精神など氏が貫いた作家的姿勢への敬意を礎に、有望な作家の作品を発掘顕彰するため、2010年にスタート(創設は2009年)された文学賞です。株式会社KADOKAWAと一般財団法人「角川文化振興財団」が主催。
毎年9月1日から翌年8月31日までに書籍として発表された長編および短編の文芸作品(ミステリ、時代、SFなどジャンルを問わない)の中より最も面白いと評価された日本の小説作品に贈られます。新人、新進、中堅作家の作品が対象となります。
希望を祈るな。立ち上がり、掴み取れ。愛は囁くな。大声で叫び、歌い上げろ。信じよう。仲間との絆を、恋人との愛を。美しい海を、熱を、人間の力を。
英雄を失った島に、新たな魂が立ち上がる。固い絆で結ばれた三人の幼馴染み――グスク、レイ、ヤマコ。生きるとは走ること、抗うこと、そして想い続けることだった。少年少女は警官になり、教師になり、テロリストになり――同じ夢に向かった。
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