『補欠の力 広陵OBはなぜ卒業後に成長するのか?』夏の甲子園100回大会にも出場!広島・広陵高校の育成力に迫る!
元永知宏さん著『補欠の力 広陵OBはなぜ卒業後に成長するのか?』が、ぴあより刊行されました。
一番しんどいのは控えの選手が本気で3年間をやり通すこと
惜しくも初戦敗退したものの、夏の甲子園でも広島県代表校として堂々の戦いぶりを見せた広陵高校。
二岡智宏さん、野村祐輔さん、小林誠司さん、中村奨成さんなど、プロ野球界でも活躍する数々の逸材を輩出してきた同校を取材した元永知宏さんが、OB、監督、卒業生の親らの証言から広陵野球部の「育成力」に迫ります。
広陵には、選手なら誰もが恐れる中井哲之さんという監督がいます。
部員は全員が寮生活、正月休み以外はほとんど練習漬けの日々を送ります。彼らの活動範囲は、教室と寮とグラウンドだけ。携帯電話を持つことはなく、自由にテレビを見ることもできません。厳しさという面において、日本でもトップクラスでしょう。
本書では、選手、監督、プロ野球で活躍するOBたちにこんな疑問をぶつけています。
野球に必要な厳しさとは何か?
広陵が強いのはなぜなのか?
どうして卒業後に成長するか?
広陵OBはなぜプロ野球で成功するのか?
19歳の中村奨成さんから56歳の中井監督まで答えはさまざまですが、強いチームをつくるための秘密がそこにはあります。
本書の目次
1章 中村奨成 甲子園で覚醒した理由
「俺のために太鼓を叩け、その分俺が打ってやる!」
2章 中井哲之 広陵野球部のルール
「野球以外のことを大事にせい」
3章 中井哲之 日本一よりも大切なもの
「ポジションは補欠です。3年間野球をやりました」と胸を張れるのがかっこいい
4章 卒業生の親が見た広陵野球部
「レギュラーになれるか、甲子園に出られるかどうかわからない、それでも『広陵野球部に入れてよかった』と思います」
5章 稲田直人 広陵野球部 20年前の風景
「選手の反骨心や反発心を中井先生があおっていた部分もあったはず」
6章 上原健太・有原航平 広陵OBはなぜ卒業後に成長するのか?
中井先生は「おまえはどう思う? と聞いてくれました」
7章 野村祐輔・小林誠司・櫟浦大亮 甲子園準優勝を勝ち取った「史上最弱」メンバー
「控の選手がプレイについて厳しいことを言ってくれるんです」
8章 野村祐輔・小林誠司・櫟浦大亮 あの逆転負けからの10年
「決勝戦で負けたことで逆にもっと頑張ろうと思いました」
9章 中井哲之 全員の思いを力に
「僕の18歳のときより生徒が上じゃなかったら僕が指導しとる意味がない」
10章 岩本淳太 背番号18 控えのキャプテン
「日本一のチームになるために日本一のミーティングをしようと思いました」
元永知宏さん プロフィール
著者の元永知宏(もとなが・ともひろ)さんは、1968年、愛媛県生まれ。
立教大学野球部4年時に、23年ぶりの東京六大学リーグ優勝を経験(大学時代にベンチ入り7試合、出場試合0)。大学卒業後、ぴあ、KADOKAWAなど出版社勤務を経て、フリーランスに。
著書に『期待はずれのドラフト1位』『敗北を力に!』(岩波ジュニア新書)、『殴られて野球はうまくなる!?』(講談社+α文庫)、『敗者復活』『どん底』(河出書房新社)、『荒木大輔のいた1980年の甲子園』(集英社)がある。
一番しんどいのは控えの選手が本気で3年間をやり通すこと
地方大会でベンチ入りできるのは20人、甲子園は18人だけだ。8割以上の選手がベンチの外から試合を見ることしかできない。ならば、補欠はチームの勝利に関わることができないのか?
「甲子園がゴールになってほしくない」
二岡智宏、野村祐輔、小林誠司、中村奨成、彼らは広陵高校でどんな生活を送り、3年間で何を手にしたのか。OB、監督、卒業生の親の証言から広陵野球部の「育成力」に迫る。